水遊びの日に…
↑こちらの記事に参加してみました。
「虎吉」さんは私がnoteから去った事を書いた時にコメントを下さいました。「参加してみませんか?」という優しいお誘いが嬉しかったです。人と繋がる事の恐怖とか不安も正直あるのですが、読んでいただける事こそ、noteの醍醐味だったなと…。企画に参加することでまた少しずつ交流の輪を広げたいと思います。
今回の季語は…
「プール」でお願いします🙇♀️
梅雨が明けると夏がやってくる。
私の地域は、朝晩の涼しさから日中の気温上昇の幅が激しいのが体に応える。暑くなりそうな日は少しばかり気が重い。
気が重いのは暑さだけが原因ではない。
転職してまだ数ヶ月…。子ども達への支援のあり方には悩むことが多い。そして、人間関係でも…
私が勤める事業所には重度心身障害児が集う。出生時のトラブル、乳幼児期の感染症の悪化、遺伝子異常による進行性の病気など様々な理由で障害を抱えた子ども達が放課後を過ごすためにやってくる。
私は機能訓練士という立場で子ども達に関わっている。
子ども達は個性豊かで、好きなものがそれぞれ違うし、遊び方も様々なのだが、唯一、共通して大好きな遊びがある。
それは「水遊び」だ。
正直、私は意外だった。
このような子ども達にとって、水は苦手なものの一つではないかと勝手に思い込んでいたのだ。
そして、夏の外遊びはリスクもある。彼や彼女たちの体温調節能力には個人差があり、熱がこもり過ぎてしまう子もいる。また、感覚刺激に過敏に反応して発作を起こす子もいるから、慎重に関わらなくてはならない。
それでも、子どものモチベーションを引き出すプロである保育士さん達は、色んな大きさのプールを出したり、水を色んな形に変化させて遊びを盛り上げる。
霧吹き、水風船、お湯、泡、水に入れると膨らむぷよぷよボール、シャワー、寒天と色水を混ぜて固形にしたり、水に春雨を入れあ感触遊びなど。
プールには事前にたっぷりの水をはって水温を適温にしておき、足だけでも入れるようにしている。
「なるほど…」と私は思った。
水はありとあらゆるものに自在に変化し、その時々で見せる表情が違う。
水に触れた瞬間のそれぞれの子ども達の表情はなんともいえないものがあって心がくすぐられる。それぞれが様々に皮膚から感覚刺激を感じとり、自分の中に落とし込んでいる様子を言い表すなら、「素敵…」とか「かわいい」という表現になってしまう。
私はその姿が愛おしくて仕方ない。
職員達もまた、皆、笑顔になり、一瞬だけみんなが一つになる。
私は、水というものの不思議さに心が惹かれた。
無色透明な液体であることだけでなく、水には何か力があるように思えてならない。
水には哲学がある…なんて思って検索しちゃったら、わかりやすい記事を読ませて頂いた。
孔子の上善如水…
有名な中国古典だけど、私はこの名の日本酒の方が好きで良く知っていた。
あー。呑みたい。
いや、違う。
話を戻す…。
記事を引用させていただくけれど、このような事が書かれていた。
水は「調和」も生み出している。
なんとなくストンと私の中に落とし込めた。
私はまだまだ固定観念の塊で、自分の成功なんて考えていないつもりでも、何か成し遂げたいと思う気持ちには野心があり、寛容さに欠けていたのかもしれない。
保育士さん達が出してくれた沢山のアイデア達には
優しさと可愛らしさとユーモアがあり、子どもの心を掴む仕掛けが散りばめられていた。
つまらない理論とか少しばかりの経験値とか形ばかりの野心で何かを無理やり押し通そうとしていたのかもしれない…なんてもぼんやり思った。
私は何も知らなかったし、何も出来ていなかった。
無知の知。
だな。
そう割り切ると少しだけ楽になる。
子ども達の水遊びが私の心も潤してく。
澱みも濁りも起こるだろう。自然な事だ。
私の仕事は、リスクや出来ないことを探すものではない。頭で分かっている。
無意識の中にある頑なさを小川のように柔らかく穏やかに流せていけたら。
水遊びの日に。
子ども達と水と…不思議と調和のとれた、心地よい日に。
私はまた少しだけ視野を広げる。
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