「1100日間の葛藤」尾身茂
新型コロナウイルスに対する新型インフルエンザ等対策推進会議の議長として献身されてきた尾身氏自身による貴重な記録であり、後年発表されるであろう政府の公式的な記録とは違い、生々しい議論や決断の過程も含めて記されている。
私は本書をリーダーシップの本として読んだが、読者にとってどう読むかは人それぞれだろう。
ただ一つ言えることは、他国(例えば米国。「最悪の予感 パンデミックとの戦い」マイケル・ルイス著等に詳しい)のような悲惨な状況に日本が陥らなかったのは、尾身氏ら専門家会議の非常にプロフェッショナルかつ献身的な活動があったことが一つの理由であることは間違いないだろう。
本書を多くの人が手に取り、自らの言動を省みつつ、著者らの活動が再評価されることを願う。