いじられキャラ
「お母さんベルト買って」
小学2年生の息子が言う。
「ベルトするズボンなんてあったかな?」
と話を聞くと
「学校でズボンを下げられる」と言う。
「やめてと伝えてる?」
「やめてと言ってもやめてくれない」と。
息子は自分なりに考えて
ベルトをすれば下げられないと思ったのだろう。
これは担任の先生に相談した方がいいと思いすぐに電話した。
先生は「それはいけませんね先方にも連絡を取ります」と
速やかに対応してくれた。
友達のお母さんから電話をもらい
「ごめんね、遊びのつもりだったと言っていたからきつく注意したから
もう絶対しないように言ったからね」
遊びのつもりでもやられた方が嫌なら遊びではない。
息子は背が小さく細かった。
「やめて」というのも強く言えない。
いじられキャラ。
好きじゃない言葉だ。
サッカーでキーパーをやれば
「守護神」ではなく「ヘボ神」と言われた。
(なるほどと思ったが本人は傷つくだろう)
空手でもすれば強くなれるかもと挑戦したが
試合でけりが入って痛すぎてやめた。
強くはなれなかった。
「自分がされて嫌なことは人にしてはいけないよ」と
伝えてきた。
やられてきた息子なら気持ちがわかるはず。
思いやれると思った。
そんな息子も
今は178cmになりジムで体を鍛えている。
もういじられることはない。
わたしのことは「母さん」と呼ぶ。
あんなにカワイカッタのに。