【続編】良いものか良くないものかは姿かたちでは判断出来ない
長野で出会った男の人の魂の話の続き
私は霊的な存在を目で見る訳ではないので、あえて幽霊ではなく魂と表現する事にします
ハタチくらいの夏だったと思う
家で寝ていたら、窓の外から私を呼ぶ声がする
名前を呼ばれている訳ではないが、窓の外にいる存在が私に気付いて欲しがっているのを感じたというのが近いのか
当時住んでいた家は、都会のマンションの10階で、窓の外にはベランダはあるものの、当然そこに人がいるはずも無い
窓の外は2人の子どもがいた
お兄ちゃんと妹といったところか
お兄ちゃんの方は青いかすりらしき着物を着ていて、例えるならバカボンのような出立ち
少し幼い妹がどんな格好だったかはあまり記憶にない
男の子が言うには
「僕たちを助けて下さい。ここをあけて中に入れて下さい。妹の名前は糸重子(しずこ)と言います」
小さな子どもたちが助けを求めている
助けるべき?
でも、どうすれば?
けれど、私にはどうする事も出来ないし、直感的にそれに応じてはならない気がした
そして一生懸命に
「ごめんなさい、ここを開けることは出来ないし、あなたたちを助ける事も出来ない。私は何もしてあげられないから帰って下さい」
と、心の中で強く念じた
そうしたら諦めたのか
2人はどこか夜の空へ去っていった
あれは一体何だったんだろう?
糸が重なる子と書いて「しずこ」と読む、そんな名前は聞いた事がない
知り合いにもいないし、本などで読んだ記憶もない
けれど、ずっと気になっていて、助けられなかった事は心のどこかに引っかかっていた
ある日、大学の同級生に霊的な力があって、過去世や未来が見えたり、守護霊が見えたりする人がいるという噂を聞いた
噂を聞きつけた人たちは興味本位に彼女に未来や霊を見てもらいたがったが、彼女はほとんどのそれを拒んでいた
未来を話す事によって、その人の人生に大きな影響を及ぼしてしまうからだという
その人にとって良い未来であっても悪い未来であっても、それを知ってしまった人にとっては良くない影響を与えることを懸念していた
しかし少しなら…と私は彼女に未来と過去世、そして守護霊を見てもらう事が出来た
それはとてもざっくりとした未来の話だったし、守護霊や過去世なんて本当かどうかは確かめようも無いのだけれど、妙に納得出来た
そしてその時に
長野の男性の魂の話と助けられなかった2人の子どもの話をして、私の対応が正しかったのかを問うたところ彼女の答えはこうだった
霊に出会った時にはあなたの直感を信じればいい
怖いと感じなかった男の人は、あなたに危害を加える心配のない霊で、窓を開けてはいけないと感じた子どもたちは、子どもの姿をしていても、あなたに悪さをするかもしれない霊
だから、あなたの判断は正しかったんだよ
と
なるほどなるほど
良いものか良くないものかは姿かたちでは判断出来ないって事なんだ
これからは自分の直感を信じて生きてみようと思ったのです
相手が生身の人であっても、何であっても…
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