人に嫌われる聞き方、していませんか。
私がライターになった理由のひとつに、人と話すことが苦手だったから、というのがあります。ライターなら一人で書いていればいいから、人と話さなくていいと思っていたのです。
それが大間違いだったことに、ライターになってしばらくしてから気が付きました。なんせライターとは人に話を聞いて、それを言語化し、記事にする仕事なのだから。
でも、話すのが苦手だったから、聞く技術が磨かれた部分はあるかもしれません。なので、今、聞き役をする方が多いという人はライターに向いているのかも。
とはいえ、私はインタビューをするようになってから、いかに人の話を聞けていないかということを痛感するようになりました。
まずインタビューしたあとに記事を書こうとすると、書けない。その場では分かったつもりになっていたのに、いざ文章にしようとすると、全然分かっていない(だから書けない)。
書くときになって初めて、自分が理解していないことに気が付くのです。びっくり。
わしはいったい何を聞いてきたんや?
次に驚いたのが、私がインタビューする側であるにもかかわらず、インタビューが盛り上がってくると、「自分の話」をしたくなるのです。
「そうそう、分かります!実は私も…」みたいな感じで、インタビュー中に何度も自分の話をしたくなるのです。
記事にいっさい必要ない私の話。貴重なインタビュー時間、いい記事を書くには、相手にたくさん話してもらわないといけないのに。どうしても、私の話も聞いてもらいたい…!
そうか、人は、人に「自分の話」を聞いてもらいたいものなのだ。そう気付くことはできたのですが、この欲求を押さえるのがけっこう大変でした。
だって、話を聞いてもらえたら、うれしいから!
聞いてもらった揚げ句、共感してもらえたりしたらもう、承認欲求がこの上なく満たされる。
でも、この欲求をうまく押さえられない人は、どんな話も最終的に「自分の話」に持っていってしまう傾向にあります。
あなたのまわりにもいませんか?
みんなで楽しく話をしていたのに、気付いたら「自分の話」にすり替えている人。人の話を横取りして、最終的に自分の話ばかりする人。
こういう聞き方をしていると、たぶん人から嫌われます。
ただ、こうした「聞いてもらいたい」という欲求が誰にでもあると分かると、それを逆手に取れるようになりました。
どんなに話の弾まない人とのインタビューも怖くなくなったのです。
それまでインタビューで、口数の少ない人や無口な人がいると、ひるんでしまって、あまり質問ができなかったのですか、「どんな人も、本当は自分の話を聞いてもらいたいものなんだ」と分かってからは、臆することなく質問ができるようになったのです。
話は弾んでないかもしれないけど、自分の話をしたいと思っているかも。
そう思って粘り強く、いろんな角度から質問をして、相手の言葉に耳を傾けていると、最後にはこちらが聞いていないことまで、嬉々として話してくれるようになったりするのです(私の体感ではこれはもう、ほぼ100%)。
嫌われる聞き方は本当にたくさんあって、たとえば、インタビュー中、次の質問をどうしようかと考えて、肝心の相手の言いたいことが何かを聞けてなかったり、結果ダメな質問をしたり。
相手も嫌いな人に、積極的にいい話をしようとは思わないし、そうなるといい記事を書くのも難しくなります。
聞く力があると、ライターとして強みになるのはもちろん、聞く力を身に着けると、ふだんの人間関係が円滑になり、必ず仕事もうまく行くようになると私は思っています(私はなりました)。
そもそも、ふだんの会話から聞く力が発揮できていないと、より緊張するインタビューの場面で、聞く力を発揮することはできません。
人の話を本当の意味で聞けるようになると、良いことがたくさん起こるようになります。
「江角さんだから話すんですけどね」「ここだけの話」とか言われると、私は最高にワクワクするのですが、あなたはどうでしょうか。
「聞くこと」は、「書くこと」と同じくらい人生を豊かにしてくれるし、人生を変える力があります。
久々のインタビュー講座の準備をしていたら、本当に楽しくて、私が一番ワクワクしているかもしれません。
過去の受講生の感想も紹介しておきます!
そんなわけで、11/16のインタビュー体験講座「取材ができるライターになろう!」、まだまだ、参加者募集中です!