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「DX成功の鍵:業務プロセスの責任」
統合型ERPという業務機能を跨るソフトウェアのオーナーシップは経営しか持ちようがないので、経営に責任能力がないなら、統合型ERPを導入しようなどと考えてはいけないという話しをしました。
その代わりに、業務機能の責任者がオーナーシップを発揮する前提で、機能別SaaSを上手に活用するという選択肢を推奨しています。
これはもちろん全社のデータガバナンスに基づいた唯一のデータウェアハウスがあり、統合型ERPのスコープを含んだデータを格納し管理・活用できることもその前提ではあり、そのための課題解決もハードなんですが、コンピュータシステムに関することは全てシステム部門の仕事だと思い込み、自部門が所管する業務プロセスまで、システム上で実行される場合には、その責任はシステム部門にあるという大勘違いをしている人達が大半です。
コンピュータの黎明期で、設計やプログラミングなどのシステム構築や運用が、世間一般からすれば特殊な技能であった時代ならまだしも、SaaS全盛時代の昨今においてはただの時代遅れとしか言いようがありません。
所管する業務プロセスがコンピュータの中で動こうと、人間が遂行しようとそのプロセスの実行責任を含むオーナーシップは、所管する部門長にあります。そこが極々基本的なDX成功の鍵と言えるでしょう。