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人生会議とACP(advanced care planning)について

人は最後どうやって死んでいくのかわからない。それがいつ訪れるのかもわからない。
それでも人は死を迎えます。

いろんな出来事がある人生を歩み、その最後を締めくくる時間。

どのように過ごしたいでしょうか。

どんな医療や介護のケアを受けたいと思いますか?



人生会議、ACPとは

医療や介護のケアを受けるためにご自分が大切にしている価値観や希望、どこでどのようなケアを受けたいかを前もって話し合い共有しておくことをACP、日本では「人生会議」というふうに呼んでいます。

人生の最終段階や「もしも」の時について話し合うものなので、「まだ元気なのに、そんなこと考えられない。」とか「そんな、死ぬことを考えるなんて縁起でもない。」という声も聞かれます。

もちろん人によっては、「死」についての話に触れたり向き合うことが難しい状況があります。
そういう人たちにまで、無理に考えてもらおうというものではありません。

しかし人は必ず最後を迎えます。
そしてその時が来てからでは、意思を伝えたり、
準備をすることが難しい場合があるのです。

だからこそ元気なうちに話し合い、考えを共有しておく。それが人生会議の役割です。
ちなみに日本におけるACP(advanced care planning)とは

「将来自分が受けたい医療やケアについて、あらかじめ繰り返し話し合うこと。」

といった意味で定義されています。
planning、つまり1回で終わらないということ。
その時決めても、状況が変わればまた考え方が違ってきます。

そうしたらまた考え直したら良いのです。
そうやって続けること、そのプロセスが大切です。


チーム大津京
西山順博先生


考えを共有すること

医療や介護が発展してきた現代では、ケアを受けるにも選択肢が増えました。
良いものもたくさんありますが、自分にとって辛いものや嫌なものもあると思います。

選ぶにしても条件があります。
地域の社会資源の状況や経済状況、ご自身や家族の問題など、様々な要素を考慮しないといけません。自分で考えても大変です。

それを家族や周囲の人が代わりに判断しないといけない状況になったら、とても難しくなります。

もしくは簡単に決められてしまい、望まないケアを選ぶことになるかもしれません。

だからこそ、普段から考え方、価値観や希望などを家族や周囲の人、支援者と共有しておくことが重要です。
そうすることでサポートが得られ、ご自分の望む生き方を選択しやすくなるのです。



最後を考えること。今を生きること。

人生の最終段階やもしもの時にどのように過ごすか、何を選択するかを考えていくと、
自分の生き方について考えをまとめることができたり、それを家族や周囲の人に伝えることができるようになります。

どんな趣味をもっているのか、最後に何をしていたいか、どこに行きたいか、何を食べたいか、などなど。
そうすると、今の自分の姿や未来に向かって歩む自分の生き方が見えてくるのではないでしょうか。

人生の最終段階を迎えるまでにしたいことや、自分の想いが明確になると、今大切にしているものを再発見できるかもしれません。


人生会議についてのツール

そんな人生会議について、実践するためにいろいろなツールが開発されています。
2024年2月4日、大阪府和泉市で
「令和5年度 和泉市 医療と介護の連携フォーラム」が開催され、チーム大津京の西山順博先生をお招きして人生会議についてご講演いただきました。
そこで「サイ五郎さんちの人生会議」の絵本のご紹介がありました。
とてもわかりやすい内容で、人生会議について理解が進む絵本になっています。

また、大阪府では人生会議に関する冊子が制作されています。
お住まいの各市町村でも、それぞれ取り組みやツールがあるかもしれません。

人生会議、ACPについて話し合うことは介護をするしないだけの話ではなく、自分の過去や現在の生き方を知るきっかけにもなると思います。


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