連載小説【正義屋グティ】 第30話・檻と銃口
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前話はコチラ→【第29話・血の正体】
物語の始まり→【1話・スノーボールアース】
30.檻と銃口
「随分とボロっちいな」
傷口を押さえ何とか自分の力で立つことのできたデューンは、いつ崩れてもおかしくないような古びた廃工場をその目に映した。
「そうだろう。ここは我らホーク大国のスパイが古くからこの国の偵察のために不法占拠した立派な工場だからよ」
丸眼鏡を掛けた太ったその男は腕を組み誇らしげにほほ笑むと、デューンの血だらけの