子どもの「楽しい」の種類
今日は私が実際教員時代に子どもたちと関わった経験や、子育てをしながら自分の子どもたち、そして子どもの習い事を通して感じた「楽しい」という感覚について考えていることをお話ししたいと思います。
うちの子はサッカーをしているのですが、スポーツだとよく分かりやすいのかなと思うので、スポーツを例にさせてもらいます。
ここ何年か「スポーツはまず楽しむのが一番」とか「楽しめたらそれでいい」という言葉がよく使われます。
もちろん、その通りだと思います。
ただ「この楽しい」って一体どんな状態なのか。
仲間と和気藹々としている時。
おふざけしてゲラゲラしている時。
ゲーム感覚でできる練習。
どの楽しさも種類は違いますよね。
どれも大事な「楽しさ」だと思います。
そして、種類は違っても共通点があると思います。
それが「笑顔」です。
子どもたちの笑顔って本当に可愛らしくて、子どもたちが笑顔だと、大人も嬉しくなりますよね。
でも楽しさってそれだけなのか。
楽しさって、他にもたくさんあって
「少し苦しいこともあるけど、それを乗り越えた達成感」
「できなかったことができるようになった喜び」
「何度も練習して初めてチームプレーが成功した喜び」
「どうして上手くいかないのか一生懸命考えること」
というような、本当に真剣になって努力している最中、そして努力した後の達成感なんじゃないかなと思います。
さらに言えば、「結果が出なくて、もがいている時」
「ちょっと怖いことに挑戦するドキドキ感」
これも、その時は思わないかもしれませんが、後から考えると楽しかったなと思う時も少ないないかと思います。
でもこの「楽しさ」って笑顔じゃないことも多いと思います。
(もちろん、達成感を味わった時は笑顔が出ると思いますが)
こんな時、大人や親は、なかなか結果が出ないと、かわいそうに思ってしまうし
子どもたちにはできるだけ、笑顔で楽しく過ごしてほしい。
そう思って、大人は色々と手や口を出してしまったり、先読みして行動してしまったり、その場だけ盛り上がるような雰囲気を作ったりとしています。
でも実はこの真剣に努力している姿や、少し苦しみながらも努力しているも、「子どもたちが楽しさを感じるための時間なんだ、こんな時間もかけがけのない楽しい時間なんだ」と思うことができたら
声をかける言葉も変わるだろうなと思います。
そして、自分の乗り越えたいことに真剣に向かう子どもたちの表情、姿勢は、笑顔と同じぐらい素敵だと感じます。
スポーツを例にしましたが、勉強でも他の習い事でも、趣味でも一緒だと思います。
笑顔の時だけが「楽しい」のではなく、真剣な表情、時には険しい時もあるかもしれません。
それでも今目の前にいる子どもは、どんな「楽しさ」を味わっているのか、また味わえそうかと想像しながら、大人は時には見守り、言いたことをグッとこらえることも必要だなと、私は思っています。
もちろん、色々言いたいこともありますし、言ってしまうこともありますが、そこは自分も少しずつ成長していこうと思っています。