2024/10/08_#749_国立大学病院の経営データを見て
病院薬剤師→医療マーケティング→メディカルコールセンターへ転職しました。
国立大学病院の経営状況について、記者会見で報告していました。
その中で使用されている資料のデータについて考えてみました。
資料データは↓
http://nuh-forum.umin.jp/report/kaigi/pdf/241004.pdf
資料の結論としては、経営が赤字で厳しく、その赤字は人件費によるものが大きいとしています。
自分が気になったデータは、8Pの研究力の相対的な低下についてのデータです。
結論としては、診療割合の増加により研究力の低下が言いたいのだと思います。
1999年~2001年の医学論文数と2019年~2021年の医学論文数・シェアを比較しています。
自分として考えたこと、気になることがありました。(以下メモ書きです)
考えたこと
1.中国の論文数の躍進がすごい
1999年~2001年にはランク外?→2019年~2021年には2位についている。
コロナ禍で医学論文を投稿する学者が増えた。
世界的にコロナが流行、未知の感染症なので興味のあるヒトが増加、それにともない論文数の増加が見られた。
中国でコロナが最初に広まったので、研究が盛んになった。もしくは国主導で研究を進めたのではないか。
2.米国ではコロナ禍で全体の論文数が増加してもシェアは維持できている
コロナ禍で論文数の全体が増えても、シェア1位のまま
論文数は比較で2倍に増加、ほぼ日本と同じ増加割合
気になること
1.比較対象の選定について
コロナ禍前後で比較したい意図があるのか?、それにしても1999年~2001年を基準とした理由がわからない、気になる。
2.診療増加で研究力の低下しているのかについて
結論では、診療増加で相対的に研究力の低下を言っているが、表からは診察の増加データはないので、読み取れない。
あくまでも仮説・推論にすぎないのでは?
3.研究力を論文数で比較することについて
様々な国で協力して研究して論文になることもあり、単一の国の成果としてカウントしてもいいのか。
論文になるまでに、脱落してしまったものがあるので、そこも加味する必要があるのでは?
研究力があるけれど、実際の現場で活かせるような成果になっているのか?それを研究力としてカウントしてもいいのか。
仮説
未知の感染症が出てきたとき、感染症拡大が始まった国での研究が盛んになり、論文数が増加する
日本でも未知の感染症が出てきたとき、日本での研究が盛んになり、日本の論文数が増加する
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