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全人類遊んでほしい「ソニック×シャドウジェネレーションズ」

こんにちは、eスポーツキャスターの水上と申します。
普段はeスポーツ大会の実況やゲーム番組のMCをしていて、noteでも大会に関する記事を書く事が多いのですが、今回は「ソニック×シャドウジェネレーションズ」というゲームの紹介文を書こうと思っています。
ゲームレビューの様な記事を書く事はほぼ初めてなのですが、僕はソニックシリーズがとても好きで、好きなシリーズの新作、それもソニックシリーズの新作が本当に面白かった事が凄く嬉しかったので、その良さをちょっとでも広めたいと思いクリアした勢いのまま今書いています。特にこのタイミングで出た新作が良い作品だったの、シリーズ的にも大きい意味を持っていたと思っているので…

前提として「ソニック×シャドウジェネレーションズ」は過去に出た作品をリマスターした「ソニックジョネレーションズ 白の時空」と完全新作になる「シャドウジェネレーションズ」の2タイトルがセットになった作品ですが、今回は新作「シャドウ」の方を中心に書いていきます。
記事内ではソニックジェネレーションズを「ソニックG」、シャドウジェネレーションズを「シャドウG」作品そのものを「ソニックシャドウG」と記します。

また、今回内容を紹介するにあたって、あまりネタバレには配慮しない方向です。ストーリーの全容を書いたりはしませんが、出てくる登場人物やステージ等、記した方が魅力が伝わると思う部分は書いていこうと思っています。
「ネタバレはちょっとな…」と気にするくらい既に興味を持ってくれている方は是非買ってみてください。ソニックシリーズが好きな人、やった事は無いけどシリーズに興味がある人やアクションゲームが好きな人に自信を持ってオススメ出来ます。個人的には全人類に遊んでほしいです。
後、昔「ソニックアドベンチャー2」をプレイした方は例外無くプレイして欲しいと思っています。よろしくお願い致します。


「シャドウG」の良かった所

・気持ち良く走れるステージと、多彩なアクション

まずプレイして最初に思ったのが、ステージ、おもしろ~~って事でした。
中でも個人的に刺さったのが「ステージ構成」と「2Dと3Dの棲み分け」です。
ソニックシリーズは「初見殺し」「覚えゲー」として良く言われがちで、実際ステージを高速で駆け抜ける「ハイスピードアクション」のコンセプト上どうしても初心者に難しい要素があったのは事実なのですが、今作はそういう要素が出来るだけ排されている様に思いました。

具体的には「突然道が無くなって落下死する」とかが殆ど無く「敵を攻撃で経由して現れたレールに飛び移る」「走りながら目の前のスイッチを攻撃し、仕掛けを解きながら進む」等、何かが「無くなる」のではなく何かが「出てくる」方向性で、画面に出て来た物にアクションする事で進んで行く、というのをかなり徹底しているように感じました。
更に今作は敵やスプリングだけで無く、レールなど飛び乗り辛い物にもホーミングアタックが出来る仕様になっており、過去作で度々あった「位置調整がミスしてレールに乗れずそのまま落ちる」というのもほぼ起きません。
とにかくどのステージも足を止めずに気持ち良く走れる構成で、ソニックの魅力であるハイスピードアクションをしっかり味わえる様になっていたと思います。そしてコース上の分岐は色んな所に存在し、走り方を開拓する楽しみはしっかり用意されていました。

色んなものにホーミング出来て、ストレスのあるミスがかなり起きにくい

加えてこれまで1つのACTに一緒になっていた、前に進んで行く「3Dパート」と右方向に進んで行く「2Dパート」がほぼ完全に棲み分けされていたのも良いと思ったポイントでした。
今作はステージに対してACT1が3Dのコース、ACT2が2Dのコースとそれぞれ独立して楽しめる様になっています。
「ソニックG」や過去作の「ソニックフォース」等では、一緒になってる事で「もう少し3Dコースを走りたかったな」と物足りなさを感じる事が多かったので、個人的にこの仕様は凄く好きでした。3Dステージは普通に走って4~5分としっかりボリュームあるのも嬉しい。

