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釣り座での準備について(第3回)
前回は、釣り座での準備の第2回ということで、「釣り座周囲の障害物除去」についてお話しました。
第3回目の今回は、釣りを始めるまでの大まかな手順の3つめ、「釣り台設置、へらクッション、万力、竿掛けのセット」についてお話します。
釣り座での準備
釣りを始めるまでの大まかな手順
3.釣り台設置、へらクッション、万力、竿掛けのセット
(1)釣り台の設置
釣り座周囲の障害物除去や足場の整地が終わったら、釣り台を設置します。今回は、私が所有している、DAIWA G-083 スーパーGINKAKU(以下、釣り台と呼びます)を例に設置方法を説明します。
この釣り台は、収納時の幅が250mm、長さ750mmで2つ折りになっていて、使用時にはこれを開くと、縦750mmx横500mmの平板になります。
釣りをする時は、下の写真右のように、靴を脱いで台の上にあぐらをかく形か、靴を履いたまま台にまたがって座る形になります。
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以下は、釣り座で車から降ろした釣り台の写真です。この段階では、二つ折りした台座の中に、4本の脚と、竿掛けをセットする万力をセットするための横木という角材が収納されています。
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パッチン錠を外し、台座を開くと、内部には下の写真のように、4本の脚と横木が入っています。(注:この写真では横木が2本入っていますが、これは私がもう一台釣り台を持っていたものの横木を入れていたためで、通常は、釣り台一セットにつき付属の横木は一本だけです。)
4本の脚は、2種類の異なるタイプの脚が2本ずつで構成されています。
前足用:前足用の2本は「二継足」といって、金属製の筒が2重構造になっており、内部の筒が上下にスライドします。外側の筒には一定間隔で穴が開いていて、内側の筒表面にある押し下げ出来るポッチ部分が穴に引っ掛かるようになっているので、設置する場所によって前脚の長さが585mm~880mmの間で段階的に変えることが出来ます。脚部には地面をグリップするよう爪が付いています。
後足用:後足用の2本は「一本足」といって、中空の金属製の棒で出来ています。こちらは足単独で長さを変えることはできません。こちらも脚部には爪が付いています。
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この状態で、釣り台本体内に収納されていた付属品を全て取り出します。
左右の台座はその中央部分に蝶番がリベット接合されていて開閉できるようになっていますが、このままでは使用時に台座を固定できないため、左右両側の台座部を金属製の板(スライド板)で固定します。
下の写真にある、台座の横にあるスライド板を固定するための黒いプラスチック製のスライド板用ツマミを緩め、ツマミを持って台座中央方向にスライドさせてから締め付けます。このツマミは、下の写真にある側と、その反対側にもう一か所あるので、同様にスライド板をスライドさせてツマミで締めます。これで左右の台座部分が固定され、500mm幅の水平の台座部が出来上がります。
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台座部分が出来上がったら、次は前後の足を台座の四隅にある穴に挿入します。この穴の外側に位置する台座側面には、親指と人差し指でつまむと、穴に通した足がフリーでスライドでき、つまんだ指を話すと足が固定される、「レバー金具部」があります。
まず、前足をセットします。ここでは仮セットのため、親指と人差し指でレバー金具部をつまんだまま、前足を一本ずつ穴に通し、適当な位置まで足が入ったら指を放すと任意の位置で足が固定されます。これを左右同様に行います。
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前足を2本入れ終わったら、同様に後足2本を台座後ろ側の2か所の穴に挿入します。
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前後合計4本の足を挿入し、仮セットしたら、次は万力をセットするための横木を釣り台にセットします。下の写真のように、スライド板用ツマミの右側に、銀色で少し色合いの異なる四角い金属部分が見えます(左側にももう一か所あり)。この部分が横木用の差し込み金具です。
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横木は単体では下の写真のような構造をしています。
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これで釣り台の仮組み立てが完了しました。
次に、この台を釣り座に運び、足の長さの最終調整をします。
下の写真のように、釣り台を設置する場所には足の位置毎に高低差があります。このため、台座部分が水平になるよう、前2本の足の長さとスライド位置、後ろ2本の足のスライド位置を微調整します。
なぜ前足だけ足そのものの長さが調整できるようになっているかと言うと、多くの場合、釣り座では前足設置場所の方が後ろ足設置場所より低い位置になっているため、台座の水平を確保するためには前足をより長くしておく必要があるためです。
もし、釣り座の地形が急傾斜になっていて、前足も後ろ足と同じように長さが変えられないものだったとすると、足のスライドだけでは調整代が足りないことがあるためです。
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4本の足の高さの微調整が終わったら、一度台座の上に座ってみて、前後左右に傾いている感覚がないかを最終チェックします。
また、足の設置位置がぬかるんでいて、体重を掛けると足が泥の中に沈んでしまい、台座が傾いてしまうことがあるため、体重が掛かった場合でも水平が保てるか確認するため、釣り台の後方に立ち、両手を台座の上に着いて下方に体重を掛けて押し付けてみます。
それで問題が無ければ、釣り台のセットはOKです!
