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未来は分からないから、面白い。
1度見た映画やドラマを再び見ることを、私はあまりしない。
なぜなら、どういう展開になるのか、予測できてしまうから(それはなんてつまらない)。
一方で夫は、気に入った映画を何度でも繰り返し、繰り返し見る。完全に台詞を覚えるくらい見て、画面の端々まで見て楽しむ(ようだ)。
展開も、結末も分かっているものを見て、いったい何が楽しいのだろうか?と、私は疑問に思い理由を聞くと、「絶対的な安定」と言っていた。
面白いと分かっているから、ハズレることはない。分かっているから安心して見られる。安定してるからいいのだと。
うむ。
私が映画を観るなら、この先どうなるか分からない、ドキドキ感を味わいたい。この後どうなるのだろう、全く読めない!とワクワク期待しながら、未知の世界を楽しみたい。
知っている展開なんて、全くもってつまらない。どうなるか分からないからこそ、楽しいのに。
と、ここまで考えて気がついたのだけど、私は人生においてもそう考えているよなぁと思った。
会社員になって、このままお給料をもらいながら、定年まで安定した生活を送る。
こういうのを、マジつまらん!と私は感じてしまうんだなと(良い悪いではなく、私がそう感じているということ)。
何が起こるか全く分からない。予測不可能な人生を送りたいから、フリーランスに行き着いたのかもしれない。
フリーライターは、安定していない。
毎月仕事をもらっていた雑誌が突然休刊することもあったし、 Webサイトが閉鎖することもあった。編プロが未払いのまま倒産したこともある。
でも、その逆もあって、思いもしなかった仕事の依頼が舞い込んでくることもあるし、ある日突然、予想だにしなかった斜め上の方向から、うれしい案件の依頼もあったりする。
大学の非常勤講師の仕事や、昔やっていたテレビのリサーチャーの仕事など、想像だにしなかった。
何が起こるか分からない。
これが本当に面白いし、楽しい。
でも、フリーライターが安定していないからといって、その都度成り行きに任せ、風に吹かれているわけではない。自分である程度、舵を取ることはできる。
たとえば、連載の仕事を獲得すれば、定期的な収入につながるし、企業と年間契約すれば、まとまった額も入ってくる。
自分の食べたい野菜の種をまき、育て収穫する。慣れてきたらある程度、収穫の見込みは立てられるし、だんだん育てるのが上手になっておいしくなったりする。
飽きたら違う種類の種をまいてみる、とかしてフリーランスを最大限楽しんでいる(実際に野菜を育てるのは壊滅的にできないが)。
そんなことを思いながら夫と話していると、夫が「そういえば最近同じ映画を観ることもないな」と言いだした。昔はそうだったが今はそうでもない、と。好みが変わったのだろうか。そして夫も会社員ではなく自営業であるため、2人して荒波に揺られている。
でも「安定」と「波乱万丈」と、両方のおいしいとこ取りできるのが、一番いいのかもしれないなぁ。
そんなわけで、あなたのお好みはどっちですか?
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