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『スクラム採用』 効果最大化へのTIPS ~ 設計から運用までまるっと公開します~

『スクラム採用』を取り入れているが、本当に効果を発揮しているのでしょうか…?
現場担当者の業務が逼迫しているようで、なかなか『スクラム採用』の導入が難しいです…。

ポテンシャライトでの日頃のご支援より、このようなご相談をいただく機会があります。特にベンチャー / スタートアップ領域では、経営陣からメンバーまで全員で採用活動に取り組むことが重要ですし、このことはきっと本noteを読んでくださっている読者の皆様も「当たり前に知ってるよ〜🙌」という感覚だと思います。

🤔 < ある程度は組織に定着している『スクラム採用』の効果を最大化するには…?

ポテンシャライトにいただいた人事 / 採用担当者様のお悩み

今回は特に上記の問いについてフォーカスしてnoteにまとめてみます。『スクラム採用』を本格的にスタートされる”前”のご担当者様も、ある程度は導入しているがお悩みをお持ちのご担当者様も、何かしらの気づきをお渡しできたら嬉しいです。

尚、今回は『スクラム採用』における “人事 / 採用担当” のアクションについて記載します。(スクラム採用の現場側のご担当者様はこちらを前提にお読みいただけますと幸いです。)

※ 本noteでは、あくまでもポテンシャライトが日々採用のご支援をさせていただく中で感じた / 実施した内容を軸に執筆しております。”採用活動における一視点” として参考程度にご覧いただけますと幸いです。

では、早速はじめましょう!


1. スクラム採用の概要と推進する際の3タイプ

前提として、『スクラム採用』とは株式会社HERPさんが考案されている概念です。

スクラム採用:
採用活動を経営陣と人事に閉じたものではなく、現場社員を巻き込んだ形で行うことで、最大の成果を創出していく採用手法のこと

スクラム採用 - 株式会社HERP より

HERPさんが提唱する『スクラム採用』は、人事 / 採用担当者のみで採用活動を行うだけではなく、現場マネージャーやメンバーなど、求職者が入社後に一緒に働くであろう人間が選考活動に参加する採用手法と理解をしております。(メリットや詳細事例については、たくさんのnoteでもすでに記載があるかと思うので、今回は割愛しますね。)

ベンチャー / スタートアップへの転職、ましてや立ち上げフェーズに参画することは、必然的にメンバー全員と濃厚なコミュニケーションを取ることになるかと思います。『スクラム採用』という言葉が浸透する前から、当たり前のようにメンバー全員での採用活動に取り組まれている企業様も多いと思っています。恐らく専任の人事 / 採用担当者も企業に在籍していないフェーズでは、「スクラム採用をやりましょう!」ではなく自然と行っているものなのではないでしょうか。

🤔 < 最近、面談面接に入るメンバーが増えたんだよな。しっかりスクラム採用を運用しきれているかな。。。

人事 / 採用担当者様のお悩み例

今回はそんな少人数組織の採用活動やまだスクラム採用を導入直後であり、運用方法が定まりきっていないタイミングでの課題をメインにお話しします。

現場メンバーを巻き込んだ採用活動 を考えた時に、採用活動が以下のどれかのタイプに近しいものになっているかと思います。それぞれのタイプによって課題や運用すべき施策が異なるので整理しましょう。

1-1. ボード主導タイプ

文字通り、経営陣が「現場も採用活動に参加してね」と積極的に巻き込むタイプです。ベンチャー / スタートアップでは、経営陣の採用に対する考え(思想)が色濃く採用活動に反映されます。特に創業期の10名を採用するには相当な労力がかかると思いますし、代表をはじめとする経営陣の熱量がなければ採用活動は成功しません。

ただ、経営陣が「全員で採用しましょう」といっても、経営陣自らが採用活動に熱量を持って取り組んでいる姿勢がメンバーから見えない状態だと、必然的にメンバーの熱量も上がらないかと思います。そのため、経営陣が率先してスクラム採用を加速させていく場合は、主体的な経営陣自らのアクションが重要です。

