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FE風花雪月雑記 ~考察:フォドラ高位貴族たちの葛藤~

ヒルダちゃんのお誕生日イラストを描いていて、この子って実はシルヴァンより闇深いんじゃないかな~と思ってしまい、そこから色々考えたのでちょっとまとめてみます。
かねてより、王国貴族周りのあれこれを考えていたこともありましたので、その辺も形にできればと思っています。

※以下、ネタバレしかないよ!
 主に蒼月と翠風、DLC前提での話をしています。

上位貴族とは

先に、少しだけ一般的な貴族階級をまとめてみます。
これは、私自身も受け売りですがざっくりとえらい順に書き出してみましょう。

王家/皇家 国のトップ
公爵    王家/皇家の姻戚とかすごく功績を残している家柄
侯爵    上位貴族
辺境伯   侯爵と同一、または近いもの
      国境を守る家柄ゆえ、王/皇帝との信頼+相応の戦力が必要
伯爵    ここまでが上位貴族(王家と結婚できる)らしい
子爵    下位貴族
男爵    貴族と呼べる中では最低ライン
騎士爵   厳密には貴族ではない 一代限り

風花雪月の生徒で「貴族」に入るのは、ほとんどが伯爵以上の上位貴族です。下位貴族なのは男爵家に連なるアネットちゃんくらいでしょうか。

というか、アネットちゃんは男爵家の姪であって実父のギュスタヴは良くても騎士爵(それですらない可能性の方が高い)なので、厳密には貴族と呼んでいいか怪しいです。アッシュの養父ロナート卿も恐らくは騎士爵…よくて男爵と思われるので、その養子のアッシュはやはり名実ともに「平民」が正しいのかもしれません。(正確なところはわかりません)

今回は、主に公爵家と辺境伯家にスポットを当てます。

シルヴァンくんとヒルダちゃん

せーんせ(闇)と(光)といわれるヒルダちゃんとシルヴァンくんですが、10代の子の振る舞いとしては、ヒルダちゃんの方が闇が深いように個人的には感じています。

まず、この2人の基本的な立場は非常に似ています。

シルヴァンは実家の爵位のとおり「辺境を守る家柄」で、戦いに優れた遺産と紋章を持っています。
ヒルダの実家は公爵ですが、同じく辺境の要地を守る家柄です。
ともに高位貴族、しかも要地を守るそれなりに厳格な家でそれなりに厳格な教育を受け、周囲からの期待を受ける一方で常に厳しい評価にさらされています。
どちらにも(程度の差はあれ)優秀なお兄さんがいますが、家紋の紋章を持っているのは自分であるため、家を継ぐかはともかくとして将来は国/同盟に貢献することが求められています。

期待に応えるほかないシルヴァン

シルヴァンは、本編ストーリーでもがっつり語られている通り、本来の嫡子だった兄マイクランが廃嫡された上に亡くなっており、ゴーティエ家を継ぐしかない状況にいます。エンディングでも、道がぶれることのない(実は数少ない)一人です。

経歴を見ると、シルヴァンが17歳のときにマイクランが「廃嫡」されています。
廃嫡とは「継承権の第一位(=嫡子)から外れる」ことを指し、元々第二位以下だった人には使われない言葉です。ゆえ、それまでは一応マイクランが次期当主でシルヴァンはそうではなかったことがわかります。(勘当とも違いますので、廃嫡された時点で本当の意味でゴーティエ家の人間で無くなっていたかは不明です)

シルヴァン自身が「基本的に紋章持ちじゃないと家は継げない」と言っているのですが、紋章の有無は生まれてすぐにわかっていますから、シルヴァン17歳(=マイクラン自身はおそらく20代で、立派な大人)までそのままというのは、後から替える前提にしてはちょっと長すぎます。仮に遺言などを残す間もなくゴーティエ伯が亡くなったら、マイクランが当主になってしまうと思われますので。
シルヴァン自身が年齢の問題などで直ちに当主になれないとしても、最終的な家督継承をシルヴァンにさせる気であるならシルヴァンを嫡子にしてマイクランを後見人に、などもできたわけです。
そうではなかったということは、この時点では名実ともにマイクランが次期当主と考えるのが自然で、即ち紋章の有無ひとつで当主を決めたわけでもなかったのではないか、と想像します。

