第6話 Appleの未来 アップルは、「EVとウェアラブル・保険・金融の総合会社」に変換されていくのか?

第6話 Appleの未来 アップルは、「EVとウェアラブル・保険・金融の総合会社」に変換されていくのか?

どうも、えづれです。「GAFAMの未来連載シリーズ」です。

Appleは2021年の現段階で「主力商品」はiPhone・iPadそして各種Mac製品(MacBook Pro、iMac等)、そしてウェアラブルのApple Watch、AirPodsやヘッドフォンです。
Appleの創業当初の歴史から、「世界中の家庭のためのパーソナルコンピューターを売り続けている会社」という部分は全く変わっていません。
ただ、そのあまりのプロダクトへのこだわりとして、独自のOS Macintoshの設計・開発に成功し、あまりの高額な製品なために売れなくなったことがあります。
しかし、その投資が結果的に現在まで続く世界最高のソフトウェア・ハードウェアデザイン統合につながっています。Mac、そしてジョブズがやめて創業したNeXTのOSがなければ、「iPod」も「iPhone」もなかったのです。

Appleはいうまでもなく、MacやiOSを他のWindows機やAndroid機、Chrome機で使わせてはくれません。Appleの売るハードウェアと、最高の消費者向けデザインとセットでよろしくね、なのです。

当然、このアップル独自の「クローズド設計思想」は今後発売される「ウェアラブル」のAppleGlass(仮)やEV・AppleCarでもそうでしょう。MacOSなのか、iOSやiPadOSのように独自のソフトウェア設計するのかはまだ未定ですが、Apple製品を持つことでシナジーが生まれるよう設計されるはずです。

Appleが生み出したい世界観は、やはり「教育とクリエイティブなプライベート」です。
iPhoneやiPadがその典型ですが、ビジネスユース向けにバッキバキ高性能なソフトウェア・マシーンを作る会社というより、「使いごこちがよく、満足感とクリエイティブな生産と消費ができうる」ユーザー体験を徹底的に追求してきました。

・近年最強のヒットプロダクトとしての「AirPods」

Appleが産んだ近年最高のヒット製品は「エアーポッズ」です。
原価は一個おそらく300円〜700円程度で、14000円以上で売れる製品です。
販管費を入れても、おそらく粗利的に60%以上の高利益率の高付加価値製品です。このように「目利き」と「粗利高い製品」が極めてうまいのがアップルです。

・Appleが今後目指すのはやはり、「SONY」?

Apple創業者のスティーブ・ジョブズの言葉に、
「パーソナルコンピューター界のSONYになりたかった」があります。
SONYは今でこそ、なんでも手を出す総合的なエンタメ・音楽・映画・センサー・金融の企業ですが、やはり当初はトランジスタラジオ、そして何といっても「ウォークマン」と「CD」で世界の企業に成長することができました。
そして、Appleが倒産しかけた時、ジョブズがAppleを再定義したのは、やはり「パーソナルデバイス」=「i」の概念でした。

そして、Appleはマイクロソフトの9割の市場シェアと戦うのではなく、元来世界一市場シェアを持っていた「教育用」市場で再起をかけて戦いを挑み、iMacによって復活したのです。

「iPod」で音楽産業を根本から変革し、「iPhone」で、世界中の人がスマートフォンやモバイルコンピューターをポケットやバッグに入れるようになったことは今さら説明するまでもありません。

そんなAppleの未来を考えると、やはり、未来のAppleは「SONY」になりたいのではないかと考えています。もはやAppleはSONYの何倍もの巨大な企業ですが、Apple自体が0から作り出したマーケットというのは、パーソナルコンピューター市場しかありません。
MP3プレイヤーにしても、スマートフォンにしても、タブレット端末にしても、スマートウォッチやワイヤレスイヤフォンにしても、Appleが「成功」した時はすべて後発参入、「後出しジャンケン」なのです。

Appleも音楽プラットフォームであるApple MUSICや映像配信であるAppleTV +を始めましたが、後者はうまくいっていません。ゲームのAppleArcadeも、やはりあまりうまくはいっていません。
とくにゲームは名実ともに「世界一」であるSONYの方が圧倒的に優勢でしょう。

・なぜ巨大になったAppleはSONYを目指すのか?

