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自選50首

(順不同・なんとなく下に行くほど最新のはず。)

僕たちが努力をしても先生の青春時代は戻りませんよ
缶チューハイ売り場に立って呆然とそれを手に取る15のわたし
わたしらしい言葉を人に聞いてからそれをわたしにしていく作業
親指の圧力だけで鉛筆の黒さも知らず書いてゆく歌
会う度に痣が増えてる友達とカラオケ通りでサイダーを飲む
うふふふふちししうへへへふはははずっきゅんどきゅん 月曜の夜
色々な角度から見て恋なのか好意なのかを見極めている
好きになりすぎても悲しい好きになられても悲しい あなたが好きだ
歌詞カードみたいな手紙をくれたから明日会えたら歌ってあげる
(主語のない文章だから全世界中に伝える せーので)好きだ

「ご飯とか」の『とか』にわたしの手を握ることも含まれてるんでしょうか
靴底に画鋲を入れたことはないけれど確かな悪意はあった
どんな人なんだろうってわたしより髪の毛が長い人なんだろう
たましいの表面だけがけずられてもう触れられるしかない少女
ハルシオンと答えた君の隣には春の花しか分からない人
苦笑いされるのが好き 許されて誰かの荷物になってくとこが
そんなにも背中をさすらないでほしい わたしの砂が崩れてしまう
感覚がない部分でも触れて、って 例えば抜いた奥歯とかでも
手を繋ぐよりかも腕を掴まれてそのままだめな方へ行きたい
逆光でちゃんと見えないからどんな顔をしてても笑わないでね

別れではなく分かれたい どちらにも光が届きますように、って
光らなくなった蛍を両手では持たないような君もいること
街中の発光してるカップルを宇宙人だと思って寝ます
わたしたちのことなどすべて忘れてもいいからもっと自由に咲いて
ニンベンにユメで儚いなんて書く世界はあたしたちに失礼
寝る前のあくびみたいに死ぬ前も何か合図があればいいのに
ケータイを齧る 歯形はつかなくて悲しいことは残せなかった
治らない傷になったらいいなって日本列島縦断の旅
どうなるか先に教えて 理科室にある薬品を並べるように
下水路に金魚を捨てた翌日は外出をせず雪を見ていた

洗い場に放置されてるパレットで汚れた虹をたまに作った
電線の上まで腕を伸ばしたらそこから肉は千切れてしまう
いつまでもいつまでもいつまでも好きでいたいと思うけど そんなの救いがないから嫌だ

街中の人が自分の映画しか観ていないけど歌ってほしい
大丈夫 そんなにすぐに好きになるわけがないからやさしくしてよ
靴擦れは自傷だ あの日自分では似合うと言い聞かせてた恋も
難しいお産でした、に「ね」を付けてわたしに共有しないでほしい
血管の上にほくろが乗っかっているのでただただ生きるのが下手
理解して欲しかったけど理解したふりだけだってちゃんと嬉しい
ハッピーはあなたが投げたくだらない思い出たちの寄せ集めです

なつかしくなりたくなくて何回も同じところで転ぶから笑って
東京の水も意外といけるってきれいなおねえさんに教わる
「しね」と打ちちゃんと「シネマ」が出るうちは君も日本も大丈夫です
留年になるかもな、ってもう少し冬の光に埋もれたい人
火傷でも怖がるような触れかたで僕の炎が見えるのですか
ひと駅のあいだ海しか見えなくてそういう景色を見てたのですね
冬の海 あなたの骨を撒くときに似合う煙草を二人で探す
よく見るとハンコ注射の跡がありあなたも人間なのだと気付く
公園でパピコを分け合うことはせずひとりでぜんぶぜんぶしあわせ
自転車の塗装は剝がれ偽物の青を海岸沿いに散らして

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