クルマを持てなかった自動車経済評論家、RFに乗る
このところ出張予定が目白押しだったので、移動のアシも兼ねて何か試乗しようとしばし考えた。9月は13日から15日がWEC(世界耐久選手権)富士の取材。その後17日と18日が蓼科。翌20日は味の素スタジアムでスズキの電動モペットの取材から自工会の定例記者会見に港区芝大門まで移動。
だいぶ長距離移動が多いとは思うが、実は普段の取材ではわりとよくあるケースなので、この際だからマツダ・ロードスターRFを借りてみようと思った。すでにピンときていた人もいるだろう。
2023年の10月にロードスターはビッグマイナーチェンジを経て、マツダの人が「マイナス1.5ウェイ」と呼ぶ新たなデフ「アシンメトリックLSD」を得た。これがすこぶる良かったのだ。元々ロードスターは「いつかは欲しいクルマ」であったのだが、この時の試乗会で、決断を突きつけられた気になった。
嗚呼、我が赤貧の日々
これまでだって、ロードスターは、きっと自分の人生のどこかで自分の側にあるだろうという漠然とした思いはあったのだが、いかんせん手元不如意が長かった。原稿だけではそもそも食えない。筆者の場合元々が編集者なので、色んな会社や団体の会社案内やパンフレットなんかの制作とかを請け負ってどうにか糊口を凌いできた。
そうこうするうちに、継続は力なりで、知名度も少しずつ上がってきて、新規の執筆依頼媒体にはギャラをあげてもらい。それと同時に、原稿よりはるかに単価が良い講演とかもちょいちょい始まって、気がついたらだいぶ収入が変わっていた。あれだけシコっていた借金その他を奇跡的に返し終わって、一息ついたのは多分一昨年あたり。食っていくだけならもう大丈夫になった。
自動車経済評論家たるもの、いつまでもクルマも持てない赤貧生活で、どこへ行くにもカーシェアというのもいかがなものかと、それは自分でも思う。ようやく長年の積み重ねが実り始め、頑張ればあと一息。それならと仕事量がキツいであろうことに腹を括って、有料noteを始めたわけだ。その結果こうやってみなさまの温かい支えをいただいて、ようやくクルマも買えそうな気持ちになってきた。
ちなみに2024年9月26日現在のメンバーシップ会員数は385名。単価1100円で42万3500円。noteの取り分が15%だから売り上げは35万9975円。このうち25%は編集担当の管理人M2号に支払うので、手元に26万9981円残る計算だ。写真の使用料だの取材の移動だの事務処理外注費だのと、まあ経費も多少あるのだけれど。それにしたって真水で20万円は超える。すでに食えているところにそれだけの純増だからそりゃクルマも買えるだろうという話だ。
ちょっとソレジャナイ感はあるけれど
という状況が整って、ようやく自分の取材のアシとしてロードスターRFは使えるのかを検証してみる気になった。マツダが用意してくれたのはロードスターRF RS。要するに一番高いヤツ。ビルシュタインのダンパーとレカロのバケットにタワーバーやトンネルブレースバーが入った一番ハードなヤツでもある。トランスミッションはもちろん6MTである。
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