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気になる文章に出合ったら、すかさずメモするようにしているのですが、最近メモした気になるワードや文章はこちら。

●コーヒー初心者も飲みやすい
●懐かしさとモダンさ
●◎◎◎のハウツー情報は必ずしもいい結果をもたらすか
●超優良企業◎◎◎に勤めた人の末路

読んでみて、どうでしたか?
何か違和感を感じたでしょうか。

私が気になったところを書き出してみたいと思います。

まず「コーヒー初心者」というのは、何となく意味は分かるのですが、日本語としてどうなのか?と気になってしまった。

これは、私の授業を受けている学生が提出してくれた原稿だったので、書いた本人に「ふだんはあまりコーヒーを飲まない人ということですか?」と確認すると、そうだと言う。


なるほど、たしかにニュアンスとしては分かる。


辞書で「初心者」を調べると、習いはじめの人、未熟な者とあったので、コーヒーの飲み方は習うものではないし(珈琲店をするなら習うのかもしれないが)、カフェで飲む程度の場合はそうではないし、コーヒーを飲むことに関して、未熟とも言わないのではないかと思い、そのように伝えたのでした。


たとえば、茶道だったら、初心者というのかもしれない。


「懐かしさとモダンさ」は、モダンさというのか?という違和感。懐かしさと同列に表現したかったのは分かるが。まぁ、言わない。この場合よく使われる表現は、「レトロとモダン」なのかなと思う。それもありきたりで、良い表現かどうかは分からないが。


「◎◎◎のハウツー情報は必ずしもいい結果をもたらすか」は、もう違和感しかなかった。

「必ずしも」という言葉は、そのあとに否定の言葉とセットになって使うものなので、もしこの文章で使うとしたら、「◎◎◎のハウツー情報は必ずしもいい結果をもたらさない」とするのが、日本語として正しいと思う。


辞書を調べると、こんな例文が載っていた。

「貧乏だからといって、必ずしも不幸ではない」
「必ずしも、成功すると決まったわけではない」


そして最後、「超優良企業◎◎◎に勤めた人の末路」。


最近よくインスタの投稿で見かけて気になっていたのですが、末路って「悲惨な結果」を表していて、一般には憐れむべき場合に使われます。


が、そのインスタの投稿を最後まで見てみると、末路とあるから、優良企業に勤めても大変なのかなと思いきや、超優良企業に勤めた人はすごい幸せになってるから、みんなそうした方がいいよ!みたいな全く逆の結末になっているのです。


そういう投稿がいくつもあって、私はものすごく気になってしまう。

でも、昔は否定語と一緒に使うのが正しかった「全然〜しない」というのも、今は「全然、大丈夫」と表現しても普通になってきているし、言葉は生ものだからいろいろ変わっていくだろう。


そのうち、「必ずしも」の使い方も、この「全然」のように変わったりするかもしれないが。


ちょっと最近気になった表現を書き出してみました。


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京都在住エッセイスト・ライター、ときどき大学講師 江角悠子
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