昭和の職人たちの技術は伝承できない。
私は沢山の昭和の職人たちと接して来ました。
そして、その人たちの90%は、もうこの世には居ません。
彼らに共通している部分は、『手取り足取り教えない。』という事です。
見て盗め。
終わり。
だから、普通の人には技術は伝わらない。
学生時代に『先生から教わる』を学んできて、普通の会社でも最低限の事は教わる。
しかし、昭和の職人たちは、『そんな面倒な事』はやらない。
人に教える暇があるなら、その時間を使って自分の仕事をやりたいのである。
そして、人に教えるのが苦手な人が多い。
だから、伝承されずに消えていったアナログ技術はとても多い。
痛くない針で有名な岡野さんも、沢山の顧客と技術を持ちながら、最後は後継者がいないという事で廃業しました。
私が見てきた昭和の職人たちと同じで、たぶん普通の人では継承できないと感じました。
たぶん、職人に教わらなくても独学で試行錯誤して、岡野さんの50%ぐらいのスキルを持っている人で、尚且つ『毎日、罵声を浴びせても喰らいたく根性と義理人情』を持ち合わせた人でないと、岡野さんは技術を伝承しないと感じました。
このご時世に『義理人情』って必要ないかも知れませんが、昭和の職人たちには必須です!
私の父親も同じタイプです。
自分で技を盗み、そして工夫する。
試行錯誤は当たり前。
常に損得よりも義理人情を優先する。
それらを見てないようで、いつも職人たちは見ている。
特に、人知れず『影の努力』を肌で感じている。
しかも、本人には絶対に褒めないし、技術が向上しても絶対に認めない。
親方が現役のうちは絶対に褒めないし認めない。
そして、何歳になっても弟子は毎日怒鳴られる…。
いまの労働基準法では、絶対にパワハラ、モラハラの領域です。
『パワハラで訴えます!』なんて言う輩には、『上等だ!この野郎!今すぐ辞めちまえ!』で一喝されて秒速で終わります。
まぁ、その前に、そんな輩は最初から会社の面接で落とされます。
あの人たちは、ついて来れる人を瞬時に見極めます。
運良く、面接に合格しても、半日ほど働けば『モノになるかならないか』の判断がつきます。
常に毎日が真剣勝負。
仕事が人生そのもの!と言えるぐらいの行動をやり続けて、その下積みも10年ぐらい雑用ばかりです。
雑用しながら、師匠の技を盗み、仕事が終わってから『こっそりと師匠の仕事具合を研究』して、自腹で部材を買って夜中まで研究する。
それを10年間ぐらいやり続けると、少しずつ経験値と理解力が増えてきます。
そこで初めて師匠の言葉の本質を知る。
あっ、これ簡単に終わらないながらになりそうだ💦
まぁ、ざっくり初級の初級レベルの話も到達してませんが…
それぐらい、昭和の職人たちから技術を盗むのは難しいです💡
いや、極論を言えばAIで再現する事は可能です💡
でも、心構えと言うか、『精神論』の部分だけはAIでも盗めません。
でも、そのアナログの部分こそが昭和の職人たちの『肝』(核心)の部分だと思っています。
まぁ、こんな事を熱く語っても、おっさんの『過去の遺産』話になってしまいますが…。
アナログならではの『感性』と『神は細部に宿る』をリアルで見れた事は、どんな金持ちや権力者の力を駆使しても、『あの凄さ』はもう二度と見られない。
最後は、私の自慢話で、この投稿を終わります😊(笑)