 - 代表がカジュアル面談を対応する
 - 自らメッセージを記載してスカウトを送付する
 - 面談面接で対面で求職者に会いにいく

「ボード主導タイプ」でスクラム採用を進める際の具体的なアクション例

など、さまざまなアクションに落とし込むことができると思います。

1-2. キープレイヤー主導タイプ

”キープレイヤー” = 現場でオーナーシップを強く持ち「採用頑張ろうぜ🔥」と牽引してくれる方 がいらっしゃるタイプです。人事 / 採用担当はもちろん経営陣からも非常に心強い存在であること間違いなしです。

ただ、もちろん主業務もありますし、キープレイヤーの退職や採用活動へのモチベーション低下といったリスクもあります。

採用プロジェクトを誰がリードするか(誰がPMか)という観点もありますが、人事 / 採用担当がこのキープレイヤーの方(たくさん頑張ってくれる方)と二人三脚でうまく採用活動ができないと一気にスクラムが崩れてしまう可能性もあります。

具体的には、企業様の事例として、「組織のOKRに採用活動を組み込み、EM(エンジニアリングマネージャー)がプロジェクトを推進している」ケースもあるようです。

キープレイヤー主導タイプは「採用活動(プロジェクト)の舵を取っているのは誰か?」に起因して全社のコミットメントが変わってくるタイプです。施策が盛り上がれば盛り上がるほど、一気にプロジェクトが進んでいる感覚があると思います。

1-3.  施策ドリブンタイプ

最後は「いつの間にか」スクラム採用が強化されていて、気づいたら面談面接担当のメンバーが増えているタイプです。たくさんの採用活動に関する施策が一度に進むことも多いと思います。

もちろん現場メンバーと求職者の業務レベルでのマッチング精度を高めるためには大切な役割ですが、「なぜ採用するのか?」「どうやって採用するのか?(テクニック面など)」の前提を揃えることができないと、採用活動への参加に不満を持つメンバーも一定数生じてきます。

『スクラム採用』が施策ドリブン的に運用されてしまうとこのようなギャップを発生させてしまうかもしれません。素晴らしい施策がたくさん立案されていても、「やる意義」や「目的」がメンバーに伝わっていないと、それぞれの施策は浸透しないかもしれません。

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3タイプを記載しておいて「じゃあ筆者はどれが良いのかい!?」となると思います。(自分でもツッコミを入れたくなりました)

正直にお伝えすると、どのタイプにも長所 / 短所があり、バランスを取ることは非常に難しいです。
ただどんなタイプであっても『設計と運用』がしっかりできていれば、振り返りとネクストアクションを忠実に設定することができれば、スクラムを崩すことなく、より効果的に活用できると思っています。

2. スクラム採用の『設計と運用』

前項にて記載した、3つのタイプのスクラム採用を実施する企業において、 ”前提” として採用活動の「理解度」と「実行度」を把握することが重要です。詳細については、こちらのnote にかなりまとまっていますのでぜひご覧ください。

採用活動のキホンとも言える「理解度」と「実行度」を把握 / 整理した上で、スクラム採用にどう落とし込んでいくか…設計フェーズ運用フェーズ に分けて詳細をまとめます。

また『設計と運用』フェーズにおいて、設計フェーズの方が肝心です!しっかりと施策の定義を行うことで運用もスムーズになります。(本noteでは、設計フェーズの部分を厚く記載しております。)

2-1. 『設計』フェーズ

ベンチャー / スタートアップ企業において、スクラム採用を大々的に導入せずとも、必然的に全員が採用に関わっている ことも多くあると思います。ただ、だんだんと組織が大きくなり、採用活動に関わるメンバーが増えていく段階で、改めて『設計』として仕組みを整えていく必要があります。

HERP社では、スクラム採用の立ち上げ時には「コミュニケーション、業務効率化、データ活用」の3要素が重要になると提唱されています。もちろんこちらの要素もとても重要です。絶対に蔑ろにはできないと思っています。

さらに、ポテンシャライトでご支援させていただいている企業様のお話を伺うと、以下の2つの項目において非常に明文化されている企業様は、現場を巻き込んだ採用活動で好成績を記録されていました。

