インタビュー記事には、相手が言ってないことも書く。
京都ライター塾アドバンスコースの受講生にわたくし・江角悠子を題材にして、人物インタビューの記事を書くという課題に取り組んでもらっています。
誰かに話を聞いて、それを文章にまとめた記事は、ふだんから目にすることも多いと思いますが、いざ自分で書くとなると、思ってたんと全然違う!難しい!と感じる人も多いようです。
上手なインタビュー記事は、楽しくおしゃべりしたのをまるで、そのまま書き起こしたかのように読めてしまうので、簡単に書けそうな気がしてくるのです。
でも、一度でもテープ起こしをしたことがある人なら分かると思いますが、話したまま書くと、とてもじゃないけど読めたもんじゃない、謎の何かが仕上がります。
読みやすいインタビュー記事は、話した順番も入れ替わっているし、なんなら相手が話していないことも書いてあります。
と、思う人もいるかもしれませんが、インタビューでは、そのときはうまく言語化できていない思いがあったり、わざわざ話さなくても、その場にいる人なら分かり合えていることがあったりします。
記事にするときは、それらをライターが読み取って、たとえば「こういうことが言いたかったんだろうな」という思いを書き足す必要があります。
言葉にして言ってはいないけど、こんな思いがあったんだろうなというのをライターが言語化して補足する。
察するというか、空気を読むというか。
その人が思っているだろうことも言語化するし、その場の空気感も文章にして読者に伝える必要がある。
空気感というのは、たとえば、インタビュー相手が何かの本番前とかで、口数も少なく、現場にはピリピリとした緊張感が漂っていたとか、そういうこと。
そうしたことは恐らくテープ起こしの文字を読んだだけでは決して、伝わってこないこと。
臨場感たっぷりの、そういうことまで盛り込んだ記事を書くのは、AIには難しいことだろうなと思います。
でも、相手が言っていないことまで書いて、そんな原稿、怒られない?と思うかもしれません。
原稿を公開する前には、先方校正といって、インタビューをさせてもらった人に内容を確認をしてもらう作業があります。
もし原稿を読んだ相手に「こんなこと言っていません」と言われたら、そのときに修正をすればいいのです。
私は、言っていないことまで書いて「言ってません」と修正されたことはほとんどなくて、逆に「そうそう! 私、本当はこういうことが言いたかったの!私が思っていたことを書いてくれてありがとう」と、喜んでもらえることの方が多かったです。
インタビュー相手といっても、いつもインタビューされ慣れている人ばかりではないし、自分の思いをきちんと言葉にできる人ばかりでもないので(口下手な人、寡黙な人もいる)、そこをライターが「インタビュー」で引き出し、原稿を書くときも、足りない言葉を補う必要がある、と私は考えています。
余談ですが。
私は「お手紙チャネリング」というのをやっているのですが(チャネリングをざっくり説明すると、目には見えない世界からメッセージを受け取ること)、チャネリングをやろうと思ったきっかけは、実はこうしたインタビューの実績があったからでした。
相手がまだ言葉に出来ていないようなこと、思っているだろうことを言語化して記事に盛り込む。
すると、すごく喜ばれたり、褒められたりしてきたので、それなら私、相手の思いを読み取るチャネリングも、もしかしたらできるんじゃない?と思って、練習を始めたのが始まりです。
こういう空気を読むことは、才能ある人だけができることではなく、ふだんからしている人も多いんじゃないかなぁと思います。気が付いていないだけで。
そんなわけで、今回のテーマは、「インタビュー記事では、相手が言ってないことも書く」でしたが。逆に、「インタビュー記事では、相手の言ったことをそのまま書いてはいけない」ときもあるので、次回のnoteではそれをテーマに書いてみようと思います!
(追記)書きました!
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