983 Guardianが選ぶ21世紀最高の本トップ100(の邦訳リスト)
こんなブログがあった。引用転載する。
Guardianが選ぶ21世紀最高の本トップ100(の邦訳リスト)
Guardian が21世紀最高の本100冊を選んでいるので、その邦訳リストを作ってみた。やはり小説が多いのだが、評論やノンフィクションも入っている。
リストを見ての感想は、Guardian は確か映画についても同じ企画をやってたと思うが、それと同様に「21世紀」というくくりなのに2000年発表の作品がいくつも入っていて、正直「バカ?」と思うが、まぁ、もちろん分かってやってるんでしょうけど。
あと翻訳者が原作者と同じ文字サイズでクレジットされているのが目を引いた。欧米って翻訳者にはあまりスポットが当たらないという話を以前聞いたものだが、そのあたりの意識にも変化があるのだろうか。翻訳者がクレジットされるということは、もともと英語で書かれていない作品もそれなりに入っているということだが、先にちょっとバラしてしまうと、日本国籍の作家の本は一冊も入っていません。
それでは以下、トップ100リストをどうぞ。
ヒラリー・マンテル『ウルフ・ホール』(asin:415209205X、asin:4152092068)
マリリン・ロビンソン『ギレアド』(asin:4400640019)
スヴェトラーナ・アレクシエーヴィッチ『セカンドハンドの時代 「赤い国」を生きた人びと』(asin:4000611518)
タナハシ・コーツ『世界と僕のあいだに』(asin:4766423917)
アリ・スミス『秋』(asin:4105901648)
デイヴィッド・ミッチェル『クラウド・アトラス』(asin:4309206115、asin:4309206123、asin:B00C4TUDRK、asin:B00C4TUDQQ)
チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ『半分のぼった黄色い太陽』(asin:4309205518、asin:B079DPLFR9)
エレナ・フェッランテ『リラとわたし』(asin:4152096985、asin:B073S4BSRG)
フィリップ・ロス『プロット・アゲンスト・アメリカ もしもアメリカが…』(asin:4087734862)
バーバラ・エーレンライク『ニッケル・アンド・ダイムド -アメリカ下流社会の現実』(asin:4492222731)
サラ・ウォーターズ『荊の城』(asin:4488254039、asin:4488254047、asin:B00WZBKY2G、asin:B00WZBKXUY)
エリザベス・コルバート『6度目の大絶滅』(asin:4140816708、asin:B00VESYKDU)
ジョナサン・フランゼン『コレクションズ』(asin:4151200649、asin:4151200657)
ケイト・アトキンソン『ライフ・アフター・ライフ』(asin:4488016758、asin:B087X8JXG4)
ユヴァル・ノア・ハラリ『サピエンス全史 文明の構造と人類の幸福』(asin:430922671X、asin:4309226728、asin:B01LW7JZLC、asin:B01LVTWOVT)
ジョージ・ソーンダーズ『十二月の十日』(asin:4309207863)
アンドリュー・ソロモン『真昼の悪魔―うつの解剖学』(asin:4562036540、asin:4562036559)
ジェニファー・イーガン『ならずものがやってくる』(asin:4151200827)
サリー・ルーニー『Normal People』
キャロル・アン・ダフィ『Rapture』
カール・オーヴェ・クナウスゴール『わが闘争』(asin:4152095628、asin:4152097434、asin:B015SSE0V8、asin:B0798PDW83)
コルソン・ホワイトヘッド『地下鉄道』(asin:4152097302、asin:B077ZTLJ5T)
マギー・ネルソン『The Argonauts』
シッダールタ・ムカジー『がん‐4000年の歴史‐』(asin:4150504679、asin:4150504687)
アリソン・ベクダル『ファン・ホーム ある家族の悲喜劇』(asin:4796877118)
レイチェル・カスク『愛し続けられない人々』(asin:4886114776)
エドマンド・ドゥ・ヴァール『琥珀の眼の兎』(asin:4152092521)
アン・エンライト『The Green Road』
ゼイディー・スミス『ホワイト・ティース』(asin:4105900234、asin:4105900242)
ジョーン・ディディオン『悲しみにある者』(asin:4766418700)
クラウディア・ランキン『Citizen: An American Lyric』
レベッカ・ソルニット『暗闇のなかの希望 非暴力からはじまる新しい時代』(asin:4822805964)
ジュリアン・バーンズ『人生の段階』(asin:4105901362)
ジャネット・ウィンターソン『Why Be Happy When You Could Be Normal?』
マーガレット・アトウッド『オリクスとクレイク』(asin:4152091819)
コルム・トビーン『ブルックリン』(asin:456009022X)
アンドレア・レヴィ『Small Island』
ピーター・ケアリー『ケリー・ギャングの真実の歴史』(asin:4152085231)
