「啐啄」の瞬間をどのように待つか~Z世代とのチームづくり挑戦記~
私は、2015年に新卒でNPO法人に入職し、ボランティアの大学生と青少年向けのいろんな事業・サービスを作りながら、ボランティアの大学生自身の成長に関わる仕事を8年以上してきています。
「Z世代とのチームづくり挑戦記」とは?
これは、私が働く大学生主体のNPO法人にて、大学生とともに事業実施をする中で感じたことや気付いたこと、またチームで活動する中での気づきや学びを共有したり、チームとしていま直面している課題やこれからについて共有したりしながら、ジブン自身も、読んでくださっている皆さんにとっても、チームづくり・コミュニティーづくりについて学びを深めていけたらと考えています。
私が働くNPOではたくさんの大学生が活動しています。学年もバラバラで、入りたての1年生の子もいれば今年が最後の1年!ということで意気込む4年生の子までいます。
世の中にはあまりない、4年ですべての人が入れ替わるという不思議な組織でもあって、「学生(先輩)が学生(後輩)を育てる」という文化を継承しながらやってきている組織でもあります。
「啐啄」の瞬間をどのように待つか
今日は、「啐啄の時」というテーマで書いていきます。“今日はZ世代の育成にどう向き合うか“という関連のお話です。
「啐啄の時」とは?
親鳥が卵を生み、育てる時の話です。
卵の中から羽化するためには、殻を破るためには、
内部からの刺激・外部からの刺激の両方が必要なんです。
どちらかだけでは殻を破ることはできないということです。
卵の中のヒナが殻をコツコツつつくことを「啐」と言い、
ちょうどその時、親鳥が外から卵の殻をコツコツつつくことを「啄」と言います。
卵の中のヒナがつついている(啐)のを親鳥が気付かなかったり、
つついていないのに親鳥が殻を破って(啄)もいけないのです。
「同時」でなければなりません。
「思い通りに成長をさせる」は幻想であり、押しつけ
子どもたちや大学生と時間を過ごすことが多いですが、
大前提、こちらの思うように成長させようというのはだいたいうまくいきません。
「自分は変えることはできても、相手を変えることはできない。」
という原理原則から考えても当然のことですが、
よかれと思って、そんな風に相手のことを見たり、関わったりするする人って少なくないように思います。
「おせっかい」みたいなのは、これにあたる気がしています。
「その瞬間」の待ち方
成長するかどうかは、本人の問題であるのは間違いない。
だからといって、ただ待っていればいいってわけでもない。(これもよく見かける)
待つにしても、待ち方があるってことです。
母鳥が卵を温めている意味は、2つあるように思います。
一つは、これまでの話にあるとおり、
「内側から送られてくる合図」に備えておくこと。
いち早く気づき、そのときに素早く手を差し伸べることによって、誕生の瞬間を演出することである。
もう一つは、ただ近くにいるだけではなく、
文字通り「温めて」おくこと。
愛情をかける。ことと言えるかもしれないし、
気にかける、目にかける、安心感を持たせてあげることかもしれません。
そうやって、物理的な「温かさ」に加えて、メンタル面の「後押し」がその瞬間の訪れを後押しするんだと思います。
「たしかにここにいる」ということを知らせる
何か新しいことに挑戦したり、新しい自分に向かうとき、
そういった変化を目の前にするときは、誰だって不安になるものです。
どれだけ内側から合図を送ったとしても、
外からの助けがなければ外には出られないのが真実です。
だからこそ、温かみを感じることで、たしかに外には「誰かがいてくれている」という、外にいるサポーターの存在を知らせることでもあります。
温かさを外から伝えることによって、
中にいる者にとっては、「希望」をもったり、「期待」をもったり、「勇気」をもったりすることのできる、そんなきっかけになるんだと思います。
意外と、そういう「温かさ」なんかが、人が殻を破るきっかけなんかにつながりやすいってのも現場の肌感としては強めです。
「啐啄」の話をきいて、素敵だなーと単純に思いました。
すでに「育成」の場面なんかではよく知られている話だと思いますが、
自分の実感値ともかなり重なることがあったので、あえて皆さんが知っているであろう話を書かせてもらいました。
現場からは以上です。
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
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