(2)万力のセット
次に、釣り台の横木に万力をセットします。
万力には大きく分類すると2種類(大砲型と弓型)があります。私が持っている万力は弓型と言われているタイプです。(万力についてはまた別の回に詳しくお話します。)
以下の写真を見ると、万力の中央部分と下部左側にツマミがあります。中央部分のツマミを回してねじを緩めると、弓状になっている部分が弧を描いてスライドすることで、弓状パーツ左側にある細い円柱部分の角度を変えることが出来ます。この円柱部分に竿掛けを差し込みますので、釣りをする際は、竿掛けの角度が調整できることになります。
次に、もう一つの左側についているツマミは金属製のねじと一体になってます。ちょうど親指の後ろ側にあるねじです。このねじの右端は鍵状の爪になっています。
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小指の右側、木製部分から金属の鋲が出ている部分がありますが、この爪と鋲で横木を挟んで、ツマミを回して爪の位置を右側にスライドさせていくと、爪と鋲が横木に食い込み、万力が固定されます。
(3)竿掛けのセット
下の写真は、横木に万力を固定した様子を示しています。なお、この写真では既に、先ほどの写真の円筒部分に竿掛け本体(写真の竹のような模様の棒)が挿入された状態です。
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釣り台、万力、竿掛けがセットされた状態は下の写真のようになります。
なお、「竿掛け」は、棒状の本体部分(この写真にある竿掛けは、筒状のカーボン製です。)と、先端の「竿受け」(Vの字型の黒い部分と言って、竿掛けから取り外し出来ます)で構成されます。
この写真の竿掛けは、「一本物」と言って、短い竿(おおよそ7尺(2.1m)~14尺(4.2m)程度まで)をこの上に乗せて釣りをしますが、より長い竿の場合は、「一本半物」や「二本物」と言って、一本物の約半分の長さの筒や一本物とほぼ同じ長さの筒を繋いで使うこともあります。
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(4)へらクッションのセット
へらクッションとは、釣り台の上に置いて座る座布団のようなものです。よくあるタイプは、長方形のクッション材の厚みの薄い部分と厚い部分の二層に分かれていて、収納・運搬時には折りたためる形状のものです。
形状(平タイプ、段差タイプ、超段差タイプなど)、高さ、固さについては各メーカーごとに様々なタイプが販売されて言いますが、私が持っているものは、確か2,000円台で、ノーブランドの安物ですが、それでもこれがあるのと無いのとでは、釣りをしている時の快適さが全く違います。
へらクッションなしで、そのまま釣り台に長時間座っていると、台座は金属製ですので固くてお尻が痛くなってきますし、寒い季節になると、金属が冷却されて、冷たくて座っているのが苦痛になります。
まだ私が釣り台を買って間もない頃、まだへらクッションを買う金銭的余裕がなかったため、真冬は新聞紙を敷いただけで釣りをしていましたが、それでも霜が付くくらい冷たくて、まるで修行のようでした。
有名釣り具メーカーのブランド品ですと、10,000円以上する高価なものもありますが、私のように、ブランドにこだわらなければ、安いものですと2,000円台で購入することも出来ますので、お財布の中身と相談しながら買い揃えていくと良いでしょう。
下の写真では、今回の説明の対象としていなかった、その他の道具類も釣り台上に載っていますが、これがほぼ全ての釣道具を釣り座にセットした状態です。
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今日は、3.釣り台設置、へらクッション、万力、竿掛けのセットについてお話しました。
ここまで読んで頂き、ありがとうございました。