メアリー・ビアード『舌を抜かれる女たち』(asin:4794971648、asin:B08BC8M7LM)
マイケル・ポーラン『雑食動物のジレンマ──ある4つの食事の自然史』(asin:4492043527、asin:4492043535)
ロバート・マクファーレン『アンダーランド: 記憶、隠喩、禁忌の地下空間』(asin:4152099798、asin:B08NDTMHKP)
マイケル・シェイボン『カヴァリエ&クレイの驚くべき冒険』(asin:4152083794)
トニー・ジャット『ヨーロッパ戦後史』(asin:4622073412、asin:4622073420)
アン・カーソン『The Beauty of the Husband』
アリス・オズワルド『Dart』
ヘレン・ガーナー『グリーフ』(asin:4773818131)
エドワード・セント・オービン『パトリック・メルローズ4: マザーズ・ミルク』(asin:4152098317、asin:B07N2GH7DP)
レベッカ・スクルート『不死細胞ヒーラ ヘンリエッタ・ラックスの永遠なる人生』(asin:4062162032)
スティーヴン・キング『書くことについて』(asin:4094087648)
ギリアン・フリン『ゴーン・ガール』(asin:4094087923、asin:409408830X、asin:B01CCWC9FM、asin:B01CCWCA4W)
カルロ・ロヴェッリ『世の中ががらりと変わって見える物理の本』(asin:4309253350、asin:B0791BLN6X)
ゾーイ・ヘラー『あるスキャンダルの覚え書き』(asin:4270100990)
クリス・ウェア『世界一賢い子供、ジミー・コリガン』(asin:4903090086、asin:4903090094、asin:4903090108)
ショシャナ・ズボフ『監視資本主義: 人類の未来を賭けた闘い』(asin:4492503315、asin:B093KFTV53)
バーバラ・デミック『密閉国家に生きる―私たちが愛して憎んだ北朝鮮』(asin:4120042456)
セバスチャン・バリー『Days Without End』
ダニエル・カーネマン『ファスト&スロー あなたの意思はどのように決まるか?』(asin:4150504105、asin:4150504113、asin:B00ARDNMEQ、asin:B00ARDNMDC)
ユリ・エレーラ『Signs Preceding the End of the World』
N・K・ジェミシン『第五の季節』(asin:4488784011、asin:B089D3HZ53)
リチャード・ウィルキンソン、ケイト・ピケット『平等社会――経済成長に代わる、次の目標』(asin:4492223029)
ヴァレリア・ルイセリー『Tell Me How It Ends』
デボラ・レヴィー『The Cost of Living』
ヤニス・バルファキス『黒い匣 (はこ) 密室の権力者たちが狂わせる世界の運命――元財相バルファキスが語る「ギリシャの春」鎮圧の深層』(asin:475034821X)
パトリシア・ロックウッド『Priestdaddy』
マロリー・ブラックマン『コーラムとセフィーの物語―引き裂かれた絆』(asin:4591083519)
ローナ・セイジ『バッド・ブラッド―出自という受難』(asin:486029162X)
ジェニー・エルペンベック『Visitation』
M・ジョン・ハリスン『ライト』(asin:4336050260)
ヘレン・ダンモア『包囲』(asin:4336056358)
ニコラ・バーカー『Darkmans』
マルコム・グラッドウェル『急に売れ始めるにはワケがある ネットワーク理論が明らかにする口コミの法則』(asin:4797338121)
ハニヤ・ヤナギハラ『A Little Life』
J・K・ローリング『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』(asin:4863892365、asin:4863892373、asin:4863892381)
スティーグ・ラーソン『ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女』(asin:4151792511、asin:415179252X、asin:B009DEMOZI)
アラン・マバンク『Broken Glass』
ノーラ・エフロン『首のたるみが気になるの』(asin:4087607348)
さて、皆さんはこの100冊のうち何冊をお読みだろうか?
ワタシの場合は、カズオ・イシグロ『わたしを離さないで』、イアン・マキューアン『贖罪』などごく少数だったりする。たまたまこの二作の名前を出したから書くが、『わたしを離さないで』を語る際にネタバレしていいか問題がよく言われるが、カズオ・イシグロ自身、別に設定を語ってもかまわんよと言っていたはずで、というかまともな読解力があれば、読みだして直に見当がつくと思うのだ。
そうした意味でイアン・マキューアンの『贖罪』のほうがよほどネタバレ厳禁な作品だと思ったね。ワタシはうっかりそれを知ってから読んでしまったのだけど、それがなかったら第三部の最後で仰天しただろう。まぁ、それでも最終章はそうなるんだ、とかなり驚いたけど。
このリストの中でもっとも最新の作品は、ショシャナ・ズボフ『監視資本主義』なのかな。