2024/03/21_医療保険を基本自費にするインパクトは
病院薬剤師→医療マーケティング→メディカルコールセンターへ転職しました。
voicyを聞いて考えたことを書きます。
直接的な災害による経済インパクト以外にも経済インパクトが起こる可能性を指摘していた放送回でした。
自分のことに当てはめて考えてみました。
自分はメディカルコールセンターという医療業界にかかわっています。
医療業界では、医療費が問題になっています。
医療費の増大が懸念されています。医療保険制度でこの医療費を賄っているから問題になっているのかなと感じています。
令和3年度の医療費は約45兆円、人口一人当たりに換算すると約36万円となっています。
参考:https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-iryohi/21/index.html
医療費全体は、前年から4.8%増となっています。
これらが保険で賄われていますが、もし普通の支出(全額自己負担)であれば、45兆円規模の産業とみなすことができます。
成長産業になりうる可能性があると考えています。
今、医療費抑制のために、後発医薬品使用の推進をしています。
確かにこれにより、医療費抑制にはなるかもしれません。
ただ、負担分が少なくなることから、コンビニ受診などの安易な受診が増えるような気がします。
負担分が少なくなることは、医療従事者の給与に影響してきます。
給与の源泉が医療費によるものなので、医療費削減になると給与が上がりにくくなります。
人口も減っていく中、給与が他の産業よりも上がらないと、もっと人が集まらなくなります。
そのため、医療費を選択して投入することが必要だと感じています。
具体的には、高齢者の腰の痛みなどの慢性疾患、若年層のかぜなどの軽微な疾患による受診は自己負担にします。
それ以外の重症疾患については、保険で保証するようにし、それらの治療について、病院などの医療資源を投下していくのはどうかと考えています。
そうすることで、病院の患者ケアに係る負担も減ります。
より少ない人数で病院を回すことができるので、浮いた人件費を給与に反映できると考えられます。
別の側面から考えると医療費抑制すると、製薬企業の稼ぎが減ることになります。
製薬企業の稼ぎが減ると、新薬の開発に影響がでます。
後発品を取り扱っている製薬企業は後発品だけ扱っています。
そういった企業では、医療費抑制の影響をもろに受けてしまいます。
そのため、基本全部自費にして、OTCの領域を拡大し、後発品企業もOTC販売できるようにする必要があるのかなと感じます。
OTCであれば、自費なので価格を自由に設定できます。
医療用医薬品は国で価格が定められているので、変更はききません。
医療保険を基本、自費に変えると、そのインパクトは意外に大きなものとなると感じました。