【超短編小説】 好きな人
「好きな人、いるん?」
学校の帰り道。
偶然、一緒に帰ることになったあの日、君は僕にそう尋ねてきた。
僕はクラスが同じになった頃から君のことが好きだった。
でも、強がって「いるに決まってるじゃん」と言った。
後で聞いた話では、当時の君は僕のことが好きだったようだった。
周りの女子達からは「バカ」と言われた。
だから、僕はあの時に戻ろうと思う。
もう一度、あの時あの瞬間に「好きだ」と伝えれば、僕は君と付き合うことができるかもしれない。
時空が歪んでも、未来が変わったとしても、僕は君に告白しようと思う。
「僕が好きな人は・・・」(了)