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2024/05/30_薬学部6年制で良くなったのか?、いや全然良くない
病院薬剤師→医療マーケティング→メディカルコールセンターへ転職しました。
大学の学費が爆上げになったのはなぜかという放送回でした。
なかなか族議員や地方の有力者、文科省など様々入り乱れて、暗黒となっていました。
これらの放送を聞いて考えたことを書きます。
自分は、薬学部卒業しています。薬学部は2006年から6年制になり、自分は6年制でした。
薬学部は以前は4年制で他の学部と同じでしたが、なぜか6年制に移行しました。
Gemini AIに理由を確認してみると以下の回答がありました。
6年制移行の背景には、主に以下の理由がありました。
薬剤師の役割の複雑化・高度化: 医療現場における薬剤師の役割は、単に医薬品の調剤・販売を行うだけでなく、患者への服薬指導や医師との連携による服薬管理など、より専門性が高く複雑化していました。従来の4年制教育では、こうした高度な知識や技能を十分に習得することが難しいと考えられました。
国際的な整合性の確保: 欧米諸国では既に薬剤師教育が6年制となっていたため、日本の薬剤師教育制度を国際的に整合させる必要がありました。
薬学教育の質の向上: 教育期間を延長することで、薬学に関するより深い知識や技能を習得できるだけでなく、研究活動や国際交流などにも積極的に取り組むことができるようになると期待されました。
上記の理由で移行になりましたが、理由にあげた内容を6年制にすることで解決できたのかを振り返ってみます。
薬剤師の役割の複雑化・高度化
→医薬品について、希少性疾患など複雑なものが出てきました。ただ、薬剤師としての役割が複雑化・高度化したかといえばそうではないと感じています。
なぜなら、もともとしている業務を拡張しているにすぎないと感じているからです。
病院薬剤師においては、服薬指導といって、入院患者さんへお薬の説明をします。最近では、病棟に張り付いて、病棟担当として勤務することが多いです。
基本的にする業務内容としては大きく変わらず、薬剤師が関与する場面が増えたに過ぎないと思います。
国際的な整合性の確保
→これについても実現できているか疑問です。海外と日本での薬剤師の業務範囲が異なっていることがあります。そのため、6年制にしてもそもそもの業務範囲自体が異なるので、解決にはなりません。
国内で数人程度最近では、留学生を受け入れているように感じますが、それは学生が足りなくなったので、人数合わせでいれているのでは?と感じることがあります。
もともと海外の学生を受け入れることについては、保守的で積極的ではないです。
薬学教育の質の向上
→これについて大きく疑問があります。2年延長して病院実習などの臨床の実習が増えました。ただ、結局は働くようになってから実際に学ぶことが多かったです。実務実習と国家試験対策でだいぶ時間を取られている用に感じます。
教員自体が実務実習の連絡窓口として動員されているのでより忙しくなり、研究どころではないように感じています。そのため、研究自体も教員の手が行き届いていないと感じています。
結局、これらの理想が果たされないまま、大学にかかる費用が爆上げになり、奨学金で借金する学生が増えました。
奨学金を抱えたまま卒業していく学生が増え、薬局などで働きながら借金を返していく。
当然借金を返しているので、現在の生活が豊かになるわけでもなく・・・
、婚期なども遅れるのは当然です。
現在でも薬学部を含め、大学の数が増え続けています。このまま行ってしまうと、本当に大学自体の意味がなくなると感じています。