 - 面談面接、その他の何かしらのプロセスへ関わるメンバーのオンボーディング
 - 採用活動に関わるメンバーの明確な役割分担 / ミッション設定

スクラム採用の効果を最大化させる「設計フェーズ」のTIPS - ポテンシャライトの考え

 2-1-1. オンボーディング

面談 / 面接に関わるメンバーが、どのように採用をするべきかや具体的にどのように求職者に接するべきかについては、あらかじめ人事 / 採用担当(もしくは経営陣)が明瞭に整理しておく必要があります。そしてできれば「見ておいてくださいね〜」と資料をお渡しするのではなく、直接コミュニケーションを取りながら詳細を伝える同期コミュニケーションが重要です。

具体的には、研修やオリエンテーションなど(名前はなんでも良いのですが)を実施することで、関係者の前提認識を揃えること、資料を用意していつでも振り返られるものがあること、質疑応答を踏まえ採用関係者一人ひとりの悩みを解消できることが重要だと思います。

オンボーディングするべき内容
 - 面談 / 面接の位置づけと流れ
 - 採用を担当する領域とポジション
 - スカウトなどの母集団形成、面談面接担当、などの役割分担
 - 企業の魅力付け、惹きつけ要素
 - 評価基準・評価方法
 - 書類選考 / 提出書類の読み解き方
 - 面接のお作法(注意事項等)

スクラム採用に関わるメンバー向けのオンボーディング内容例

これらの情報を全て資料に書き起こすことは難しいかもしれませんが、採用HOMEとして社内資料でnotionにまとめている企業様も複数いらっしゃいます。

ポテンシャライトでの自社採用事例も少し公開します。

👆 ポテンシャライトで面談面接担当者が確認するnotionの一部です

このように(一回手をつけてしまえば)ベースとなる資料をアップデートしながらオンボーディングを続けることが可能です。また「不明点はここ<資料>から確認する」という組織での共通認識も浸透させることができるため、作成することのメリットは大きいはずです。

 2-1-2. 役割分担 / ミッション設定

オンボーディングの他に重要なのが「誰がどこまで担当するのか」や「担当する面談面接では何をミッションとするべきなのか」という役割分担とミッションの設定です。

HERP社でも、スクラム採用では「採用PMとHiring Manager」を設定し役割分担を行うことを提唱されています。

Hiring Manager以外にも、現場メンバーレベルの担当者が「この面談面接では何をするべきなんだっけ?」と迷子にならないような提示が必要です。

面談面接担当者がどのような特性を持っているかを理解した上で、役割分担を行いそれぞれにどんなミッションがあるのかを整理してみましょう。

まずは、人事 / 採用担当者がカバーする業務範囲についてです。人事 / 採用担当の職務範囲は非常に幅広く、工数も逼迫しがちだと思います。まずは、スクラム採用において、人事 / 採用担当者(ここでは採用PMに該当する方)がどの職務内容を担当するか、の整理をまず着手すると良いでしょう。
こちらのnote に詳細をまとめていますのでご覧ください!

人事 / 採用担当者自らの担当する職務範囲を明確にすることで、スクラム採用においてどの範囲をメンバーにお任せするかを決定できると思います。また、人事 / 採用担当者”以外”がなぜ採用活動に参加するのか、といった意味付けが可能になります。

ポテンシャライトでは、こちらのnote にて、面談面接においてどのような役割を任せられるメンバーなのか?という観点をまとめています。詳細についてはこちらをご確認ください。

また、いつ誰がどのような基準で選考をするべきかは、つい昨日ノウハウを こちらのnote にまとめてリリースしておりますので併せてご確認ください!