しかし、シルヴァンの生誕を契機にマイクランが冷遇され、シルヴァンが非常にかわいがられたとも言われていますので、どうも矛盾があるように感じます。
もしかして、実は当主になるよりももっと良い待遇があったのでは・・?と思いつき、そこをもう少し想像してみることにします。

そこでとっかかりになるのは、ディミトリ王子のご友人にシルヴァンが選ばれているという点です。年齢が近いからともいえますが、王子にはもっと年齢の近いフェリクスがいますし、「辺境伯家の代表として」であればマイクランを教育係とかにしても良かったわけです。
それでもシルヴァンをその枠に収めたということは、王家と公爵家との親交を深く(それこそ、ランベールとロドリグのように、親密に)して国の中枢に関与させようとしていたのではないでしょうか。王国領主は基本的に自領で暮らすということですが、ちょうど王国は何らかの政変にある頃でした。スレンとの関係も落ち着いている時期であることは先生との支援Aでも触れられていましたので、より優秀な息子を中央に置きたいという考えも十分あり得ます。辺境でクソ寒いゴーティエ領の主よりも、王都で国家運営に直接携わる方がステイタスとしては高いまであったかもしれません。

そんなシルヴァンは美形の類ということもあって、社交界では一番人気だったのではないでしょうか。公爵家なんておいそれとは嫁入りできない上にフェリクスはあんな感じですし、シルヴァン自身が当主にならないということは、若いうちは王都でぬくぬく過ごせて、紋章持ちの子どもが生まれたらその子が次代当主で老後も安定ってことですので・・。
もちろん、マイクランの子が紋章持ちになる可能性もあるわけですが、恐らくは、シルヴァンの子の方が紋章を宿す可能性は高いでしょうからね。

また、「破裂の槍」で使用できる裂空とゴーティエの紋章の組み合わせは威力面では破格なので、純粋な戦力として相対的に他家の紋章よりも尊ばれたものだと思います。貴族階級という紋章持ちが多い環境に身を置いている中で、なおもシルヴァンが自分の血を特別視しているのはその辺の影響もあるのかな・・と想像します。(そう思うと、彼の「技」が低めなのは最後の抵抗にも思えてきますね・・)

破裂の槍の使い手こそをゴーティエ領に置いておくべきだろうという考えはもちろん、素行の悪いマイクランではなくシルヴァンを当主にという声も大きかったでしょうから、この兄弟の配置をどうするのがゴーティエ家、ひいては王国の利になるだろうという議論が続いていたのだと考えます。
家を継ごうが継ぐまいが、どっちにしたって「自由」なんかではなかったんですね。

とはいえ、本当に王都勤めの話があるなら本編中でシルヴァン自身が口にしてないのは違和感があるので(幼少期から当主になることが「決まっていた」とも、実は言っていないんですが)、マイクランは早々に見切りをつけられていて、廃嫡の理由や処分先をずっと検討されていただけ・・というのが実態かもしれません。

物語全体での語り口から「紋章がないので廃嫡された」という説明になっているのは確かですが、本稿では「なぜ17歳での廃嫡だったか」をメインに考え、最終的な廃嫡理由は素行不良と仮定しています。紋章がない→廃嫡、ではなく、紋章がない→冷遇される→グレる→廃嫡というイメージです。

期待はさせないヒルダ

かたやヒルダは、本編中でも徹底的に「期待はされたくない」「怠け者」というキャラクターを前面に出してきます。

[ヒルダ]
で、当然、親は兄さんに期待するしー、
兄さんもそれに応えようと頑張ってる。▼
だーれも、あたしになんて期待しないし、
面倒なことは全部、誰かがやってくれた。▼
そういうのが当たり前だと思って
生きてきたから……▼
《選択》

期待されるのが怖い?
「期待されるのが怖い?」を選択
[ヒルダ]
まあ……期待に応えられなかった時の
ことを考えると、ゾッとしますし。▼
兄さんを見てきたから知ってるんです。
そんな時、周りがどんな反応をするか。▼
勝手に期待して押しつけて、失敗すると
がっかりした顔でこう言うんですよ。▼
あーあ、期待外れだったなって。そういう
時の兄さんは、すごくつらそうだった。▼
ね、だからあたしには何も期待しないで。
応えるつもりもありませんからー。▼

