絵霊

文章を書く事が好きです。初心者ですが、詩や短歌などいろいろ書いてみたいと思ってます。

絵霊

文章を書く事が好きです。初心者ですが、詩や短歌などいろいろ書いてみたいと思ってます。

最近の記事

「車窓」《詩》

乗り物にのると景色は横に流れていく 自分に関係ない外は置いてけぼり でもとおくのものほどさわってみたい 頭の中でラジオを つけて聞く 天候は晴れ 雲は風速8メートル 明日も晴れるでしょう どこかの目的地を目指して駅を通過する 緩やかに 傾斜 軽快なリズム 海底トンネルを抜け 陸にはいくつかの桃が浮いていた 人を乗せない浮き輪のように 手をのばして ゆびが ふれる 窓から手や顔を出さないで あれが桃だったのか 次の目的地まで ナゾをたのしむ

    • 「おやすみ」《詩》

      振り返ってはいけないよと昨日が言うので しかたなくドラマをみる 2年前の再放送 猛スピードで流れていく扇風機の風 つめたい緑茶の指のあと 今日と一緒に風呂に入り 今と共に眠る 目を開けると 暗闇と目が合う どこにもいかないよ 秒針の一秒一秒が明日の居場所を教えている 夜の繭の中 昨日と今が折り重なり 明日を支えている 空想のようなときも 現実のようなときも 目を閉じて月をみる 柑橘のかおりに 僅かな閃光 朝へ おやすみ

      • 「まどろみ」《詩》

        実はまだ誰もしらないことを だいたいしっているという顔のきみ 私が同種族にいじめられながら アクセクしてる間 きみは眠っているんだ 誰もいない高層ビルの上 スクランブル交差点の真ん中 大勢の光の粒に見守られながら 太陽の心臓で呼吸している やわらかな皮膚と 頑丈な骨の中で いつだって安心して クルミは空から降ってくるだろうか? 海はどうして全部とけたのだろうか? きみの知らないことを 私は何でも知っているけど まどろみに耳を浸して 少し眠るフリをして 今日も帰った

        • 〈短歌〉伝える

          滑舌が悪くならない程度に興奮して 愛を問う警察官と蝉

        「車窓」《詩》

          「林檎」《詩》

          薔薇色の頬の内側に  雪のような肌 そのなめらかな表面に 彼女の歯が深く、刺さった ヒリリと冴えた 高貴な香りが 鼻腔を抜ける その味は身に覚えのない罰 嫉妬のつららが 喉から食道へ 滑り落ちる 彼女の顎が上を向く 命の時間が抜けていく 霧の中 思い出を見た 白百合を折る指先と 砂漠の旅人のベール ステンドグラス越しの 横顔 白夜のように輝く 貴女が 誰より 美しい のに 声は枯れて落ち 彼女は倒れて 林檎が一つ 転がった

          「林檎」《詩》

          「転落事件」《詩》

          露天風呂に浸かっていたら 何か落ちてきた   5   5? 数字の5だ 続いてFも落ちてきた どこから落ちたのか 高い建物は泊まっている温泉旅館くらいしかない 上を見ようとしたら また何かバラバラと落ちてきた  て ゛五 階 す  で五階す  五階です  ゴカイデス? しかし5Fは五階に潰されて 子どもに食べ残されたカステラの如く 惨めな姿で沈んでいった 五階です も溶けて 何も無かったように 静かになった そろそろ出ようと立ち上がると お湯のうえにいつの間にか 小さい何

          「転落事件」《詩》

          「猫」《詩》

          君の目の中にいたいから ダイヤモンドに光る ラン ラン ラン ダイヤモンドは永遠に輝く 僕は100年で十分 永遠は向こうすぎ 闇夜の中で 目は爛々と 遠く 火星探査機から 君を見る 永遠は一瞬 何臆年も飛びこえて ラン ラン ラン なんちゃって カーペットの上で あくび キラリ

          「猫」《詩》

          「洗濯物」《詩》

          晴れた日に洗濯 午前中は麦畑の風 ベランダの洗濯物南向きに鈴なり 朝から干して半日で収穫できる 空気をたっぷり吸って 靴下 タオル ブラウス ズボン セーター  ゆらゆら ゆらゆら パチンと洗濯バサミをはずす 風の香りがひんやりしてる 枕カバーとシーツは甘い雲のにおい 全部取り込んで タオルケットに巻かれてみる 光の隙間に 綿の整列 細胞分裂 チューバの音もきこえてくる ボウゥ ボオ ボウゥー ポワア ブロォ  ボーーーン 私は今、洗濯物の種 少し青空に溶ける