2-2. 『運用』フェーズ

次に、スクラム採用における『運用フェーズ』についてまとめます。
具体的には、日頃の採用活動の中での課題を半永久的に解決し続けるためにはどうすれば良いのか?についてです。

まずは、そもそもどうやって課題を発見するか…。

採用活動に成功している企業様の事例はたくさんあるかと思いますが、特にアンケート調査とヒアリング調査についてフォーカスして記載します。

 2-2-1. アンケート調査

採用活動における、不明点や不便なところ、小さなお困りごとを「まずは網羅的に回収する」ためのアンケートです。採用活動の満足度を起点とし、ネガティブな要素がなさそうか?むしろポジティブに動けている施策は何か?といった採用活動の定期的な振り返りにもなります。

Googleフォームやサーベイサービスを活用し回答を集計できるものが好ましいと思います。

これらはあくまでも一例ですが、企業様によっては直近実行した施策の振り返りアンケートとしてラフに意見を回収することも採用活動の課題発見には有効です。

 2-2-2. ヒアリング調査

次に、顕在化している課題 / まだ潜在している本質的な課題の整理のためのヒアリングについて。

こちらは前述したアンケートから課題を抜粋し、該当者からフィードバックをいただく形でヒアリングを実施できると良いでしょう。

具体的には、Hiring Managerに該当するメンバーから「メンバーと会話している中での課題はあるか」など、より深層的な課題の追求に役立てることができると思います。

この時に、直近の採用活動のみならず、最近入社したメンバーはポジションにマッチしているか?など採用戦略設計にも役立てることが可能です。こちらも四半期~半期の振り返りとして実施できると、採用活動(プロジェクト)の定点的な振り返りとして有効です。

3. スクラム採用を加速させる『成功のカギ』2つ

多くの企業様で、人事 / 採用担当者と現場採用メンバーの関係性構築であったり、様々な課題感を持たれているかと思います。

ポテンシャライトとして複数の企業様をご支援させていただく中で、スクラム採用(または現場の方を巻き込んだ採用活動)で成功されている『カギ』は

 - スクラム採用の目的 / 役割分担 / リソース割合からブレない
 - 各施策の優先順位が明瞭である

- ポテンシャライトの考え

こちらの2つの要素があると感じています。

3-1. スクラム採用の目的、役割分担からブレない

「ブレない」と記載しましたが、これは経営陣、人事 / 採用担当者、そして関わるメンバー全員が「共通認識を持っている状態」で採用活動に取り組んでいることを指します。

採用の最終的な意思決定をするのは代表なのに、なんで自分(メンバー)に意見を求めるのか?

メンバーがどうしても!っていうから採用したのに、うまく馴染めてないな…

どんな採用活動においても、ミスマッチや予想外の出来事は発生しますし、メンバー間での評価や印象に差が出ることは大前提としてあります。

そんな中で、「なぜ全員が関わるのか?」といった根幹のスタンスがブレてしまうと、人事 / 採用担当の意思決定のみならず、関わるメンバー全員が自分が関わることに自信を持てなくなってしまうのではないでしょうか。

企業としてのスタンスをしっかりと軸に持つことで、採用活動はより加速していくと思います。

3-2. 各施策の優先順位が明瞭である

スクラム採用頑張りましょう!
とはいってもリファラル採用も頑張りましょう!
さらにはアルムナイ採用とかも検討してみたいですね〜!
タレントプールもどう運用しましょうか!?

ベンチャー / スタートアップのみならず、採用活動が日々激化している中で、いろんな施策にトライし採用活動の幅を広げることは素晴らしいと思っています。

可能性があるのであればどんどん取り入れるべきですし、特にデプロイドリブン的に実施していくカルチャーがある企業様もいらっしゃると思います。(ポテンシャライトがそうです🙌💦)

それぞれの施策を確実に浸透させるためには、採用活動における優先順位を明確にすることで、その後の採用計画の達成に結びつくと思います。

👆 「はじめての採用」をスタートしようとしているあなたへ - ポテンシャライト 寳田 から抜粋


採用活動における各施策の優先順位は、上記note にまとめておりますのでご確認ください。

また過去にポテンシャライトにてご支援させていただいた企業様の採用成功の事例とその特徴については こちらのnoteにも複数の事例をまとめております。ぜひ併せてご参考になれば幸いです。

4. 最後に

いかがでしたでしょうか。

今回は、スクラム採用を取り入れているが、果たして効果を最大限に引き出せているか?どうすれば引き出せるのか?という観点でまとめてみました。

人事 / 採用担当の他に現場のメンバーが採用活動に参加してくれることはとても心強いと思います。せっかくのスクラム採用の体制が半永久的により良いものになるようアクションしていきたいですね。

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