よけいなお世話
信号待ちで高校生の男の子3人組と一緒になった。
なにやら楽しげに話している。
一人の子の前髪が気になった。
ちょうど目の下まで長さがあり、簾のように薄くなっている。
その隙間から世界を見ているような
常に視界に紗がかかっているようなデザインだ。
昭和生まれの私は、その、前髪の少年に釘付けになる。
「邪魔じゃないのか」なんてナンセンスなことは思うまい。
こだわりがあるのだろうと
実直に信号が青に変わるのを待つ。
そこへ、可愛らしい女子高生がやってきた。
例の前髪の男の子の視線が彼女を捉える。
前が見えにくいのか彼は首を揺らして、
揺れる前髪の隙間から女の子を見ている。
見たい、見えにくいが拮抗し
彼はずっと小刻みに震えていた。
どうだろう、その前髪を1センチほど切ってみては?
なんて思うのはナンセンスなのである。
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