もう一つがアクションの多彩さです。
「ソニックフロンティア」でもソニックが様々な攻撃が出来るようになりゲームの面白さを引き上げていましたが、今作でもその点は引き継がれています。
シャドウがこれまで作中で何度も使用してきた「カオスコントロール」の力をふんだんに使えるのは勿論、ゲームが進行するにつれてシャドウは「ドゥームパワー」と言う能力を覚えていきます。
ドゥームパワーは遠距離に攻撃が出来るようになる「ドゥームスピア」水上を自由に移動できる「ドゥームサーフ」等々色々なアクションを使えるようになって面白い…だけでは無く、そのドゥームパワーを使いこなすシャドウがめちゃくちゃカッコイイ

終盤に覚えるドゥームウィング。シャドウと同じカラーリングの翼がカッコイイ
ステージを自由に飛行も出来る

このドゥームパワーによって様々なアクションを駆使する楽しさがあったのは勿論、ボス戦もかなり面白いものになっていました。
各ボスに対してはドゥームパワーを駆使しながら戦う設計になっているから毎回別のアクション・攻略が必要になるし、ボスの攻撃パターンも多い。ソニックのボスバトルは「近づいてホーミングアタックを当てる」を繰り返す事が基本な作品も少なくなかったけど、そこからはもう脱却している様に見えました。

水上をサーフしながら戦うメタルオーバーロード戦

攻略アクションに対する演出も非常に凝ってて、テンポを損なわない塩梅で差し込まれるカメラワークはかなり迫力があるのも飽きさせないポイントでした。ボス戦、そしてカメラを活かした演出は個人的に「フロンティア」に並ぶ面白さです。

「ソニックシャドウG」は過去作のステージがリメイクされて登場するのがコンセプトだけど、「カラーズ」までのシリーズから1ステージずつ登場した「ソニックG」に対して「シャドウG」はまた別のアプローチがされています。
当時の「ソニックG」以降に出た「フォース」「フロンティア」の要素も盛り込まれていてこれまでのシリーズを遊んできた人にとってもかなり嬉しいステージ選別だったと思います。
ボス戦も過去にやっていた人にとってはニヤリとする要素が沢山。メタルオーバーロード戦は原作通りの「あの曲」が流れます。最高でした。

・ホワイトスペース

「シャドウG」を語るにあたって外せない要素がこのホワイトスペース。「ソニックG」では通り過ぎていく背景でしかなかったが、今作では…

広~~~い3Dマップとしてお披露目になりました。このホワイトスペースを走り回ってステージを攻略していく事になるけど、このスペースが本当に広い。「フロンティア」の島1つ分…だとちょっと盛ってるかもしれないけど、それくらいのインパクトある空間です。

スペースにはアートワークやBGMが入手できるコレクションボックスもあって、このスペースそのものが1つのやり込み要素になっています。ご存じシャドウは音速のハリネズミなので、移動も苦にならない。ソニックとオープンスペースの相性は抜群。

「フロンティア」で培われたアスレチックの楽しさもそこかしこに盛り込まれていて、コレクションボックスの存在もあって一生走っていられます。

コレクションアイテムもファンなら色々興味深い内容が沢山。
「アドベンチャー2」でも一部登場した「ジェラルドの手記」もあり、必見です。

・「シャドウ」の関係性を深堀りしまくるストーリー

今作の元となった「ソニックG」はソニック20周年を記念した作品で、「タイムイーター」と呼ばれる時空を操るボスによって時空が歪み、過去と未来がごちゃまぜになってしまう…みたいなストーリー(だったはず)です。それによって過去のソニックと今のソニックが共演し、登場するステージも過去作のリメイク、というコンセプトでした。

「シャドウG」は「ソニックG」の裏でシャドウはこんな事をしていたよ、というストーリーなので時空の歪みに直接巻き込まれています。それによって、過去作でシャドウと深く関わってきたキャラクターが多く登場します。
中でも重要なのがこれまでずっとシャドウのルーツとして濃く描かれてきた「マリア」と生みの親である「ジェラルド」です。

