終わりではなく、始まり。
合格発表とは、あまりにも瞬間的なものだ。番号を確認する、ただそれだけの時間なのに、なぜか時の流れが遅く感じるのは、みなが一度は体験したことだろう。
自分が担当していた生徒が私立高校に合格することができた。今日はその生徒の授業だった。
授業をしたのは1月からだったから、実質2か月もないくらい。まして私立高校の受験だから、公立高校よりも先に受験を迎える。
短い期間で信頼関係を築くのは簡単なことではなかった。とにかく聞くことを大事にして、でしゃばらないことをいつもより心がけた。
受験というゴールに向かって、その日のためにあらゆるものを犠牲にする。だから、ゴールに到達したときに人は歩みを止めてしまう。今までの努力を振り返るとき、その場で立ち止まってしまうだろう。
しかし、受験はゴールではない。その先には、新たな道が始まる。新たな仲間が俟っている。
自分の生き方を決める、そのスタートに過ぎない。