かわき茶亭 支援会話 主人公 ヒルダ支援A

「だーれも、あたしになんて期待しないし」と言ってはいるものの、「期待をされないように振る舞ってきていた」が正解なのではないかと思います。

外伝も「(ホルストがいる予定だけど)父親があんまりやる気ないから呼ばれた」なので、まったく期待されていなければ声はかからないでしょうし、士官学校にも入らないでしょうしね。

フライクーゲルを渡された際に「適合する紋章を持っている」という言い方がされているので、ホルストは適合しない紋章持ちという可能性が高いと考えています。公爵家の血筋的に違和感がないのは、リーガン、ダフネルあたりでしょうかね。
ホルストはおそらく幼少期から優秀で次期当主として申し分ないと思われていたと思いますが、ヒルダがゴネリルの紋章を持って生まれてきたとき、やはりどちらを当主とすべきか議論にはなったんじゃないかと思います。「家督も辞退する勢い」という表現もあることから、実際にヒルダに譲られてもおかしくない立場なのでしょう。(あり得ないことならば、そもそもこんな言い方にならないはずなので)

本編時点でのヒルダに求められているのは、やはりゴネリルの紋章を次世代に残すこと、いざというときにはフライクーゲルを振るって同盟のために戦うこと、加えて本編での立ち回りを見るに、盟主の支援が主だったのではないでしょうか。

すると、現状は兄が次期当主で下の子を中央寄りに配置し、どちらかよりベターな方に挿げ替えできるという、ゴーティエ兄弟と似通った状況であったことが推察されます。

しかしここでヒルダちゃんは、持ち前のかわいらしさを武器に「何にもできない女の子」を演じます。どれだけの人に本気で通じているかはわかりませんが、少なくとも表面上、ヒルダに期待をする人はいなくなったようです。

これは、風花雪月の時代設定を踏まえても女の子だからこそできた芸当でしょう。
シルヴァンが同じ振る舞いをしたら、紋章持ちの次男で無能ということでただの種馬としてどこかに幽閉されてもおかしくありません。恐らくヒルダもあまりに無能だと身が危ないことはわきまえていて、「やってやれないことはない」程度の能力は見せています。
また、リシテアとの支援等でかなりしっかりした淑女教育を受けているだろうことが描かれ、ツィリルの言い様からゴネリル家が決して寛大なだけの家ではないことも示唆されています。恐らくは周囲の様子を窺いながら、期待はされないが見放されもしない言動をしてきたのではないでしょうか。

本当に期待されていない貴族の次男坊=カスパルを見て「自由に生きたい」と口にしながら、今が最後の自由だと考えている。その辺は、士官学校生活をモラトリアムだと称したリンハルトと似た感覚かもしれません。
(それこそ、シルヴァンも「士官学校を出たら・・」という話をしますね)

似たもの同士

置かれている境遇が基本的によく似ており、周りをよく見て先回りすることを処世術としてきたのも同じです。
片や期待どおりに、片や期待されないように動くという点では異なりますが、この2人の支援会話はそこのネタばらしをするだけで終わります。

支援Bまでとはいえやたらとドライですが、これはこれでいいかなぁ、と思える関係性ですね。

シルアネなんかはシルヴァン自身の言葉通り、タイミング次第ではペアエンドの可能性もあったのかなぁと思えてちょっとほろ苦くて好きなんですが、この2人のとりつく島がない感じも好きです。

結論:闇度合いはどっちもどっち

ホルストとマイクラン

実は持ってたホルスト

ヒルダの兄、ホルストは姿こそ登場しませんが名前の登場回数はかなり多いです。ヒルダ曰く「身内の贔屓目なしで、強くて賢くて優しくて……完璧な人。」であり、そのうえ妹を溺愛し、お茶目なところもあるというプレイアブルだったら扱いに困るスペックの持ち主。