特にマリアとジェラルドは回想で語られたり、公式のプロローグアニメで会話が描かれたりしましたが、ゲーム内で直接会話出来たりストーリーに絡んでくるのは中々レア。
これまではあくまで「過去の人間」という描かれ方だった2人が直接シャドウの目の前に現れ、関わる事によって、2人がシャドウにとってどんな人物だったのかがより鮮明に描かれます。
この2人と話している時のシャドウもこれまで中々描かれなかった表情をしていて、声優さんの演技も合わせて色んなシャドウが見られました。

シャドウの前に立ち塞がるのは「シャドウ・ザ・ヘッジホッグ」でラスボスだった「ブラックドゥーム」。ブラックドゥームに立ち向かう中でのシャドウの葛藤を始めとするシリアス加減と、それを支えるマリア・ジェラルドの存在による柔らかさが本当に良い塩梅だったし、終盤のマリアとの会話は「ソニックアドベンチャー2」をプレイしていたらめちゃ感動出来ると思います。
「シャドウ・ザ・ヘッジホッグ」で過去を受け入れ、決別したシャドウの前に「過去そのもの」が現れたらどうなるのか。シンプルながらもシャドウの魅力が詰まっていて、強く引き込まれる良いストーリーでした。

ホワイトスペースではマリア達以外にも会話できるキャラクターがいて、シリーズお馴染みの「オメガ」や「ルージュ」もいます。

彼らはマリア達程はストーリーに絡んでこなく、言ってしまえば本当に「会話できるだけ」なのですが、会話パターンはストーリーの進行具合によって変わり結構な量があります。
「ヒーローズ」から続くチームダークの関係性が感じられる会話もあり、ファンならかなり見る価値がある要素でした。それからルージュのヒロイン力が想像してたよりずっと高かった…シャドウに向ける感情、思ったより大きかった…

シャドウGの気になる所

正直あんまり無いんですけど、強いて上げるとしたらストーリーが完全に過去作に依存しているのと、ボリュームの2点です。

上記した通り今回はシャドウの過去の関係者が関わるお話なので、過去作をやっているかやっていないかでかなり没入感は変わって来ると思いました。特に「ソニックアドベンチャー2」はプレイしていた方が良くて出来れば「シャドウ・ザ・ヘッジホッグ」も。
「ソニックヒーローズ」「ソニック・ザ・ヘッジホッグ(2006)」も内容は知っていた方がより楽しめるかなと感じました。
一応、タイトル画面から見れる「シャドウの物語」で大まかなあらすじは読める他、ホワイトスペースで手に入るコレクションで過去作のストーリーもある程度は解ります。

アドベンチャー2~フォースまでが読める

とはいえキャラクターのセリフや演出はゲームをプレイしている事でハッと気付ける部分も多いので(それだけファンにとってはアツイ作品であるとも言える)プレイヤーのプレイ履歴によってストーリーの評価は少し変わりそうだと思いました。こればっかりは元が周年のファン向け作品なのでしょうがない。
あんまり「これやる前にこれやって」とは言いたくないので、環境のある方は「シャドウG」を遊んで気になったら是非遊んでみてください。「ソニックアドベンチャー2」はsteamでもプレイできます。
SEGA様、「シャドウ・ザ・ヘッジホッグ」や「ソニック・ザ・ヘッジホッグ(2006)」も現行機でプレイ出来るように…頼む…

それからボリューム。ホワイトスペースのやり込み要素を含めるとかなり遊べるのですが、逆にステージをどんどんクリアして一直線でストーリーを進めるとかなり早く終わります。
「ソニックG」は約8ステージあったのですが「シャドウG」はメインのステージがそれより少ないです。
「チャレンジ」と呼ばれる小さなステージも多数あり、総合のACT数で言えば「ソニックG」より多いのですが、やはりメインステージはもう少し欲しかった…と言うか、折角過去作を遊べる作品だからもう少しリメイクステージを見たかったと言う欲が先行している気もする。

とはいえ1ステージの満足感はめちゃめちゃあったので、太く短くな作品としては間違いなく楽しめます。
それにこれは「シャドウG」に限った話であって、「ソニックG」も合わせれば凄くボリュームある作品にもなるので、ぜひ。

