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「赤ちゃんは、どこから来るの?」〜息子に伝えたい、からだと性の話|神山まりあさんインタビュー2/2

息子さんが幼い頃から生理についてオープンに話すように心がけている、と語るモデル・神山まりあさん。さらに最近、息子さんからは、からだや性にまつわる質問が投げかけられるようで……。一体、どのように神山さんは答えているのでしょうか? 性教育について親が心がけることは? 

文/アケミン 写真/高見知香

神山まりあ(かみやま まりあ)
1987年生まれ。2011年、ミス・ユニバース・ジャパングランプリに。その後、モデルとしてファッション誌、テレビ、ラジオ、イベントなど幅広いメディアで活躍。フェリッシモとのコラボアイテムも好評。 プライベートでは 2015年に結婚、2016年男児出産。著書に『神山まりあのガハハ育児語録』(光文社)がある。


「赤ちゃんはどこから来るの?」子どもからの質問、どう答える?

神山 うちの息子、今、小学校1年生なんですけど、けっこういろんな質問をしてくるんですよ。「なんで男の人にはおっぱいがないのに、女の人にはおっぱいがあるの?」とか「赤ちゃんはどこから来るの?」とか。

ーー大人としては、つい答えに怯んでしまうような質問ですね。

神山 まず私が心がけているのは、親が絶対に恥ずかしがらないこと。「赤ちゃんはどこから来るの?」という質問なら、「1+1ってなに?」と聞かれたときと同じようなトーンで「ディーン君のここに卵があって、ママのおなかのここにもこういう卵があって合体するんだよ〜」という具合です。かなりざっくりしているけど(笑)。

正直、私も内心ドキドキしてるんですけど、まずは親が性についてタブー視しないようにしたいと思っているところです。少なくとも「コウノトリが運んでくるのよ」とはぐらかしたり、逆に「なにそれ! そんなことなんで聞いたの!?」ととがめるような言い方はしたくないなって。

ーー息子さんはどんな様子ですか?

年齢もあるのかもしれませんが、親が照れなければ、向こうも照れないんですよ。今のところ「へえーそうなんだ」と淡々としていますね。

「プライベートゾーン」の大切さ

神山 息子の通っているインターナショナルスクールでは、水着で隠れる部分と口はとても大切な場所だから、他人に見せたり、触れさせたりしたらいけないよ、といういわゆる「プライベートゾーン」についても厳しく教えているんです。

水着を着替えるときに男女別なのは当たり前、相手になにも聞かずに「ほっぺにチュー」をするのもダメ。万一、スカートめくりや”カンチョー”をした日には、親が校長先生に呼び出されて大目玉をくらいます(苦笑)。

ーー厳しすぎる……と思ってしまいますが、それが世界のスタンダードなのかもしれないですね。

神山 もちろん子どもも悪気があって”カンチョー”をしているわけじゃないですが、「お友だちにはリスペクトしなくてはならないプライベートゾーンがあるんだよ」という考え方は、おのずと身についていっている気がします。

性のはなしは、「子どもを守ること」にもつながる

神山 万が一、子どもが知らない人にプライベートゾーンを触られたりしても、小さい頃はそれが一体、なんだか分からないですよね。でも大人になってからそのことの意味を知ったら絶対に傷ついてしまうし。

そういうときもちゃんと「おかしいな」と気付いたり「NO」と言うんだよ、ということも小さい頃から教えておきたい。特に男の子を持つ親としたら、「性犯罪の加害者にも被害者にもなってほしくない」という思いは強いです。

「性教育」というとなんだか大げさに聞こえちゃうけど、日常生活のなかで少しずつ少しずつ、こころとからだに沁み込んでいってもらえたらと思っています。

ーー学校でもプライベートゾーンについてしっかり指導してくれているのは、なんとも心強いですよね。

神山 そうですね、学校で教えてくれるのは助かります。とはいえ私たち親も「すべて学校まかせ」ではダメだなとは肝に銘じているところですね。

今はまだ息子にはスマホは渡していないですが、これが学年が上がってくると自分でインターネットで調べものをするようになるじゃないですか。ネットを見ると、大人からしてもぎょっとするようなバナー広告が目に入ってくるし、子どもがこれからどんな情報に触れるか、親が常に監視しているわけにもいかないし……色々考えることは多いですね。

ーーインターネットとの距離感は、どのご家庭でも頭を悩ませていますよね。

神山 そういうときにベースとなる正しい知識があれば、偏った情報を「正解」として捉える心配も減るんじゃないかな、と思っています。

日常の生活から「リスペクト」を伝えたい

ーー小さいときから、性にまつわる正しい知識を持たせることは大切ですよね。

神山 性について話すことは、恥ずかしいことじゃなくて、子どもを守る話だと思うんです。

それも生理や妊娠の仕組みとか「システム」の話だけに終始するんじゃなくて、「生理って人によってはおなかが痛くて寝込むこともあるんだよ」とか「妊娠するってものすごく大変なんだよ」とか、相手を尊重して思いやる気持ちも伝えられることが理想ですね。

ーーちなみに神山さんが息子さんと性やからだについて話すとき、参考にしている書籍やメディアはありますか?

神山 すでにご存知の方もいるかもしれませんが、『お母さん! 学校では防犯もSEXも避妊も教えてくれませんよ!』(辰巳出版)という本はとても参考になりましたね。
イラストも多めなので、子どももいっしょに読めて、わかりやすくて。ママ友のLINEグループでも「これ良かったよ!」とオススメしてしまいました。

これを読んでくださった方にも、「家での性教育を恥ずかしがらないでほしい」と声を大にして伝えたいですね。

私も今まさにいろんな質問が息子から飛んでくる日々ですが(笑)、まずは親が恥ずかしがらずに、からだや性の話を日常の生活の中で少しずつ重ねていけたらいいなと思います。


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生理のこと、子どもにどう伝える?〜息子に伝えたい、からだと性の話
|神山まりあさんインタビュー1/2