そんなホルストですが、先述のとおり、ゴネリルの紋章ではなくリーガンかダフネルあたりの紋章を持っている可能性が高そうです。

カロンは王国系なのでなさそう。グロスタールは帝国寄りかつ魔導に優れた家門なので、武力で首飾りを守るゴネリル公爵家の本家筋っぽくないし、仮にあったとしてもホルストのイメージには合わないですね。
さらに言えば、クロードとの競合がなさそうなのでリーガンでもない=ダフネル・・?という気がします。
アビスの書物を踏まえると、ブレーダッドの可能性もありますね。ホルストの評価を考えても案外アリかもしれません。

もちろん、ホルストの立場としてはフライクーゲルに適合するゴネリルの紋章を持っていることが最も望ましいですが、紋章持ちが少ない今、なんでもいいから紋章を持っていれば一旦はそれで及第点ではないかと考えられます。

また、ヒルダの支援会話でホルストからの手紙の内容が知らされる場面がいくつかありますが、その内容からもかなりの人格者であることが想像されます。フォドラでも有名な武人であり、これはもう、完全に「持って」ます。

両親や周囲の期待を一身に受け、ときにその期待に応えられずにつらい思いをすることもあり、そしてきっと、ゴネリルの紋章を持ちながらニコニコと怠け者の皮を被っている妹を憎らしく(あるいはうらやましく)思うこともあるでしょう。何なら次期盟主にという話が浮かびつつもそれがクロードの登場により立ち消えているわけですから、相当紋章に振り回されている人物だと言えます。

しかし彼には、似たような立場でアダルブレヒト家の嫡子バルタザールという友人がいました。事情はすべて知らないまでも、何かの紋章を持っているけど生まれの問題で弟に家督を譲り、出奔せざるを得なくなったことまでは把握しているはずです。似たような苦労をしている友がいるというのはとても心強かったと思います。

そしてなんだかんだ言ってもヒルダはめちゃくちゃ可愛かったと思いますから、まずはこの可愛い妹を守ってやらねば、という思いもあり、すべての結果として、同盟やフォドラのために為すべきを為す、立派な貴族でい続けることができているのかもしれません。

持たざるマイクラン

一方でシルヴァンの兄マイクランが「持たざる者」であることは、シルヴァン外伝のタイトルにもなっており、風花雪月のストーリー全体でも非常に象徴的です。

単体での戦力やある程度の指揮統率力、戦術眼、部下からの人望はあったと思いますが、一言で言うと人格に難がありすぎてすべてを台無しにしています。

それもそのはずで、彼はシルヴァンが生まれたときから、なぜか嫡子でありながら冷遇され続けました。本来であれば誇れたかもしれない次期当主の座は、紋章持ちで優秀な弟の存在により針の筵と化したのではないでしょうか。周囲からは期待よりも監視の目を向けられ、失敗には失望よりも「やっぱり」という感想が返り、当の弟からも憐憫のまなざしで見られるだけ。

自己肯定感は全く育たず、そりゃーグレても仕方ありません。
本当に、なんでずっと嫡子のままにしておいたんでしょうね・・・
(歴史物を大得意とするコーエーテクモゲームス制作の本作ですので、その辺の設定が適当とはあまり考えたくないところです)

近しい立場の貴族であるグレンは、イングリット誕生からほどなく彼女の婚約者となっていますから、まだ「子ども」といえる年齢のうちに実質「廃嫡」されていると考えられます。

イングリットは嫁入り先を探しているのではなく、ガラテア家の家督を継ぐ者としてお婿さんを探しているので、グレンは婚約の時点でフラルダリウス家は継がずにお婿に出されることになったと思われます。
年表上は婚約もイングリット誕生と同じ1162年中の出来事なので、フォドラの暦を踏まえると3月までに婚約が決まったことになります。イングリットの誕生日は1月上旬、フェリクスは2月下旬と各出来事の間が短いので、もともとこの2人の誕生に絡めてガラテア家とフラルダリウス家で姻戚を結ぼうとしていた可能性がありますね・・・。
もしかしたら、グレンかフェリクスにイングリットを嫁入りさせるつもりが、まさかの紋章持ちだったので慌ててお婿さんとなったのかも。
(出生前に性別がわからなかったと考えると、同性なら学友に、異性なら婚約を、という感じ? イングリットには兄が2人以上いるようなので、男の子かつ紋章がない場合はカスパルと近いかそれよりも厳しい立場になるはずで、路頭に迷わないようにというガラテア伯の親心だったのでしょうか)