「ソニックG」について

折角なので「ソニックG」のゲーム性についても少し。
「ソニックG」は2011年に発売された作品のリマスターで「アドベンチャー」以降の3Dコースを中心とした「モダンソニック」と古くはメガドライブの「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」から続いてきた2Dソニック「クラシックソニック」の2人が主人公です。

モダンソニック
クラシックソニック

作品自体は2011年のものなので、カメラワークによる演出とかアクションの多彩さとかは「シャドウG」と比べてしまうと少しギャップがある部分もありますが、そのぶん「走る」と「ジャンプ」で進んで行くシンプルなソニックシリーズの魅力を楽しむ事が出来ます。
登場するステージも過去作の人気ステージが揃っていますし、今や別ジャンルとしてそれぞれ展開している「モダン」と「クラシック」両方の魅力が味わえる点では、「シャドウG」よりシリーズを初めて遊ぶ人が楽しめる部分もあると思います。

これまでのソニックの歴史と特徴を味わえる作品なので、「シャドウG」の濃密さと合わせて、購入した人でまだ「ソニックG」を未プレイの方は是非こちらも遊んでほしいな、と思います。当時と比べて「チャオレスキュー」と言った新要素もあるので、既プレイの方もオススメ。

これからのソニックを期待して待てるのが本当に嬉しい

以上になります。まずはここまでご覧頂きありがとうございます。ここからは自分語りを含んだ後書きになります。

本作は既に発売1日で100万本を突破していて大好評、色々なメディアでも取り上げられていて、ライターでも無い自分がわざわざ紹介記事なんて書くまでも無いとは今でも思っているのですが、「新作ソニックが面白い」という事実が本当に嬉しく、書くに至りました。

ここからは「モダンソニック」シリーズのを主語にしたお話をします。
ファンの方なら聞いた事がある話だと思いますが、ソニックシリーズは一時期からどうにも跳ねないと言うか、「アクションもストーリーも面白いソニック」が中々世に出て来ず、落ち目なシリーズと言われていました。
実際、濃密なストーリーと高いアクション性を兼ね備えて評価の高かった「アドベンチャー2」と比べると近年のソニックはストーリーが非常にあっさりしている物が多く、逆にストーリーの濃かった作品はゲーム性で気になる部分が多くて…というのがあったと思います。
自分も毎回新作の度にプレイしていたのですが、どこか物足りなさを感じたままクリアに至る事が多く、「もう「面白い!」と心から言えるソニックは出ないのかな~」と思いながらシリーズを追いかけていました。

そんな中2022年に発売された「ソニックフロンティア」は本当に衝撃でした。オープンワールド(公式的にはオープンゾーン)を取り入れたフロンティアの評価はかなり高く、シリーズ復活の兆しと言われた作品でもありました。自分もプレイしましたが、本当に面白かったし、そう思える「ソニック」がプレイ出来た事が嬉しかったです。

とはいえ「フロンティア」はこれまでとは一線を画す超大作。次にまたこんなソニックが遊べるのはいつだろうな~と思ってた所に出たのが今作「シャドウG」でした。
「シャドウG」はホワイトスペースこそあるものの、基本的にはステージクリアで進んで行く従来通りなタイトル。「従来通り」で「面白い」ソニックが出た事、フロンティアで勝負した後「オープンゾーンじゃなくても面白い作品作れますよ」と示してくれるタイトルが出たのがもう本当に嬉しかったのです。
このタイトルがこのクオリティで出た事で、この後どんな方向性であってもシリーズの新作を楽しみに待つことが出来る様になりました。
大げさですが、これまでシリーズを好きで良かったと「フロンティア」と続く「シャドウG」が思わせてくれた、と感じています。

この嬉しさが大きすぎて書くに至ったのが本記事になります。
上手く書けたかは解りませんが、「ソニックシャドウG」はソニックシリーズが好きな人やシリーズをやってないけどアクションゲームが好きな人、そして昔はシリーズが好きだった人、色んな人に強くオススメできる作品です。
これを見て1人でも「ソニックシャドウG」ひいては「ソニックシリーズ」のいずれかを遊んでくれる方が増えたらとても嬉しい。次の「ソニック」も楽しみにしています。

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