病院巡りは、必要なプロセスだった
彼の体調不良は18歳の今も続いています。
しかし、今は自分の体の扱いを知って
体調管理が上手くできているので
やりたいことが出来ている様です。
症状は、不眠、不安感、血圧の低下、めまい
動悸、脳貧血、手の震え、下痢、倦怠感、頭痛・・・
ざっと思い出すだけで、これくらい有ります。
血液検査は一度も異常になったことがありません。
心電図やレントゲンも異常は認められませんでした。
鍼灸、カイロプラクティック
総合診療科、小児科を合計6件受診しました。
飲んだ薬も、漢方薬、サプリメント、抗アレルギー剤
血圧の薬、吐き気止め、整腸剤を試しました。
精神科、向精神薬、抗不安薬などは
本人がフリースクール時代に同級生から聞いた
体験談から、取り入れないことに決めたようで
診察も服薬も受けていません。
彼が出した答えは
「病院の先生は皆、同じことしか言わないし
実際にやってみても、完治はしなかった。」
「だから、治ることを待っていても
いつまで経っても、やりたいことが出来ないのなら
このままの自分で生きていく。」でした。
その頃から、エド・シーランの曲や人生に興味を持ち始め
イギリスに憧れを持ち
ブレイディ・みかこさんの著書を読み漁っていました。
抑圧的な社会構造、障がいや女性差別、人種差別に関して関心を持ち始めました。
そうして、彼の目標は「イギリスに行く」ことになりました。
ざっと上げても、不眠、不安感、血圧の低下、めまい
動悸、脳貧血、手の震え、下痢、倦怠感、頭痛
これだけの症状がある人が、学校もほとんど行かず英語も話せず
どうしたら、こんな結論になったのか・・・。
でも、私には経験がありました。
生きる気力を失った私が、人との出会いから看護師を目指し
その夢に向けて、楽しんで生きるようになれることを
知っていました。
もちろん、イギリスに行くまでの準備には半年ほど
時間を要しました。
留学をサポートしてくれるエージェントを探す
そこから既に困難がありました。
「学校も行けない人が、留学なんていけないでしょ」
そう言われ、面談の度に肩を落として帰ってきました。
エージェントは地元から全国に広げて探すことにしました。
そして、一件見つけることができ
留学することを叶えました。
イギリスに留学すると決めてから
彼の体調は、どんどん落ち着いてきました。
症状が消える事はありませんが
彼自身が体調を察知して、対応していくことで
酷くなることは一度もありませんでした。
自分に関するほとんどを自らが管理し始めました。
食べるもの、量、体重、運動を適切に選択して行きました。
さらには、洋服の素材から、寝具に至るまで
快適なものを選ぶようになりました。
病院巡りは一般的に良くないと言われていますが
私たち親子には、必要だったとすら思います。
自分の人生を自分の力で創っている、その様子は
そばで見ていて、とても力強く頼もしく感じています。
不登校時代に、学校から精神的に敏感、弱い、神経質など
ネガティブな言葉を掛けられてきました。
実際は違うと私は思います。
それは単なるイメージに過ぎません。
環境や心の準備が整えば、いつでも社会へ飛び立つことができるのです。
それは、育つ環境、その子が持っている性質もあるでしょう。
社会が求めるペースとは違うかも知れません
与えられた環境ではないかも知れません
それに気がつき、動き始める日が必ずやってくると思います。
現在息子はイギリスから一旦帰ってきて
去年、コロナ禍の隙を突いて、二度目のイギリスに行きました。
イギリス行きに関しては、一度目も含めて彼の意思とそれを取り巻く全てが
彼を応援するかのように動き出しました。
私は、それをまじかで見れる立場であったことが
とてもラッキーだと思います。
その姿に、私自身もまた勇気づけられているのでした。