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アートに触れる旅に出たい

素敵なお写真ヘッダーにお借りしております。
瀬戸内海で検索。憧れの一枚。

Photo byyoko_kishimoto

今の私に足りないもの。

それは旅に出る事だと感じている。

非日常、そして…アートも。

元々、私は見知らぬ土地へ訪れたり、フラフラ出歩く事が好きだった。

子育てが始まってからも、旅が好きな私達夫婦は子どもを連れて月に一度は小旅行に出かけた。

しかし、コロナのパンデミックという非常事態が起こった事で、それはかなり難しくなってしまった。
私はとにかく出歩く事に躊躇した。

田舎の地方では、コロナに罹患して村八分になる事を皆が恐れていたし、義理の両親も「外出」に対して神経質だった。私が少し咳やくしゃみをすると不快な顔をしていた。医療に従事していたから、感染を広めてはならないという責任感みたいなものも私を強く支配していた。

今思えば、この数年の閉塞感が私の心を閉ざし、精神的な不安定を招いていたのかもしれない。


以前夫と結婚する前に青森の十和田市にある現代美術館を訪れた事があった。

行きたいと言ったのは私だった。「チェ・ジョンファ作《フラワー・ホース》」を撮影し掲載した雑誌を偶然見て、その華やかな色合いと美術館の雰囲気に一目惚れしたのだ。


夫は「面白いけどよく分からないな…」と正直に言った。
私は芸術に詳しい訳でも、何か特別なインスピレーションを待ち合わせいるわけでもない。何に強く惹かれたのかというと、「街の中にアートが馴染んでいることが素敵」だと感じたのだと思う。いつでも憩いの場として、当たり前のようにそこに住む人々がアートに触れていられるなんて羨ましい。

アートの面白さは「素晴らしい」とか「美しい」という決まった答えではないように思う。

最初は、「これは何だろう…?」からのスタート。見る人によって感想が様々で、見え方も個性が溢れる。

夫のように「面白いけどよく分からない」という人は勿論、「なんか可愛くない?」みたいにJKっぽい感じの感想。デザイナーは制作したときに何かコンセプトを持っていたのだろうけど、初めのコンセプトからアートは進化または変化していくように思う。「答えがない。だから面白い」

近いうちに必ず行きたいのはここ。

金沢21世紀美術館。
こちらもとても興味深い。親しみやすい建築を手がけたのは妹島和世さん。十和田現代美術館の建築を手掛けた西沢立衛氏のSANAA、西沢立衛建築設計事務所に所属している。どことなく雰囲気が似ているけど、また違う持ち味だ。やはりここも街と人を繋ぐ役割を担っている。アートには人と自然と街を繋げる不思議な力があるように思う。

生きているうちに必ず行きたいのはここ。

穏やかで温暖な気候に恵まれた瀬戸内海。無数の島々が浮かび、それぞれの島には、山海の恵みを受けた文化や産物があるという。3年に一度開催される「瀬戸内海国際芸術祭」。近代化における工業開発、海砂利採取等による海のやせ細り、環境衰退、島々の人口減少、高齢化などの問題に目を向け、「海の復権」をコンセプトにしている。建築アートで街を彩る、民俗と伝統工芸を取り入れた芸術祭、世界交流をしながら地元の大学の叡智を生かし地域再生デザインなどの取り組みが行われる。島々に様々なアーティストが制作した作品が色とりどりに個性豊かに飾られる。

芸術が子ども達にとってもっと身近になる方法はないのか?と考えていたとき高松市のNPO法人アーキペラゴの取り組みを知った事から、瀬戸内海の芸術的な文化に触れたくなっていた。


百聞は一見に如かず。

せっかく神様から頂いた大切な人間の五感を生かす事がここ数年出来なかった。

夫との微妙なギクシャクした距離感やイライラや子どもへ向ける愛情の歪み…。

その度に自分を責めて底に沈んでいくような悲しみから旅は救ってくれるかもしれない。

さて。夏に向けて少しずつ計画を立ててみようかな。

本当は旅行に行かなくてもアートは日常に溢れているように思う。

非日常だけでなく、日常の中にアートに探す事も楽しいはず。

そういえば、子育てはまさにアート。

決まったやり方はなく色の付け方も造形もその時の子どもに合わせて。見たまま、感じたままに。

色んな角度から見直してみる。

立派である必要も完璧な美しさもいらない。

頭を空っぽにして。また始めよう。

新たな旅の始まりだ。



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