「アザーズ(other's)」7話
前回のおさらい
サルべ村を訪れる途中に出会ったケイとラウィーネ。互いの目的の為に二人は戦い始める。
〇サルべ村周辺の森
ケイはラウィーネののど元に武器を刺し込む。
ラウィーネは不敵な笑みを浮かべながらケイを見ていた。
ラウィーネ「・・くっ・・」
ラウィーネは口から血を吐き出し、首元を抑える。
ラウィーネM「どこ行った?」
後ろからケイが武器を振ろうとする。ケイの目が鋭く光った。
ケイは後ろからラウィーネの背中を一刺し。ラウィーネは苦しそうにしながらも言葉を絞り出す。
ラウィーネ「・・やっぱ・強いね・・。さすがは『ワタリガラス』だよ。」
ケイ「・・・。お前、本物じゃないな・・。」
ラウィーネ「・・。よくわかったね。これは私の氷で作っただけだから。氷を作り出すことはできない。けど、私には変わりないんだ。
さっきも言ったけどさ、君と話がしたかったんだよ。」
ケイ「お前の目的はなんだ。何がしたい。」
ラウィーネ「続きは洞窟でやろうよ。」
そういうと、ラウィーネの氷は溶けるようにして消えてしまった。
ケイはラウィーネの氷が解けて風に乗るさまを見ながら、空を見上げた
〇サルべ村内の洞窟
ラウィーネの意識が戻る。
ラウィーネ「あらら、やられちゃったみたいね。」
卑弥呼「どうだった。ケイとやりあったんだろ?」
「あの人は強いよ。前に見たときも全然余裕そうだし。
場数が違うのかな。」
卑弥呼はラウィーネを見上げて、にやっと口角を上げて言う。
卑弥呼「アンタも・・、あの人に勝てるかはわからない・・!」
ラウィーネは卑弥呼を鬱陶しそうに見下す。
ラウィーネ「アンタが・・。あいつの・・、何を知ってる!!?」
その表情は怒りに満ちていた。
卑弥呼「・・知らないよ。この間見たばっかりなんだから。」
「そう信じてるだけさ。」
〇トルク村
コウタM「煙が上がってる。てことはリンさんがもう先について戦闘(やり)始めてるか。村民が襲われているか。どちらにしよ行くしかない。」
コウタが少し走った先に親子が今にもバクに襲われそうになっていた。
コウタM「後者だったか!俺一人でやるしかない!」
リンゲツ「さがってろ!コウタ」
コウタが下がると、同時に屋根上から大剣を持った男がバクを一刀両断した。
その周りにいたバクも、リンゲツを見るや否や襲い掛かるが、リンゲツは巧みに立ち回り、1匹ずつバクを仕留めていった。
リンゲツ「コウタ!何ぼさっとしてやがる!!援護しろ!!
これで支給品の飯の量同じなのおかしいだろうが!」
コウタ「あ、ああ。わかった。」
リンゲツ「安心しろ。必ず守ってやる」
リンゲツは、子どもの頭をくしゃっと撫でて笑った。
リンゲツとコウタが並ぶ。
リンゲツ「コウタ。少し離れるぞ。」
コウタ「え、でも親子はいいのかよ。」
リンゲツ「大丈夫だ、通常バクはより強いやつを求めるからな。俺らに合わせて動いてくる。」
コウタ「あんた、それでさっきまでいなかったのか?」
リンゲツ「いやそれは関係ない。俺のモットーだ。『死にそうになったら逃げる』。」
コウタ「・・。あんたそんなのでよく、子どもの前であんなこと口走れたな。」
リンゲツ「約束は守るさ。来るぞ。」
コウタ「!!」
振り返ると、4匹のバクが二人の後を追っていた。
二人に襲い掛かり、二人はそれぞれの武器で応戦する。
リンゲツ「コウタ!大丈夫か!?」
コウタ「こんぐらい屁でもねぇぜ!!」
リンゲツ「そうかぁ!!!」
リンゲツは、コウタと別の方向に進み、武器をしまった。
コウタは青ざめた顔でリンドウを見る。
コウタM「・・は?(怒)」
リンゲツ「じゃ、後は任せたぞ」
リンゲツはニヤッと笑いどこかに行ってしまった。
コウタM「はああああ!!!????」
コウタM「あんのやろう逃げやがった!あんなつええのに!」
コウタはバク4匹から逃げるも、追い込まれ、囲まれてしまった。
コウタM「あいつ、呪う!呪い殺してやる!絶対殺す!」
コウタは左腕を抑えながら、口角をあげていた。
すると後ろからリンゲツが、バクたちを薙ぎ払った。
リンゲツ「伏せろ。コウタ」
ズバァァン!!とバクたちを一刀両断する。
コウタは、口角を揚げつつも恨めしそうにリンドウを見上げる。
リンゲツ「俺のモットーだ。『死にそうになったら逃げる。そんでスキをついてぶっ殺す』」
コウタ「あんたそんな面倒なことしなくて普通に強いでしょ。」
リンゲツ「エネルギー節約してるんだよ。頑張っても頑張らなくても配給一緒なんだからよ。」
コウタM「それで後輩死にかけさせるとか。とんでもねえ奴だな。」
リンゲツ「さ、終わった終わった。帰るぞ。」
コウタ「さっきの親子身に行かなくていいのか?」
リンゲツ「もう応援は呼んである。そいつらに任せるよ、後のことは。」
リンゲツ「守るまでが俺らの仕事だ。わざわざ御礼もらいに行くなんて
ださくてできやしねぇ。」
コウタはふっっと笑った。
コウタM「メンドクサイ奴。」