暑い時期の靴の中で発生する、雑菌と臭い
ども、義肢装具士の佑吉です!
これからの暑い時期、靴の中が蒸れて雑菌が繁殖しやすくなり、嫌な臭いに悩まされる方も多いのではないでしょうか。今回は、靴の中で雑菌が繁殖するメカニズムと、その原因となる温度・湿度・栄養素についてお話しします。また、雑菌や臭いを防ぐための具体的な対策もご紹介します。
靴の中で雑菌が繁殖するメカニズム
雑菌の繁殖には3つの主要な要素が関与しており、温度、湿度、そして栄養素です。これらの要素が揃うことで、雑菌は急速に増殖し、嫌な臭いを発生させます。
1. 温度
暑い時期には、外気温が高くなるだけでなく、足の温度も上がります。特に靴の中は閉鎖された空間であるため、体温によって温められた空気と、地面からの熱がこもりやすくなります。雑菌は温度が高いほど繁殖しやすいため、靴の中の温度が上がると雑菌の増殖しやすくなります。
2. 湿度
足は1日で約200mlの汗をかくと言われています。特に夏場は汗の量が増えるため、靴の中の湿度が高くなり、雑菌にとって理想的な環境で、繁殖を助長します。湿度が高いと皮膚からの剥がれた角質や汗が湿潤状態に保たれ、雑菌の栄養源となります。
3. 栄養素
雑菌は足の皮膚から剥がれ落ちた角質や汗を栄養源とします。特に、汗には塩分や尿素、脂肪酸などが含まれており、これが雑菌の餌になります。足の皮膚のターンオーバーにより剥がれ落ちた角質も、雑菌の繁殖を助ける要因となります。また、これらの栄養素が蓄積していくため、靴の臭いが取れにくくなります。更に、伝統的な作りの革靴の場合、使用されている材料自体が雑菌の栄養素となり、臭いの発生原因になりやすくなります。
雑菌や臭いを防ぐための対策
雑菌の繁殖と臭いを防ぐためには、以下の対策が効果的です。
1. 通気性の良い靴を選ぶ
通気性の良い素材で作られた靴を選ぶことで、靴の中の湿気を減らすことができます。メッシュ素材や通気孔のあるデザインの靴がおすすめです。
ただし、雨が降ると靴の中に雨水が入ってきやすくなりますので、雨の時は防水性の高い靴を履くことをオススメします。
2. 靴の中敷きを使用する
抗菌・防臭効果のある中敷きを使用することで、雑菌の繁殖を抑えることができます。また、中敷きを定期的に交換することで、清潔さを保つことができます。
また、洗えるインソールを選択するすることによって、インソールに汚れが蓄積しにくく、臭いの発生を抑えることができます。
3. 足のケアを徹底する
毎日足を清潔に保つことが重要です。特に足指の間をしっかり洗い、乾燥させるようにしましょう。また、抗菌作用のある石鹸を使用すると効果的です。また、毎日足をキチンと洗うことによって、余分な角質が取れ、角質の間に雑菌が繁殖しにくくなります。更に、二次的に足の裏も柔らかくになり、皮膚の新陳代謝も高めてくれます。足の裏の皮膚は、ターンオーバーに120日ほどかかると言われています。冬にストッキングが伝線しやすい方は、今から足の裏をしっかり洗って、余分な角質を落としていくことをオススメします。
4. 靴を定期的に乾燥させる
靴を毎日履き続けるのではなく、複数の靴をローテーションすることで、靴の中を乾燥させる時間を確保しましょう。乾燥させることで、湿気を減らし雑菌の繁殖を防ぐことができます。
これからの梅雨の時期、湿度が高くなり、靴が乾燥しにくくなります。そのため、雨のとき用に1足、その他に2足あると良いです。もし、余裕があれば、雨用、その他とそれぞれもう1足ずつあると、靴を乾燥させるローテーションを組みやすくなりますので、安心です。
5. 靴の中に消臭・除菌グッズを使用する
市販の消臭・除菌スプレーやシートを使用することで、靴の中の雑菌を抑え、臭いを防ぐことができます。また、竹炭などの自然素材を使った消臭剤も効果的です。また、乾燥剤としてシリカゲルを使用するのもいいと思います。ただし、使用方法をしっかり守って使ってください。何度も使っていると、効果が薄れていきますので注意してください。
このように除菌や乾燥をさせても、靴の中の汚れは蓄積していきますので、暑いかもしれませんが靴下を履く事、中敷き・インソールの手入れをすることをオススメします。
まとめ
暑い時期の靴の中で発生する雑菌と臭いは、温度・湿度・栄養素の3つの要素が大きく関与しています。これらの要素をコントロールすることで、雑菌の繁殖を抑え、嫌な臭いを防ぐことができます。適切な靴選びや足のケア、靴の乾燥といった対策を実践し、快適な足元を保ちましょう。
そして、これらを気を付けて靴を手入れすることにより、靴の寿命を長く保つことができますので、是非、実践してみて下さい。
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ではでは。