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白衣を脱ぎ捨て治験コーディネーターへ転生し、ようやく見つけた新たなやりがい

こんにちは、あめりです。
今回は、前回の記事の続きを書きたいと思います。

前回の記事をまだ読んでいない方は、前回の記事を先に読んでくださると嬉しいです!

前回までのあらすじ

看護師から転職し治験コーディネーターになったあめり。キラキラOL生活になると思いきや、一ヶ月のうちの90%以上は病院訪問し、白衣を着る毎日。
働く場所は変わらず病院だけれど、求められるものは異なるし、お金はないしで、どうしても前職と比べてしまい、看護師に戻ろうかなと思うこともしばしば。
そんな中、PIや患者さんと着実に信頼関係を築き、看護師とは違った仕事の面白さにも気づき始めた3年目。
あめりはCRC4年目で、どのようなやりがいを見つけるのか!?

白衣転生1話より
スーパーCRCになれるのか!?

と、タイトルに合わせて物語のあらすじ風に書いてみましたが(笑)
今回は、4年目の時の経験について詳しく書いていきたいと思います!

※治験や仕事の投稿は個人の見解に基づくものであり、所属組織およびSMOを代表するものではありません。


CRC転職4年目ー治験薬承認

CRC4年目で、初めて自分が担当していた治験薬が承認されました。4年目にしてようやくです。
CRCになり、数え切れない程の試験に協力者としてアサインされてきました。しかし全ての治験薬が承認されるわけではなく、中には中止になった試験もありましたし、有効性が示されなかった試験もありました。

治験薬の承認は、とても厳しいことを理解していたからこそ、自分が関わっていた治験薬が承認されたと知った時には本当に嬉しかったです。

そのニュースを知らせてくれた担当モニターさんからは、喜びのメッセージと共に、薬事・食品衛生審議会 医薬品第一/二部会の議事録が送られてきました。

当時の私は治験に丸3年関わっているにも関わらず、医薬品が「承認」される時の会議の名前も知らないCRCでした。同じように、知らない人もいらっしゃるかもしれないので、簡単に説明します。

薬事・食品衛生審議会 医薬品部会とは

薬事・食品衛生審議会医薬品部会は、厚生労働省の諮問機関である薬事・食品衛生審議会に設置されている部会で、医薬品の製造販売の承認可否を審議する役割を担っています。
薬事・食品衛生審議会は、研究者や医師、薬剤師などで構成されており、複数の部会にわかれて審議を行っています。医薬品部会では、医薬品第一部会と医薬品第二部会にわかれて審議が行われ、医薬品第二部会では抗菌剤や化学療法剤、抗悪性腫瘍剤、血液製剤、生物学的製剤などの審議が行われます。医薬品第一部会では、それ以外の薬効群が審議されます。

日本の薬事行政2020より

*2024年4月から、薬事・食品衛生審議会は「薬事審議会」に改組され、食品衛生部門の業務は消費者庁に移管されました。

議事録に書いてあったこと

議事録には、病気の概要・治験薬の期待される効能・どういう試験を行い、どの程度の有効性が示されたのか等の概要や、承認にあたり懸念される点の質疑応答の記録が書いてあります。
まるでProtocolを読み直しているような感覚で、夢中になって読みました。

議事録の文章には、私の記憶を想起させるワードがたくさん書いてありました。
検査オーダーが間違っており院内で謝罪行脚しながら過ごした日のこと、同僚に「このEDCのフォームは入力しづらい。」と小言を溢しながらEDCを入力した日のこと、SDVのFBをしながらモニターさんと談笑した日のことなど、沢山甦ってきました。思い出に触れ、

私のやってきたことは、こうやって世の中に昇華されたのだと心が震えました。

自分が入力したEDCだけではなく、EDCを入力するまでに積み重ねてきた検査や院内調整(謝罪)、モニターさんとのやりとりなど、日々の業務の全てがここに繋がっているのだと、胸が熱くなる思いがしました。

議事録を仕事帰りの地下鉄で読んでいたのですが、電車から降りる時には「ああ、治験の世界で働くってこんなに面白い仕事だったんだ。辛いことも沢山あるけど、看護師には戻らないで、もう少し踏ん張ってみよう。」と決意したことは、おそらく一生忘れないと思います。

Author:pch.vector/source:Freepik

1つの薬が承認されて

その後も、自分が担当した治験薬がいくつか承認されました。その時も議事録を読み、治験薬を担当していた日々を回顧し、自分がやってきたことは無駄になっていないことをより確信させてくれました。

治験薬が承認される嬉しさをさらに言語化するならば、
自分たちがProtocolというバトンを依頼者から受け取り、それを医療機関側でデータとして作り上げ、そのデータをまた次へとパスしていくこの1つの「」が承認というゴールまでずっと続いていることを感じさせてくれるからだと、私は思っています。

もし、CRCやCRAの方の中で、議事録を読んだことがない方がいらっしゃいましたら、是非読んでみてください。きっと、自分が渡したバトンのその先が見えると思います。

治験薬承認までの道のりは自分の想像よりもずっと長いのだろうな

終わりに

いかがだったでしょうか。
看護師からCRCへの転職は、自分の想像以上に苦労した部分もありましたし、看護師に戻ろうかなと思うことも何度もありました。
迷いながらもCRCを続けていくうちに、少しずつCRCの仕事の面白さに気づいていき、今はCRCになって良かったと思っています。
育児休暇後、これからのキャリアをどのように形成していくか未だはっきりしていませんが、叶うならば治験の世界で邁進していきたいと思っています。

今回紹介したことだけが治験の仕事の面白さ!というわけでは勿論ありません。けれども、CRCとして働く面白さが少しでも誰かに届いていればいいなと思います。

2記事に渡る長文記事となってしまいましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました!

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