          「洗濯物」《詩》

          「コップ」《詩》

          レストランの水の入ったコップはみんな同じ顔で 同じところから生まれた兄弟みたいにシンとして 私の前に立っている 公安警察より静かに きっと人間たちの何かを監視してる 私はコップに何かを知られてしまったかもしれない そのせいでもしかしたら運ばれてきたハンバーグに 食べる前に食べられてしまうかもしれない フォークを入れる瞬間パカッと割れて チーズの舌がびよ~〜んと伸びて喉仏に くっついてくるかもしれない  そして私の頭をハンバーグの中にスポンと 吸い込んでしまう シィィーン

          「コップ」《詩》

          「秋」《詩》

          秋のプリズム どこから、 気象予報士の天気図から お菓子コーナーの棚から ファッションビルの広告から それとも 芸術家のハミングから ほどけたレースのように 誰かのまつ毛に引っかかる ゾウがサーカスとライオンとピエロをつれて 写真に知らない人が写り 影が折れ曲がって 地面が水たまりに吸い込まれていく そして シチューのCMがながれたら もう秋はとおりすぎて 冬が玄関でコートの雪を落としている

          「秋」《詩》

          「金魚」《詩》

          家という水槽 空気を泳ぐ 外は雨 晴れの日を思い出せない 昨日の金魚 6 私も空気を食べている 金魚も空気を食べている 6と1 匹と人の違いは無い 背びれの黒い子 元気ない みんな同じに見えるけど 合う合わないがあるの だったら、ごめんなさい。 金魚の外は雨 水槽の外も雨 窓ガラスに 試案のムード オニキス 映って、 硬い 金魚の瞳

          「金魚」《詩》

          「マシュマロ」《詩》

          焚き火でパンパンに ふくらんだマシュマロと ドロドロのチョコレートにまみれた マシュマロが どちらがより不幸か 議論 ハーバードの学生が見守る中 白熱、そして白熱 白熱灯の下 両者は今や形もなく 霞なのか おからなのか それでも天井に突き刺さる 白いフワフワした 声の火 進行役のハシビロコウが 見かねて 厳かにベルを押す 続きは 明日 キャンプはどうなる マシュマロなしで 学生らのため息と バニラビーンズのスモーク 教室は 今日も むせる 真白い無垢なままでいて

          「マシュマロ」《詩》

          「チーズバーガーの午後」《詩》

          食べかけのチーズバーガーの中から まだチーズになりきれてない トラが出てきた ガオーッと いっちょ前に威嚇する 私に食べられるとも知らずに ストローの先で突こうと カップからストローを引き抜く しずくがたれて バッファローになってしまった ポテトがざわざわし始めて トムソンガゼルの群れができた カップに突進 勢いよく倒れる トレーの中がコーヒーの海 恐る恐る覗き込むと 進化が始まっている 一匹の魚が陸に上がってきて 私を睨む ギョロリ 「次はミルク入れないでよ

          「チーズバーガーの午後」《詩》

          「優しい気分」《詩》

          「やさしい」を優しいをつかわないで 私におしえて 優しいコーヒーを飲んでいる ミルク色の知的な子猫が言う 雨音をききながら 生姜入りのアップルパイを食べる カシミヤの糸であや取り お風呂の中で ローマの休日のモノマネをする ほかには? 木星から帰って来たときにね いつ行くの? 100年後 じゃあ 私がペガサスになっている頃じゃない 送ってあげる 隣の星まで 君は優しいね あなたも

          「優しい気分」《詩》

          「テクノロジーとフューチャー」《詩》

          おじさんがパソコンを散歩させている午後 僕も君と散歩 電線に留まるスマートフォン あれは全部野生化したやつ ブーン ブーン 耳元で羽音 引っ叩くと割りと大きいドローン この辺は蚊より多い あじさいの下で ドードー鳥が子育て むこうにフタバスズキリュウがいるよ ボートの後ろ ネッシーみたいだ 心配ない ボートの人はきっと人形だ いつものベンチで今日の空を見よう 今のプロジェクションは古代のオーロラ きれいだね 君も七色に笑っている 美しい世界 こんなにもテクノロジーで溢

          「テクノロジーとフューチャー」《詩》

          「帰り道」《詩》

          図書室からの帰り道 空にはノスタルジアが漂っている カメレオンの舌みたいな滑り台 遠くに少年チームの歓声 白いズボンがあっちからこっち こっちからあっち シロツメクサの繁栄 エーデルワイスの囁き 彼女の事はよく知らない 不老不死の美女らしい 道にはいろんなものが落ちている 枯れ葉の間からクラクション ここは我らの大通り よく見て歩け ぶつかるぞ カラスは仰々しく アヒル達は他人事 小さいケヤキに一つ目小僧 西日をギュッと睨んでる 私もつられて上を向く 私の心が浮かん

          「帰り道」《詩》