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車中生活27日目 〜狭いワゴンRと少しずつ慣れる日常〜



朝の空気が穏やかで、窓越しに差し込む柔らかな日差しが顔をくすぐる。目を開けると、ワゴンRの天井がいつも通りの近さで迎えてくれる。今日で車中生活も27日目。布団代わりの寝袋にくるまれながら、しばしぼんやりと天井を見つめた。


「さて、起きるか…」


ゆっくりと体を起こし、隣に置いたペットボトルの水を一口含む。車内での朝は簡素だ。寝袋をたたみ、最低限の荷物を整えた後、道の駅にあるトイレへと向かう。

最初の頃は、トイレで歯を磨くことにためらいがあった。周囲の目が気になり、どこか申し訳ない気持ちでいっぱいだった。でも今ではもう慣れた。ほかの車中泊をしている人々も同じように歯を磨いたり、洗顔をしたりしているのを目にすると、少しだけ安心できる。



環境に慣れる力


人間は環境に慣れる生き物だとつくづく思う。この狭いワゴンRでの生活も、最初は窮屈で仕方なかったけれど、今ではむしろ「自分の小さな城」のように感じ始めている。必要最低限のものに囲まれたこの空間には、不思議な安心感さえある。

「モノが多すぎるって、案外ストレスだったのかもな…」と独り言をつぶやきながら、道の駅にある自販機でコーヒーを買った。車に戻り、窓を少しだけ開けて、外の風を感じながらゆっくりとその温かい飲み物を味わう。



夕方の寒さと、狭さに馴染む生活


朝の暖かさが嘘のように、夕方になると冷たい風が吹き始めた。ワゴンRの薄い窓ガラス越しに、風の音が微かに聞こえる。この車中生活では、防寒対策が欠かせない。昼間は日差しがあれば車内も温かいが、夜は冷え込みが一層厳しくなる。


寝袋はかなり重宝している。アウトドア用のものを購入したが、それでも寒さを完全に防ぎきれるわけではない。

「今日は一段と冷えそうだな…」

そうつぶやきながら、荷物の中から少し厚手の上着を取り出し、車内にかけておいた。寒さ対策は大事だ。体調を崩してしまったら、この生活は続けられない。


車内は狭い。寝るときも、荷物を一旦運転席に押しやらないとスペースが確保できない。でも、この狭さにもだんだん慣れてきた。むしろ、広すぎる空間より落ち着く気さえしている。



仕事への準備と、ささやかな計画


明日は仕事だ。お客様のところで見積もりをする。自営業を始めてから、仕事をもらうありがたさを痛感している。何よりも信頼と信用が大切だと思う。だからこそ、明日の準備は怠らない。夜のうちに道具を揃え、頭の中で段取りを確認する。


完璧主義な性格が災いして、自分の理想と現実の差に苦しむことも多かった。「男はこれぐらい稼ぐべきだ」「家はやっぱりマイホームが理想だ」と、いつも自分に高いハードルを課してきた。でも今は、その理想が少しずつ変わり始めている気がする。車中生活を通じて、自分に本当に必要なものが見えてきたのかもしれない。


それでも、未来の目標はある。この生活を終わらせるために何をすべきか、少しずつ考えていくつもりだ。まずは仕事を増やして、余裕を作ること。信頼を得ること。そのために頑張る日々が続く。



車中生活に必要なもの


車中生活をしていると、ポータブル電源の必要性を痛感する。スマホの充電は必須だが、今使っているモバイルバッテリーは容量が小さく、すぐに使い切ってしまう。これを解決するために、次は50000mAh以上の大容量バッテリーを買おうかと検討している。


「少しずつ、今の生活を快適にしていくしかないよな…」

未来のために今をどう作るか。そんなことを考えながら、車の中で手帳に小さな計画を書き留める。




最後に


車中生活は決して楽ではないけれど、小さな喜びや発見がある日々です。もしこの記事を読んで共感していただけたなら、ぜひ応援していただけると励みになります。いつかこの生活を乗り越え、次の目標を叶えるために。



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