イカ、ししゃもの運搬
実家へ。
無印で購入したという茶色くてふわふわの毛布にくるまりながら、ソファにごろんと寝そべって読書をしている。
外から穏やかな陽射しが差し込む。BGMはジャズ。はあ、なんだかほっとする休日だ。
芥川賞受賞作の『むらさきのスカートの女』(今村夏子著)、衝撃作だった。一見ごくごく普通の日常を綴った物語かと思いきや、どことなくゆるりと漂う狂気。
時おりくすりと笑わせながらも不気味で不穏なムードがずうっと続く。最後のページを開いたときは思わずあっと声を漏らしてしまうこと間違いなし。たくさんの人に読んでほしいな。
*
帰宅中。
しばらく実家の余韻に浸りながらぼんやりTwitterを眺めていたら、電車を乗り過ごした。それも、2回。
「ヨッシャ、やっと到着した!」と思い意気揚々と下車したら、そこはまた元来た駅だった。一瞬何が起こったかわからずパニックになり、実家から運搬してきたイカとししゃもが入った紙袋を投げ出しそうになる。やれやれ、一旦、小休止だ。電車移動が下手すぎる。
みんな、この衣料品店の袋の中に大量のイカとししゃもが入っているなんて思ってもいないだろうなあ。丸善の画本のてっぺんに檸檬を置いてほくそ笑む『檸檬』(梶井基次郎著)の主人公のような気持ちになった。
そういえば大学時代、「わたし友達がいないから、水筒にウイスキー入れて持ってってるんだ」という女友達がいた。「化粧ってよくわかんない」なんて笑いながら、リップをアイシャドウがわりに使っていたりした。そういうとこ、好きだった。元気かなあ。
柴犬が電柱に鼻をこすりつけており一向に動かず、かわゆい。今日はこれから、お酒を飲みに行ってきます。日曜日を、延長しよう。
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