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nowhereman220
【超短編小説】 イクラデモクレテヤル
鞄を投げた、海に。
ただそれだけ。
あの中には私の全てが入っている。
でも、もうどうでも良かった。
鞄はプカプカと何処かに運ばれて行く。
誰かに拾われるか、海の底に沈むか。
私は後者に賭けた。
不要な物だ。
あったところで役に立たない。
「イクラデモクレテヤル」
海賊にでもなったような気分だ。
さっきまでの重さが嘘のようだった。
私は大きく伸びをした。
「これで終わりだね」
海風がとても心地良かった(完)