22歳の原点
1994年、卒業旅行で行ったタンザニアのザンジバル島。
まだインターネットで調べる事もできず、地球の歩き方が唯一の旅行情報源だった時代。分かったのはどうやら彼らはイスラム教を信仰しているらしい、という事のみ。
初めて接するアフリカ、黒人、そしてイスラム教。
どんな人たちが住んでいるのか全く想像できず、まるでゴジラのように口から火を吹いている人たちがモノクロの世界で生きているような、大きな謎に包まれたままの旅立ちだった。
いざ、行ってみると。
彼らはとてもフレンドリーで優しく、いつも旅人の私を気遣って下さり、そして家族や友人と笑いあって暮らしている気のいい人たちだった。
そう、日本人の私とほとんど変わらない暮らしと人々。
口から火を吹いているなんて。
偏見は、私の無知が生みだしたんや。
それはとても恥ずかしいことちゃうんかな。
もう、二度と同じ事がないように。
自分の目で世界を見て、自分の耳と口で世界中の人と対話をし、自分の足で世界を歩く。
そして自分の頭で(たとえ小さな脳みそでも!)考えること。それを大切にして行こう。
その想いで若い頃は世界を周っていた。
そして現在、神戸でインバウンドガイドをしながら願っていること。
外国で日本のイメージは、いまだにフジヤマ、ゲイシャだったり、一休さんやおしんは存在すると思っていたり。眼鏡をかけてカメラをぶら下げたスーツ姿の男性。はたまた帝国主義の鬼子という言葉がいまだに残存していることも。
そういったステレオタイプの日本人のイメージをクリアでカラフルなものにしていきたい。
今の日常生活を紹介して、喜怒哀楽のある、「顔」を持った日本人との交流を笑いあって旅行を楽しんでほしい。
文化や宗教、歴史認識もそれぞれ違いはあるけれど、つまるところ同じ人間が同じ地球に住んでいるのだ、とエンパシー(共感)を感じてほしい。
Let's meet and talk face to face.
We are all different. We are all the same.
そんな願いを持ちながらゲストをご案内している。
最後に大切にしている、ホーキング博士の言葉です。
「人間の特質として大事にしたいのは共感だ。共感は平和に愛し合う状態を私たちにもたらす」