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【超短編小説】 タイムマシーン

「斎藤さんの家って、タイムマシーンあるらしいよ」

「マジで、ヤバー。私も欲しいなー」

「スゴイよね。うちもお金あったらなー、タイムマシーン買えるのに」

「タイムマシーンあったら、何するの?」

「うーん、昨日に戻りたいかな」

「昨日?」

「そう。こうやって、二人で話して。しょーもないこと、喋りたい」

「えー、もっと他にあるでしょ。使い方がもったいないよ」

「そうかな。過去なんて、あっという間だよ。私は、この時間が楽しい」

「部活終わりに歩きながらアイス食べて」

「そう。一緒にアイス食べながら家に帰る感じ」

「うーん。それもそうかもね」

「だから、私は昨日にタイムスリップする」

「そう言えば、今日は8月31日だね」

「そう。だから、ずっーと夏休み」(完)