祓う
娘がまだ小さかった頃のこと
寝るのが怖いと言い出した
怖い夢でもみるのかな?
と思って
話を聞くと
目を閉じると真っ白な部屋に、上に上る階段があって、そこでおじさんだかおじいさんだかがこっちにおいでと手まねきしている
と、そんなような内容だったと思う
娘がみたものは実際にはわからないけれど、話を聞いて私が想像したのはまさにこのタイトルの画像に使っている写真のような光景
あまりにも毎日怖がっていたので、妹に相談したら
「お姉ちゃん、それちゃんとお祓いしてもらった方が良いんじゃない?」
やっぱ、そう思う?
けれど、そもそも私は世に存在する祈祷師のほとんどが怪しいと思っているし、本物の祈祷師の知り合いもいなければ、誰に相談して紹介してもらうのがいいのかさえ分からない
それに、そういうのって
ものすごくお金がかかるイメージもある
うちは家計に余裕もないし、そんな事にお金をつかっていると、旦那さんに知れたらちょっとな…と、二の足を踏んだ
けれど、やっぱり毎日
夜を怖がる娘がかわいそう
何とかしてあげたい
そう思った私は考えました
「祓う」
ということ
もしかしたら「祓う」という言葉は「払う」からきているのではないか?
あ、もちろんお金を払うの「払う」ではなく、塵を払うの「払う」の方
娘に憑いている悪いものがあるならば、私が手で払えば良いんじゃない?
それで本当に効果があるのかどうかは分からないけれど、やってみる価値はあるよね
って事で
夜、ベッドで添い寝する娘の背中を上から下に塵を払うように、少し強めに何度も何度も払いながら
「出ていけ〜出ていけ〜、お前にこの子は渡さない。私は絶対負けないから諦めてどこかへいきなさい。この子は私が守る」
という意味のことを唱え、娘をギュッと抱きしめて一緒に眠りました
そうしたら、不思議なことに
翌日からピタっと娘の悪夢がおさまり、夜が怖いと言うことがなくなりました
私は自己流ながら「お祓い」に成功したのでしょうか?
それから娘の悪夢が蘇ることもなく、平穏な毎日が戻ってきました
ただひとつ気になるのは
そのお祓いから確か1〜2年後くらいだったと思います
隣の家の子がある夜、突然亡くなりました
まだ3歳と半年でした
前日まで、普通に元気に過ごしていたそうですが、娘と同い年のお姉ちゃんと一緒に寝ていて、朝お姉ちゃんが起きた時、妹ちゃんはすでに冷たくなっていたそうです
朝から救急車が来て、長い間、救命措置を施していた様子でしたが、その甲斐もなく妹ちゃんはお亡くなりになりました
原因不明の突然死
誰も悪くなくて、誰にもどうする事もできなかった
それを聞いた時、私はもしかしたら私の娘に憑いていたものが隣の家の子にターゲットを変えてしまったのかと思ってしまいました
そんなこと、思っちゃいけないけれど
もちろんそんな話は隣人にはしていませんが、せめてもの弔いに私はまだ幼い娘とともに葬儀に参列させていただき、手を合わせました
幼くして亡くなった隣のお子さんがせめて天国で幸せでありますように 合掌
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