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恋多き女に育った娘

私は娘が2歳の時に離婚して、ひとり親として子育てをしました。
お父さんを失ったことで、めちゃくちゃ歳上好きになったり、恋愛に夢が持てなくなったらどうしよう…などと心配しながら育てました。

私が娘に早くから性教育をした目的は、自分を守る術を知って欲しいというのが第一の理由でした。
しかしそれだけではなく、愛する人の心身を大切にできる心を育みたいという気持ちもありました。

娘がどんな女性になったのか。
なんか思ってたのと違う仕上がりになったので、聞いてください…

娘は、恋愛にアグレッシブな女の子です。

小学校の頃。
好きな男の子にバレンタインチョコをあげたいと言うので、一緒に作りました。
型に流したチョコに、♡や☆などの模様と「す」と書いたチョコと「き」と書いたチョコを作っていました。
あらぁーストレートで可愛い!どうやって並べるのかなと思っていたら。

無造作にシャッフルして、随分と雑に箱に入れています。
崩れないように並べなくていいの?と声をかけたら、添付の便箋を見せてくれました。
「この中から、わたしのきもちをさがしてね」というメッセージが!
おぉ…

「これで、いいの。探してドキっとする仕組みだから。お手紙に好きって書いたら、他の子と同じになっちゃうでしょ」

駆け引きの手練手管を持たない母は、もちろん入れ知恵などしておりません。
こんな高等テクニック、お母さん若い時に教えて欲しかった。
この人は私の器に嵌めて育てたらもったいないな、自由にこの人らしく育つように、変に縛らないようにしてあげないとなと改めて思う出来事でした。


その翌年は、チョコあげてない男の子からラブレターをもらっていました。
「みんながいやがる牛乳パックたたみを、毎日だまってやっているところを見て、好きになりました」って。

すごい!この子いいよ、こんなふうに地味なポイント見てくれる子なかなかいないよ!と、母はたいそう気に入ったのですが、その子にはチョコあげてなかったなぁ。
どうやら娘は追い落としタイプ、ハンター気質らしい。

中学の時。
幼馴染の男子と帰り道が一緒になり、話しながら帰っていたら、男子の友達が合流したそうです。
その友達が好みのタイプだったらしく。
家を聞き出して
翌朝から迎えに行って
一緒に登校していました。
マジかよ。即断即決にも程があるよ。

3ヶ月くらいして、娘がその子に告白したら
「娘子のことは、2番目に大好き。俺今好きな人20人いるから、めっちゃ上位」という回答をいただいて、キライになっていました。笑

そのあとは、とっても真面目な野球部のキャプテンと付き合っていました。
しかし娘は、野球に興味なし。
好きな人の打ち込んでいること、知りたくなったり応援したりしたくならないの?と聞いてみたところ
「なんか試合見にきてって言ってたけど、野球知らないから断ってたんだー。
めんどくさいからスポーツやってる男の子はやめておこうかな。
それか野球覚えて、今後は卓球やサッカーとは付き合わない方が楽かな。
いやそれだと、この先の彼氏が全部坊主…
ねえ、お母さんどう思う?」

「お母さんは、好きな人が打ち込んでいることや好きなことはなんでも知りたくなるから、そんな気持ちはわからん…
てか、いま付き合ってる彼氏がいたら、次の彼氏が坊主かどうかなんて考えん…(震え)」

「へーー。大人なのに、カワイイこと言うね!

母は娘の将来がだんだん不安になってきました。

高校生の時。
合唱部に入りたくて受けた志望校に落ち、第二志望の高校に進学した娘。
第二志望の高校には合唱部がなく、涙目で帰ってきましたが、やがて「歌える部活見つけた!」と入部しました。

軽音部。

おいおい、ちょっと待って!
娘子ちゃんは陰キャ寄りじゃないですか。
学芸会の劇で、セリフのない役ばかりやりたがるからビデオの取りようがなくて、お母さん困ったぐらい、目立つの嫌じゃないですか。
大注目浴びながらウェイウェイ歌うんだよ、合唱とは全然違うんだよ?

心配は杞憂に終わりました。
無表情でほとんど身じろぎせず歌う、舞台に刺さってる爪楊枝みたいなボーカリストでしたが。
音域が広く、ジャンル問わずで歌うので、いろんなバンドから重宝されて歌っていました。
部活の中で一番うまいベーシストの先輩と付き合って、仲睦まじく青春。


大学生になってからは、歳上の社会人と付き合ったり、同じ大学の歳下くんと付き合ったりしていました。
娘は月経困難症で、ピルでコントロールしているのですが、それを男子に言うと「じゃ、避妊しなくていいんだね!」と喜ぶのでアホさ加減が嫌になると常々申しておりました。

「薬代は、私のお母さんが働いたお金で賄われている。勉強に必要な体調管理のために払ってくれている医療費で、君の快楽のためじゃない。二度とバカなこと言わないでね、次言ったら別れる」
「避妊を目的にしたピルと月経困難症のピルは別物。ピルを飲んでいる女の子がどれだけ生理に辛い思いして飲み始めたか想像できないんだろうけど。ものすごく失礼だよ」
「避妊用のピルだとしても病気は防げないんだから、どっちみち子供が欲しい時以外は避妊しな」
このように説教するそうです。
男の子はごめんなさいって、シュンとするそうです…

結果として性教育は実を結び、娘を守ったようであります。
でも、なんかこう…  
強すぎませんかね。


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