【事実発掘!FACT JAPAN 47 NO.14】徳島県
みなさんこんにちは。
前回担当の澤邊さんより恐れ多くも「新進気鋭」のデザイナーとしてバトンを受けました中村です。
新進気鋭。
中村にはもったいなさすぎるお言葉ですが、新進気鋭ってなんだかイケてますよね。字面も発音も意味もかっこいいなと思います。(澤邊さん、ありがとうございます!)
ところで、「気鋭」というのは「意気込みが鋭いこと」なのですが、本日はタイトルの通り「実は徳島県は古くから『気鋭』の女性たちが躍進してきた女性先進県らしい!」ということが判明しましたのでお伝えしていきたいと思います。
徳島県と何の縁もゆかりもない中村は「徳島県といえば?」と聞かれるとやはり「阿波踊り」が浮かびます。その歴史は古く、始まりはなんと約400年前、江戸開府に遡ります。1585年、蜂須賀家政が徳島城の落成を祝って無礼講を開き、人々が踊りあかしたことから領民の間で慣習化し(諸説あり)、現在では毎年約120万人の来場者を誇る夏の一大風物詩に。今や日本三大盆踊にも数えられる阿波踊りですが、その隆盛の背景には「阿波(=徳島)商人の性」がありました。
阿波商人の主な取引相手は、商売上手で金銭に厳しい大坂商人。阿波商人は昔から彼らと蜜に接することで、商売人哲学を叩き込まれてきました。加えて当時の藩主 蜂須賀家の出身は、ケチで有名な尾張名古屋。阿波でも質素倹約を徹底し、領民を勤勉に働かせたといわれています。つまり、阿波の人々は江戸時代を通じて、抜け目ない実利主義を身につけたのです。そして阿波踊りはその勤勉さ故のストレスを発散するために我を忘れて踊り狂う場だったのだとか。確かに「同じ阿呆なら踊らにゃソン、ソン」という有名なフレーズには損得勘定が見られ、阿波商人の商売人気質の根深さが窺えます。
また、阿波商人の歴史を語る上で触れておきたいのが「阿波女」すなわち阿波の女性の存在です。
藍作(農作)を中心に商売を行っていた阿波では年中女性の労働力が必要とされ、一時は人口第10位の大都市にまで栄えた阿波徳島の隆盛に大きく貢献したとされています。
古くからある「讃岐男と阿波女」ということわざをご存知でしょうか?(僕は全く知りませんでしたが四国/関西あたりの方には馴染みある言葉なのでしょうか。) 土地柄での男女の相性の良さを意味する表現で、阿波の女性は快活でやり繰り上手な働き者だとされ、隣国讃岐の男性から嫁に欲しいと請われるほど魅力的な女性が多かったことが由縁だと言います…こんな奥様、素敵です!
では、現在の阿波女性はどうなのでしょう?
調べてみたところ、その魂は今もしっかりと受け継がれていることが判明! 少し話が逸脱しました、逸脱しすぎたかもしれません が、徳島県が女性躍進の地たる所以をご紹介します。
まず、女性社長率が全国第1位 (2020)、女性役員比率も第1位。都道府県審議会等委員に占める女性の割合でも第1位(2019)。女性リーダーが多い県であることが分かります。
また、女性医師の割合でも第1位(2016)。女性の四年制大学進学率でも西日本で6番目に多く(2017)、多くの女性が社会で躍進している県であることが見て取れます。
一方、徳島県は年収に対する貯蓄率393%と驚異的(貯蓄額でも全国第4位/2020)。倹約家である阿波女の血が脈々と受け継がれている証拠と言えそうです。
ワークライフバランスについても目を見張るものがあります。家庭環境の良さは全国第1位、仕事環境の良さ、第2位、子育て環境の良さ、第3位。女性をしっかりとサポートする社会体制が高いレベルで整っている…! すなわち、徳島県は阿波女性の気質をよく理解し、強みとして遺憾なく発揮できる社会環境を整備しているのです。
例えば、徳島市は「女性・若者活躍推進」を掲げ、活力あるまちづくりを目指した女性経営者団体「AWAおんなあきんど塾」(1995~)や、女性雇用率の向上・育成支援とDX化促進を両立させる「とくしまテックウーマン事業」(2021~)など様々な取り組みを推進しています。
今年3月には女性の社員割合約5割、管理職登用率約4割と女性が活躍する企業Makuakeと「中小企業支援に関する連携協定」を締結。女性・若者を含むあらゆる人にとって働きやすい環境づくりを目指した積極的なアクションを起こしています。
世界はもちろん、日本でも長きにわたり問題視されてきた男女の格差問題。今もなお「平等」とは程遠い状況がある中、徳島県は女性たちが躍進し、それをしっかりと支える環境が整った「女性ダイバーシティ先進県」つまり、これからの「日本社会のお手本」といっても過言ではないかもしれません。
ちなみに、働く女性が多い徳島県では年間の婦人服購入額が東京を抑えて堂々トップ、化粧品購入額も全国第2位。仕事も家庭も安定しているため、外見磨きにも十分に投資できる女性が多いと考えられそうです。徳島女性のファッション・コスメの購買行動やトレンドなどを深ぼっていくのも面白そうですね。
女性視点での新しい仕組みづくりやサービス開発、都市設計等さらなる可能性を秘めた徳島県に注目です。
さて、次回よりFACT JAPAN 47もいよいよ中盤戦に入っていきます。これからもまだまだ価値ある事実を発見して参りますのでお付き合いのほどよろしくお願い致します。
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