フラルダリウス家は大紋章を持つフェリクスにとっとと次期当主の座を渡したことになります。(ダフネル家とガラテア家分裂の経緯を見るに、グレンが小紋章持ちだったらここまで速攻で決めなかったのではと思うので、おそらく紋章はなかったのだと想像します)
一見冷たいように見えるロドリグおじの判断ですが、正直、マイクランだって嫡子でさえなければ騎士団に入るとか出奔するとかもう少し道は選べたと思うので、なまじ嫡子であったことが状況を悪くした可能性は相応にあります。
わずか2年ほどではありますがシルヴァンの方が先に生まれていて、ゴーティエ家がゴタゴタし始めたことはロドリグも承知していたでしょうから、わが子のための決断だったのかもしれません。

閑話休題、マイクランからすれば、自分と近い立場でありながら紋章持ちの小娘のところに婿入りが決まり、ヘラヘラしているグレンは決して境遇を分かち合える仲間ではなかったでしょう。弟同士はやたら仲が良くて王子までいる、眩しいまでの輪の中に嫡子でなくなったグレンがいて、嫡子である自分はいない。持たざる者同士のはずが、心は遠い。

弟を可愛いと思ったことが一度でもあるかはわかりませんが、一般的に男性同士の付き合いではプライドのぶつかり合いとなってしまう傾向にあり、身近に拠り所がないままマイクランの交友範囲はダークな方へと傾いて行ったと想像します。
面倒見のいい兄貴になる道もあったはずですが、シルヴァンの態度と、宿敵?グレンの立ち位置なども鑑みると、素直にそう振る舞えなかったことは想像に難くありません。

なお、シルヴァンの言葉で「兄上だとかは冷遇された」と言っているため、兄上だけではない、誰かもいた、と考えられますが、これはマイクラン付きの従者であったり、交友していた貴族を指す、という想像をしています。(ほかに兄弟がいた説も考えたのですが、ちょっと行き詰った)
彼らとしては、マイクランがそのまま当主になってくれた方が良かったと思いますが、結果を見ると、誰も最後まで寄り添ってあげることはできなかったのでしょう。
そういった意味では、重い期待をかけられ続けていたのは兄弟共通の苦しみだったのかもしれません。

結論:ゴーティエ伯が悪い

いくら何でも家門を継ぐ長男を蔑ろにするとは考えにくいので、冷遇と言っても待遇が悪かったというよりは「お前は期待はずれだ」とか「紋章がない(のに食わせてやってる)んだからこれぐらいやれ」とか、愛情を注がれなかった、という感じなのかなぁと想像します。
どっちにしてもダメだけどね!!!

帝国はどうか?

書きたかったことはほぼこれで終わりですが、最後に少しだけ帝国サイドの貴族たちに触れてみたいと思います。

まず、フェルディナント=フォン=エーギルくんは公爵家の嫡子ですので、生徒内での家柄的な序列はエーデルガルトに次いで堂々の二番目であり、あんなに偉そうにしていても実は全くおかしくないです。というか、他の公爵家の人たちがやる気なさすぎ。(フェリクスとヒルダ。一応クロードもだけど盟主だからこれは別)

また、帝国だけ辺境伯家ではなく侯爵家(ベストラ)があるのは、フォドラ単位で考えると帝国には陸の国境がないからですかね。紅花以外のベルペト外伝にヒューベルトが来ているのは、侯爵家としての仕事なのかもしれません。

そして全体に跡取りに興味が薄そうな家が多いですね。
嫡子がずっと引き籠っているヴァーリ家に、絶賛モラトリアム中のへヴリング家、(実態は不明だけど)あまり能力がなさそうな長男が跡取り予定のベルグリーズ家など。
特に次男であるカスパルの持ってなさは清々しいほどで、本人も全く気にしていないのがまた良いです。

基本の生活は帝都でしている、というのがこの緩さにつながっていそうな気がしますが、ぱっと糸口がありませんので今回はここまでといたします。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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