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アイドルに憧れる

アイドルに憧れる。

20歳の浮所くんの姿をみるたび、「浮所くんみたいになれたらなぁ」と思っていた。



アイドルグループ・≠MEが歌う、『君はスパークル』という楽曲がある。

去年の夏のサマステで、スタンディングエリアの真ん中あたりから浮所くんのことを見ていたとき、ふとこの曲が頭に浮かんだ。


歌ってる君が綺麗 ちょっと泣いた
縮まることのない距離が 眩しかった

いわゆる「ガチ恋」の歌のようにも思えるし、そう捉える人も多かったようだけど、私はこの曲は「憧れ」の歌だと思う。

というか、私にとってはそうだ、とあのとき思った、というのが正しい。

どんな曲聴いてもヒットチャート聴いても
どうしても僕は君がいいな
今日を待っていたよ
だって会いたかった、ねぇ。

ザワザワしたホールでさ、君を想った
ただ広いこの空間で星に混じって
Ah 君はどんな気持ちで空になるのか
教えてよ

“どんな音楽よりも、誰よりも君がいい”なんて、そんな大きな大きな想いのこもった視線を一身に集めること。

それに応えるかのように歌えば、踊れば、笑顔を見せれば、世界を少し変えてしまうこと。

“君”はどんな気持ちだろうか。

私にはできないよ、と思う。

これは憂いているのでも、ファンの自分を自虐するつもりもないのだけど、気持ちの矢印を向けられるというのはエネルギーがいることだと思っている。たとえそれが肯定の矢印であっても。

君がスパークルだから僕を苦しめる
好きとか恋とかファンだとか
そういうのじゃないんだ
君がスパークルだから僕は生きていける
あーあ なんかもう憧れの人だよ

“君”の輝きを見るたび、私は自分があまりにもちっぽけに見えて、少し苦しいことがある。この気持ちは「好きとか恋とかファンだとか」だから抱える気持ちとは少し違う気がする。

そんなちっぽけな自分が生きていけるのもまた、“君”の輝きのおかげだなぁと思う。自分が、世界が、どんなに嫌でも、その輝きを見ていられるのだから捨てたもんじゃないと思える。

それがどれだけ凄いことか、はたして伝わっているだろうか。

僕しかわからないんだから誰も触れないで
他人が思うよりも深くて重い海を泳いでる
僕しかわからないんだから孤独でいてほしい
空がこのまま飲み込んでくれたら

大事な輝きに対して抱くこんな気持ち、誰にもわかってもらいたくなんてなくて、誰にもわかってもらえないから私だけが知っているんだとか、そんな高慢な気持ちを心のどこかで抱いているような気が、ずっとしている。

でも“君”を見ているとそんな気持ちも見ないふりができてしまうから、なんだろうね、本当にすごい。

君はスパークルなんだ僕を苦しめる
この世で一番君のこと想っているのになあ
追いつこうとしても遠くなるばかりで
あーあ なんかもう僕の全てなんだ

「この世で一番君のこと想っているのに」(文字通り気持ちの大きさを誰かと比べるようなことは私はしないけれど、その想いの大きさに共感する)、私は“君”の目から見た世界を決して知ることはできなくて、何もわからなくて何もできない。

自分と全然違って、遠くて、私はただ恍惚とすることしかできないでいる。

夜が明けてきた
Wow oh oh
今何をしてるの?
どこかで歌っていて
スパークル

「今何をしてるの?」の返答はいらなくて、今も、そしてこれからも、その輝きで誰かを魅了していてほしいと思う。

いや、私のために輝いていてほしいと、本当は思っている。

どうしようもなく憧れているから。



歌声が耳に届いた瞬間、ターンひとつ、顔の角度ひとつ、一瞬の笑顔ひとつを見た瞬間、惹きつけられる。ときにそんな誰かの一生を救うこともできる。

あんなに狭いEXシアターで、ステージで踊る浮所くんも、バルコニーから手を振る浮所くんも、とてつもなく眩しくて、遠かった。

私の希望の光だった。

20歳の浮所くんも私の憧れでした。
愛と信念と努力で纏う輝きで、誰かを救える人。

私はあなたのようになりたいです。

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