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まーちゃんと過ごした日(不思議体験編)

まーちゃんが死んだ

トラックにひかれて死んだ

30メートル飛んだって

即死だったって

まーちゃんの形見分けにいただいたのは、白いワンピースとリカちゃんのふたごの歯医者さん(リカちゃんハウスシリーズ)、漫画の単行本


まーちゃんが亡くなったのは
私がまだ7歳の
小学2年の秋のこと

仲良しだった4人組も
まーちゃんがいなくなってからは3人で遊ぶこともほとんどなくなり、3年生になり、新しい友達も増え、新しい学年にも慣れた夏のある日の夜のこと

夢を見たんです

夢の中ではまーちゃんがいて
仲良しだった4人で遊んでる

だけどそれは、かつて4人で遊んでいた頃の記憶や思い出ではなく、まーちゃんは確かに死んでいて、私たちもそれを知っていて、まーちゃんが言うには

今日は一年で一度だけ死んだ人がこの世に戻って来て、会いたい人に会える日
だから、今日だけは4人で一緒に遊べるよ 

そして、夢の中の私たちは日が暮れそうになるまでたくさん遊んで、そして夕方になるとまーちゃんはお空に帰らなくちゃと言って、空を見ると
夏の夕方の晴れた空に向かって長く長く続く階段があって、その階段には一段一段に老若男女の色々な人々がいて、みんな空に向かって登っている…
その列にまーちゃんも加わり、そして満足そうな笑顔で手を振って、空に帰っていきました


朝、目が覚めて
こんな夢を見たと母に話したら
「ああ、お盆だからきっとまーちゃん帰ってきたんだね」
って…

お盆には亡くなった人の霊が帰ってくると言いますよね

けれど、その当時の私はまだお盆というものも、それがどういうものなのかも全く知らなかったんです

母から聞いて、初めてお盆のなんたるかを知ったんです

なので、夢の中だけど
本当にまーちゃんが帰ってきて私たちに会いに来てくれたんだなぁ
って、心があったかくなりました

たった1日だけだっだけど、50年近く経った今も忘れられない日になりました

もちろん亡くなったことは悲しい事だけれど、それでもこうしてまた会えることが出来るんだなと幼いながらも感じた出来事でした

そしてまた秋になり
3年生の私たちは大人に促されるわけでもなく、お小遣いでお花を買って、まーちゃんの仏壇に手を合わせにいきました

その後、まーちゃんの家には赤ちゃんが生まれ、ほどなくして引っ越しをしてしまったので、私はまーちゃんのお墓も知らぬままで、お墓や仏壇に手を合わせることは出来ないけれど、まーちゃんの命日は忘れないし、今も時折思い出しては心の中で手を合わせています

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