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2025/01/13_#846_高額療養費制度の改正で思うこと

皆さんは高額療養費制度をご存知ですか?

病気の治療でかかった費用が高額であった場合、年収に応じて負担額の上限が定められています。
通常、医療保険では3割(年齢によっては1割など変動あり)負担で、費用を支払っていますが、あまりにも高額になった場合には、高額療養費制度を使用できます。

この仕組みを見てみると、自分はよく考えられているなと感心します。

年収に応じた負担額になっていますが、負担額の線引き、年収の線引きなど細かく制度設計されている印象があります。

おそらく、統計データに基づいての金額、線引き設定になっているのかなと思っています。

NHKのニュースで今後改正になるので、特集を組んでいるようです。


自分は、高額療養費制度の改正には賛成です。
ちきりんさんのvoicyでも取り上げられていました。

今回の改正では、上限額が以下のように引き上げになるようです。

具体的には、▼年収370万円から770万円の場合は、負担の上限額をいまより8000円余り引き上げて8万8200円程度に、▼年収770万円から1160万円の場合は、2万円余り引き上げて18万8400円程度に、▼年収1160万円以上の場合は4万円近く引き上げて29万400円程度にするなどとしています。

そして2026年8月からは、年収の区分をさらに細かくした上で、2026年と2027年の2段階で上限額を引き上げ、例えば▼年収650万円から770万円の場合は、最終的に13万8600円程度に、▼年収1650万円以上の場合は44万4300円程度にするとしています。

https://www.nhk.or.jp/shutoken/articles/101/017/83/

負担額の上限を上げること、年収の区分を細かくすることが予定されています。

上限を引き上げることにより、高額療養費制度の使用するヒトの範囲が狭まることになります。
ただ、引き上げ額から考えると大きな変更はなく、高額療養費制度を使用できるヒトで、高額療養費制度使えずに困ることはないと思います。
年収1160万円以上の方の場合は、引き上げ額が4万円ですが、年収から考えると、妥当だと思います。

NHKのニュースでは下記のことも書かれていました。

「高額療養費制度は、我々にとってまさに命綱です。ぎりぎりの範囲で仕事をしながら治療を受け続けてる人もいて、負担額が増えれば治療をあきらめたり、生活ができなくなる人もいると危惧しています」

https://www.nhk.or.jp/shutoken/articles/101/017/83/

高額療養費制度は有用な制度だと思います。コメントで負担額が増えて治療を諦め、生活ができなくなるヒトはいったいどの層を指しているのかがよくわかりません。
生活が困窮しているヒトは生活保護制度があります。生活保護下では、医療費が無料です。

医療費がかかるのは高齢者(65歳以上)です。65歳以上になると急激に医療費が増えます。

今回引き上げになるのは70歳未満の高額療養費制度です。65歳で高額療養費制度対象の疾患になったとして、年収が低い場合(370万円未満)でも、月々の負担が6万600円に収まります。

さらに高額療養費制度には多数回該当という制度があります。

過去12か月以内に3回以上、上限額に達した場合は、4回目から「多数回」該当とな り、上限額が下がります。

https://www.mhlw.go.jp/content/000333279.pdf

このような制度があるので、NHKのニュースで報道されていたような治療を諦めるヒトはほぼいないと思います。

高齢化が進むので、高額療養費制度を維持させていくためには、負担額の引き上げが必要だと感じています。
そのため、今回の改正は賛成です。


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