Appleにとって、「AppleCar」という「EVハードウェア参入」で起こることに、バッテリーマネジメントシステムの普及化があります。

Appleにとっては、TeslaやGoogleのWaymoなどによるEV化と自動運転化は、「もっともっと頑張ってくれ」という段階だと思います。後発で模倣し、沸き起こる問題点Apple独自のデザインによって、ソフトウェア・ハードウェアともにApple独自設計のリッチ端末に変えてしまえばいいのですから。

もう一つは、やはり「未来のクルマ」の操作性、操作UIデザインのデファクトスタンダードはまだ最適化されていない、ということです。

ハンドルなのか、ハンドルは消滅するのか?

タッチパネル式のタブレットで操作したり、ナビを案内するのか?


シートはそもそも今の人間工学のシートでいいのか?
音声や車内で見れる映像消費のクリエイティブ体験はこれでいいのか?

これらは、自動車産業にとっても、「永遠の難問」ばかりです。Appleが参入して変革できる高付加価値の方が大きそうです。

AppleCarについて、いろんなところで喋ったり議論していますが、
結局Appleが実物ハードウェアやソフトウェアのUI/UXを出すまではわからないのが現実です。

ただし、初代はiPhone3GSと同じで、「しょぼい」でしょう。

2028年「なんだ、Appleといっても、こんなEVか。」

2029年「お、凄い消費体験、なんだタッチパネル操作に、高速だけだけれど、自動運転つくのね。バッテリーも20時間持つようになった。」

2030年「え、車内でバッテリー耐久40時間?泊れんじゃん。そして、HDDストレージに最高の音楽や映画を記録できて、そして教育やコンテンツの送受信もできるの?凄いクルマだな...」

2031年「今年のAppleCarは、全自動運転性能高いのかよ!」

2032年(ちょうど10年後)「え、車内だけで買えるiCarOSのアプリ市場でこんなこともできるの!マジ、AppleCarモデル5は、ハンパねークルマだな...」

2033年「すっげーデザインかっこいい。センサーもすげぇ...AppleのEVだけ別格だ...。」

2034年「シェアは10%しかないけど、俺はAppleのクルマがいい。」

2035年「Appleのクルマだけは、どんな高い価格でもいいから欲しいね。」

このように、だんだんとiPhoneの時と同じように、「高価格」の「高級ブランドEV車」にApple独自でEVをブランド化路線に、切り替えていくのかもしれません。

ここらへんまではなんとなく、これまでの流れからいっても、予測できます。

・アップルのEV参入の真の狙いは「保険」販売?

しかし、Appleの「EV参入」の本当の狙いは「保険」だと考えています。
Appleは「AppleCare」という独自の製品保険を売ってきましたが、
いよいよこれらが「EVデバイス」の時代には、Appleの本質的な主力製品に踊り出す可能性が極めて高いからです。

実は車両保険や生命保険のイノベーションを起こしている会社はまだ多くはありませんし、テック企業でもその「保険産業の規制」のために参入できている事業者は少ないのです・
そして、世界の交通が最適化されたEVによって、交通事故の大幅な減少および、「車維持のメンテナンス・コスト」は極めて少なくなります。

あらゆる会社が、本当に売りたい商品はやはり「保険」でしょう。
「在庫」も「物流サプライチェーンの途切れること」もなく、高値で売り続けられます。
「保険」という商品は、Appleが毎年抱える「不良在庫リスク」のある「ハードウェア製品」とは全く違います。

SONYもまたかつてソニー保険(現・ソニー損保)という「保険」会社を盛田昭夫は作りました。
そのおかげで、2010年代の経営の危機においても倒産することなく、SONYブランドを事業継続させ続けています。保険事業のためにゲーム、音楽や映画などのともすると「浮世とトレンド」によってどうなるかわからない事業に投資し続けられるのです。

AppleもSONYの後追い企業として、「保険・金融」に手を出すことは自明の理ですから、どうにかして保険・金融ビジネスに形を変えて参入してくるはずです。表からのドアを叩いてくるかどうかは不明ですが。


Appleは結局のところ、10年後も、20年後も「教育」がメイン市場です。
地球上で最も教育システムをMacを通じて供給し続ける会社であることは変わらない。
その上で、さらに「クリエイティブの各種ライフツール(EV、PC、モバイル、ウェアラブル)とサービス、保険」がビジネスの本質になっていく可能性が高いと見ています。

今日はこんなところです。

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