「DX成功の鍵:データとは?」
私達は森羅万象の極一部で生きている
私達一人ひとりは、説明などしきれるわけもない森羅万象の極一部の中で生きています。これについて異論のある人はいないと思います。
次に私達一人ひとりが認識している事象(コト)や事物(モノ)はさらに絞られます。しかも複数の人間で同じ目的をもって同じ場所同じ時間に立って同じ方向を向いていたとしても、認識していることはバラバラです。
それぞれが認識していることを言葉や絵にして共有することで、素の共通認識と固有認識が確認でき、議論を経てはじめて、最終確認された共通認識として言語化図式化できるわけです。
認識の一部がデータとなる
言語化図式化された認識がデータ化の候補であり、その全てまたは一部が記号化されデータとなります。つまり、複数の人たちが集まる組織で共有されるデータはその組織を取り巻く事象事物の極々一部が言語化図式化されたものの更に一部でしかないということです。
BIGDATAと言われるデータでさえ、その域を出ることはありません。
しかし、DXは企業をそのデータで構成された世界にトランスフォームさせてて、効率化と価値創出向上を図るものですので、データに対する理解なしにDXが成立しないことは理解しておく必要があります。
DXに不可欠なのはノーマライズされたデータ
DXは、コンピュータとネットワークで構成した論理空間上に企業をソフトウェア化して動かすようにすることが必須条件ではありますが、そのためのキホンのキがデータのノーマライゼーションです。ひとことで言うと「「1 Fact in 1 Place」の原則に基づいて、一つの事実は一つの場所にあるよう、ビジネスに必要な認識を完全に網羅し重複をなくす(MECE化)。」ということです。
これがビジネスプロセスモデリングにおける、いわゆるデータモデリングと言われる分析/設計作業ですが、ITガラパゴスの日本で述べたように、残念なことに、日本だけそのスキルが常識化することなく現在に至っており、展開されたデータの解析だけがDXであるかのように間違った理解が横行しているのもそのせいでしょう。