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[映画] 言の葉の庭/新海誠

すずめの戸締まりが公開中ということで、新海誠さんの映画を見返す回の第2弾として、言の葉の庭を視聴。色々賛否両論はあれど、自分はすごく美しい映画だなと思った。

言の葉の庭君の名は。を映画館で見た直後に一回見ているので、5, 6年ぶりくらいに見たが、見返してみると内容は全然覚えていなかった。まぁ、言の葉の庭は、君の名は。ほど劇的な展開があるわけではないので、当時の自分にはあまり刺さらなかったのだろうなと思っている。

でも、そんな感じだったからかすごく新鮮な気持ちで見れたし、新しい作品に出合った気がして、ちょっぴりお得な気分。

ストーリーとしては、靴職人という自分の夢に突き進んでいる高校生の男の子(秋月くん)と、上手に進めなくなってしまった社会人の女性(雪野さん)の二人が雨の日の公園で出会い、二人だけの時間を重ねていくという話である。

ものすごく大きな展開などがあるわけではなく、ひたすらその二人の時間と移ろいゆく関係性というのを描いていくという映画なのだが、その二人だけの世界の書き方がものすごく良い。

雨の日の新宿御苑の午前中という、その瞬間のその場所にはふたりだけしかわからない世界が存在していて、その世界で現実世界の寂しさを紛らわすようにひたすらお互いを求めあうというのは、まさに「孤悲」の物語としてこれ以上ない美しさが表現されている。

まぁ、その二人だけの世界というのが同時に否定的な意見が生まれてしまう理由なのかもしれないが、我々は何を見せられているんだといった感じで。

それと、お気に入りのシーンはやはり雪野さんの足に触れるシーンかな。
もう、完全にふたりだけの世界というのが極まっており、これって見ても良いシーンなのかなと思いつつも、見入ってしまうくらいには官能的なシーンだし、それがなによりもふたりの関係が繋がったようで美しかった。

作品としては、賛否両論があるのはものすごくわかる。好きな人にはとことん刺さるけど、嫌いな人はとことん嫌いだろうなって思う。そして、大学生の当時の自分としては君の名は。みたいな展開を期待していた分あまりこの作品の良いところも悪いところもわからずふーんといった感じだったんだろうな。

まぁ、でもそのおかげで改めてすごく楽しめたから良かったといった感じ。
すずめの戸締りも楽しみにしたいな。

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