夜長ノート_7
人と会話していて、相手の中途半端なもの言いに、「その続きを言ってみろよ」とたまに脳内で相手を脅す。
中途半端な批判から、ずるずると本音を引き摺り出して、「つまりお前は僕が嫌いなんだろ」とテーブルに叩きつけたくなる。
日本語は「語るに落ちる」という言葉があるように、嘘がつけない言語である。文法が曖昧で言葉が気持ちと繋がったまま出てくるから、何気ない一言にも本音が入ってしまう。
「暴かないこと」が僕の処世術。
もう大人だから、相手が知らない相手の本音は気づかないふりして、キレイゴトで場を収める。
こんなことばっかりでとても寂しい。
集団の中にいると、僕は世間に見捨てられた気分になる。独りでいる方がずっと落ち着く。
最近はずっと一人でいて、自分と向き合う時間が増えたけれど、自分の本音があまり分かっていないと気づいた。日記にはキレイゴトばかり書いてあって、読み返すとやるせなくなる。
自分の本音をちゃんとしりたいから、今週はコーチングを試している。
「本当にやりたいことはなんだろう?」
「何が怖いんだろう?」
「そんなに大事なのか?」
いろんな問いを自分に投げかけている。
自分の本音は暴いたって、問題は起きない。
ただ1人が部屋の隅っこで、照れ臭くて悶えるだけ。