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アプリやWebを提供する企業の最低限の責任としてNVDAで読み上げの検証している話
アクセシビリティ対応としてalt を入れるということ
毎月1本はnoteを書きたいと思っており、自分が体験したユーザテストのファシリテーションを体験した話をリリースしたいなと下書きを進めていたのだが、タイムリーにnote公式から発表されたalt対応の話で思うところがあり、急遽このタイトルで書くことにした。
すこしあおり気味のタイトルになってしまったが、現在フェンリルで刷新を行っている社外へ提供する資料の一部について、最低限の読み上げに対応できる体制を作るべく、デザイン部エクスペリエンスデザイン課と品質管理部が中心となってNVDAなどを利用し検証している。
社外へ資料等をお渡しする想定として基本的にはパワーポイントの資料をpdf化してお渡しすることが多く、その資料をAdobe Readerの読み上げ、MacのVoiceOver機能、スクリーンリーダーNVDAを利用して、どの程度読み上げに耐えうるかをチェックしている。
この読み上げに対応するのが、実に難しい。
スクリーンリーダーの読み上げ
ざっくり書くと、スクリーンリーダーによる読み上げは、(設定にもよるが)基本的にドキュメントであればテキストを上から下、左から右に進む。その他、Webサイト、適切に設定されたWord文章やpdfなどでは h1, h2などタイトルとして認識するので、tabキーでタイトルに該当するところに飛ばすことができる。これにより全文読み上げなくても、素早く任意の場所に飛んだりできる。
では、altはなにかと言うと、画像が見れない人のために「この画像は○○です」など、代替となる文章や補足を入れ、機械が読み上げられるようにすることである。
例えば今回のnoteのalt属性対応の検証はこの記事が詳しい。
だが、この対応だけではaltとしては不十分だし、実際深津さんも困ってらっしゃるのがわかる。
「当機に搭乗中のお客様のなかで、制約条件の厳しい開発環境でのアクセシビリティのプロのかたはいらっしゃいますでしょうか?」 …という状態なので、みなさまのご助言を求む。https://t.co/eGIWWxrZs6
— 深津 貴之 / THE GUILD (@fladdict) September 19, 2019
alt属性に、そして読み上げに、完璧に対応するのは本当に難しい。
逆引きガイドラインを見ても漠然としているし、同じXD課の高取が書いている通り、適切な画像を説明したり補助している文章でなければ、不十分なのである。
読み上げにだけフォーカスし話をすすめるが、誰がどんな状況で、どんなスクリーンリーダーや機器を使うか、どういう情報を望んでいるか、千差万別だ。
上記に加えて、フェンリルの中でも(noteのように)資料自体の内容や優先度、そのページの重要度がある。また会社企業である以上、利益を優先することも大切だ。
その重要度や優先度に合わせて、資料内で情報整理や図形を組み合わせた結果、どうしてもうまく読み上げに対応できないページができてしまう。そんな状況だとしても、最低限の情報共有や伝達ができるかに重点を置いて検証をしている。
まだまだ発展途上
フェンリルの読み上げやalt属性の対応は、検証と修正を繰り返している段階でまだリリースできるほどの精度を達成できていない点も多い。正直、あまりの対応の難しさに、今後の資料全てに対応できるとは到底思えないこともたびたびある。
だが、alt属性のようなアクセシビリティに対応すれば、1人でも多くの人に情報を届けることができる。個人的な思いにはなってしまうが、このような対応はアプリやWeb、業務ソフトなどをデザインし開発しているベンダー企業としてやっていって当たり前のことなのではと考えている。そのため、社内だけでなくクライアントに向けて、アクセシビリティの対応や考えを浸透させられるように発信することや、小さな1項目、小さな1ステップでも、できることから少しづつでも達成し対応できるように日々尽力していければと思っている。